谷本誠一市議はマスク強要社会に風穴を開けられるか

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東京弁護士会

2022年4月28日付のRCC Newsは「“マスク拒否” 呉市議 降機命令取り消しと損害賠償1円求め航空会社と警察署を提訴 裁判所にはノーマスクで」という表題で、広島・呉市議会の谷本誠一議員が、航空会社AIRDOと釧路警察署を相手取り当日の降機などの命令の取り消しと損害賠償1円を求める訴えを広島地方裁判所に起こしたことを報じている。

谷本誠一氏のAIRDO降機事件

新千歳空港

2022年2月12日付で私が掲載した「マスク真理教に席捲される臆病ニッポン」で書いた「マスクの着用要請は強制、顧客に拒否権なし、すれば極悪人扱い」を再掲する。

この事件が、私が広島・呉市議会の谷本誠一議員とフェイスブックでコミットメントすることになったきっかけであり、今回の訴訟の根本原因となっているからだ。

そして、以下の文中にある「どこの誰ともわからない人にコロナを移されてたまるか」というマスク真理教に毒された日本人のメンタリティは、4月28日付の「サフィール踊り子で行く伊東温泉日帰り旅行」のときに、赤裸々に証明され、私は心の底から笑ったものだ。

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2022年2月10日付の週刊女性Primeに「【機内でマスク拒否】広島呉市議が“しない理由”を独占告白『コロナは茶番劇。闇の組織が仕掛けたもの』」が掲載された。

要は、広島県呉市の市議会議員谷本誠一氏が、6日の釧路発羽田行きのエア・ドゥの旅客機内で、マスク着用を要請されたにもかかわらず、それを拒否したために、客室乗務員とトラブルになり、最後は降機させられて、出発が1時間以上遅れたというものだが、案の定、呉市役所への苦情を始め、SNSなどでもクソミソに書かれている。

ところが、谷本氏の言い分が真実だとすれば、悪いのはエア・ドゥの客室乗務員だと思うのだが、マスク真理教徒たちは極悪人(マスクをしなかった谷本氏)を成敗してやるといったノリでコメントしている。
谷本氏は地方議会の一議員だが、これで議員辞職をさせられるようなことがあれば、不憫の一言であろう。

『マスクをしない会』講演のため、釧路にいた谷本市議。その帰りの飛行機内で事件は起きた。行きも“ノーマスク”で搭乗したのか?

「ええ、もちろんです。乗ったのはANAだったのですが、搭乗する前に、ちゃんと“私たちはこういう理由でマスクはしません。ほかのお客さまに迷惑をかけてはいけないので、一番後ろの席にしてください”と説明した。その時はまったく問題はなかったんです」(谷本市議、以下同)

だが、帰りは少し状況が違ったようだ。

搭乗前に同じ説明をして、すんなりOKが出ていました。しかし、機内の客室乗務員には伝わっていなかったのか、話がこじれてしまってこんな事態になったのです

これは私の推測でしかないが、アシアナ航空(Asiana Airlines)の成田-ソウル線で、息苦しさから、わずかな時間でもマスクをずらしていると、発狂したようにキャビンアテンダントが「マスク、マスク」と言ってきた経験からすると、エア・ドゥの地上スタッフのノーマスクOKにもかかわらず、客室乗務員は、条件反射のように「マスク、マスク」と連呼し、「ノーマスクの事前了承取ってますよ」と谷本氏が言うのも一切聞かずに、ずっと「協力をしていただけないんですか、マスク、マスク」と言っていたと想像できるのだ。

(この推測は、2022年2月7日付のジャーナリスト・高橋清隆氏の記事「谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、『憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める』」で、極めて正しいことがわかっただけでなく、私の想像以上の異常な対応をされたようだ。)

とにかく、マスク真理教徒は、相手の言い分などすべてシャットアウト、「マスクをしないのは非国民」みたいな態度で、挙句の果てに、「皆がガマンして(マスクをして)いるのに、貴方はなぜできない」とか言ってくる始末なので、話にならないのだ。

一応、念のために、エア・ドゥの釧路-羽田線が何人乗りなのか、BOEING737-700(73D)の使用機材・座席表を見ると、144人(24×6)乗りのようで、谷本氏が乗ったフライトは44人の乗客がいたというから、3割程度しか埋まっていない。

それゆえ、エア・ドゥの地上スタッフはノーマスクOKを出したのだろう。
いい加減、屋外や屋内でもガラガラの空間ではマスク不要という認識を日本人が持たないと、ホントに永遠にマスクを付けることになるだろう。

それに、国際航空運送協会(IATA)は2021年12月22日付で、Statement on Recent Comments Regarding Covid-19 Risks During Air Travel(航空機による旅行における新型コロナウイルス感染症に関する声明)を出している。

The International Air Transport Association (IATA) clarified that the aircraft cabin remains a very low risk environment for contracting COVID-19 even though Omicron appears to be more transmissible than other variants in all environments.

国際航空運送協会(IATA)は、オミクロンはすべての環境で他の亜種よりも感染性が高いように見えますが、航空機の客室は新型コロナウイルスに感染するリスクが非常に低い環境であると明言しました。

それと、何度も紹介するが、2021年7月18日付の「総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ」の記事「熱中症警告:救急医療の現場より‼️」に書かれている

屋外の開放空間で、空気を吸っただけで感染する事はありません。

コロナウイルスは自ら増殖しません。人の体内に「ある程度まとまって」入って、初めて増殖・感染するのです。ですので、屋外だけでなく、屋内でもマスクが必要な場所はあまり多くはないのです。

を肝に銘じたらいかがだろうか。

日本人の多くはマスク真理教(カルト)に毒されているので、「公共交通機関でマスクを付けないなんて非常識」と言い、「どこの誰ともわからない人にコロナを移されてたまるか」などと吠えるが、笑わせてもらっては困る。

私が2021年11月から12月の中央アジア旅行で滞在した、ウズベキスタンやキルギスでは、マスクを付けていたのは、クリニックの医師と看護師、一部の高齢者くらいと言っても過言でないレベルだったのだ。

ちなみに、中央アジア諸国で、屋外マスクを付けていたのは、日本人だけだったように思うが、マスク1枚で外界に漂うウイルスを完全にシャットアウトできると思う方がおかしい。
それよりも「長時間マスクが奪う子供の未来、日本人の未来」で書いたようなリスクの方がはるかに高いとは思わないのだろうか。

成田空港のウェブサイトには「日本へ帰国・入国される方の交通アクセスについて」というのがあり、外国からの帰国者に公共交通機関を使うなというのは、厚生労働省の役人がバカなのかと思ったら、マスク真理教(カルト)信者が発狂するからと納得できたのが、今回の収穫だろうか。

要は、素性が知れている人からコロナを移されるのは仕方ないが、第三者に移されるのは我慢ならないというメンタリティということがよくわかったからだ。

フロリダ地裁の判決でアメリカの交通機関のマスク着用義務撤廃

John F. Kennedy International Airport

2022年4月19日付のBBC Japanは、「米フロリダ連邦地裁、公共交通機関でのマスク義務は『違法』」と報じ、アメリカ国内における全ての空港や列車、タクシー、交通ハブにおけるマスク着用義務は事実上撤廃されることになった。

記事によれば、公共交通機関におけるマスクの着用義務を課していたのは、ホワイトハウス(バイデン政権)と疾病管理予防センター(CDC/Centers for Disease Control and Prevention)で、そのせいで機内のマスクトラブルが7,000件にものぼったとある。
件数だけ比較すると、谷本氏のトラブルどころの騒ぎではなかったようだ。

その米国で地裁判決を機に、マスク着用義務が速攻で撤廃されたというのは、画期的ともいえ、アメリカでは、マスクなどほとんどの人が付けたくなかったのだろうと思う。

日本ではメディアと医師会がマスク真理教の総本山

 

ABEMAニュースで、「【ノーマスク】ひろゆき「医師会の会長はおかしいことを言ってる」ずーっと着用?変わらないコロナ対策|《アベマで放送中》」という動画が流れている。

テキスト版は、4月24日付のヤフーニュース「日本は永遠にマスクを外せない? 医師会会長の発言にひろゆき氏『変な誤解をメディアが垂れ流している』」にあるのだが、マスメディアでは、4月25日付の東京新聞「マスクいつ外せる?緩和の基準は? 専門家『感染予防効果あるが、人がいない屋外では不要』」で報じられている。

要は、日本医師会の中川俊男会長が、

「ウィズ・コロナの状態で、マスクを外す時期が日本に来るとは思っていない。終息が来ると分かった時点で、初めてマスクを外していいと思う」

と発言したことを受けてのことだが、現在の医学では、コロナ禍は収束(ある一定の状態に落ち着く)することはあっても、終息(完全に終わる)することはないので、中川医師会長曰く、日本では永遠にマスクをしろと言っているのと同義だというわけだ。

ここで不思議に思うだろう。
日本のメディアは、なぜ政策決定権者である後藤茂之厚生労働大臣や、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長にインタビューしないで、何ら政策上の権限も責任も持たない医師会長の意見などを垂れ流しているのか。

要は、彼らが日本のコロナ騒動における黒幕で、利権屋の代表なのだ。

メディアは騒動が長引けば長引くほど視聴率が稼げるし、マスコミに持て囃される医師たちのコロナ利権屋ぶりは、2022年1月26日に収録された「新」経世済民新聞 三橋貴明 公式チャンネルの「【緊急ZOOM対談】小池都知事や感染症専門家の正体~まん防乱発の黒いカラクリ(藤井聡×木村盛世)」を見れば一目瞭然だ。

それに、2022年3月29日付のITmediaビジネスオンラインに「欧米では『脱マスク』が進んでいるのに、なぜ日本は『マスクビジネス』が大盛況なのか」という記事があるように、最近では、これにマスク屋まで加わっているから手に負えない。

社畜大国の日本人がマスク強要社会に順応できる理由

驚く外国人男性

日本人がここまで嬉々としてマスク強要社会に順応しているのはなぜだろうか。
私はコミュニティへの従属性が最も強い理由ではないかと思う。
日本人は所属するコミュニティから外されることを極度に恐れ、それが故にどんな苦痛も受け入れることを厭わない。

例えば、サラリーマン社会では「サービス残業」という自主的無賃労働が尊ばれる文化がある。

私が2017年10月10日付で書いた「憲法違反のサービス残業、不払い賃金は民法の不当利得返還請求で取り戻せるか」で書いたように、従業員に無賃労働をさせた場合、労働基準法違反のみならず、少なくとも民法の不当利得返還請求権が労働者側には生じると思うのだが、それを盾に訴訟を起こした例は稀有で、場合によっては強要罪も成立すると思うのだが、従業員に無賃労働をさせた経営者が強要罪で逮捕された例は、寡聞にしてない。

2022年(令和4年)3月29日に総務省統計局が発表した2022年2月分の労働力調査によれば、6838万人の就業者のうち、役員を除く雇用者、つまり、サラリーマンは5650万人、就業者の8割超の人が給与を柱として生活していることになっている。

つまり、日本はサラリーマン大国であるとも言えるのだが、彼らが経営者の違法行為に対して鈍感にさせられていることが、そのままマスク強要社会にも順応できる結果となっている。

私に言わせれば、第三者にマスク着用を強要するのは違法行為だという認識なのだが、それをやっているサラリーマンに罪の意識がないのだ。
政府がハラスメントだと言わなければ、何の罪の意識も感じず、「上から言われてます」の一言で、マスク強要社会を形成する。
今や、マスクは職位の上位者や施設管理者のパワハラの道具と化している。

それを下位の従業者や顧客が拒否しようものなら極悪人のような扱いを受けかねない。
日本人は、海外から規律正しいという評判を受けて嬉々としているが、実態はコミュニティの同調圧力に屈しているだけであろう。

日本ではコミュニティのルールや慣習が、憲法や法律さえも凌駕する。
そこに従えない者にとっては、実におぞましい社会であり、それがゆえに多数の日本人は唯々諾々と従っているフリをする。

従っているフリだけで済めばいいが、たいていの場合、自分が我慢しているのにお前は何だと、改革者の邪魔をする。
サービス残業を拒否するサラリーマンと、マスクの強要に異議を申し立てる人の運命は変わらない。
つまり、社畜大国ニッポンが、泥船のように沈む理由の一つはそこにある。

残念ながら「大日本ガマン帝国の偉大なる臣民たち」に明るい未来はない。

2019年6月26日付の「老後2000万円を作るのに必要なのは勇気と電卓だ」でも書いたように、ざっくりと計算して、サービス残業が常態となっているサラリーマンは、生涯で1400万円の会社への貢ぎ物をしているのだ。

それで経済が上向かなかった平成時代の経営者はどれだけ無能なのか。
日本人が豊かさを失った理由の一つはサービス残業の慣習であり、おそらく、令和時代のマスク強要社会がさらなる生産性の低下を招くことだろう。

働く意欲も能力もありながら、マスクがイヤで職場を離れる者、やめさせられる者、それが日本にとってどれだけの損失を抱えるか明白になった頃には、日本という国が「かつて輝いていた経済大国」と呼ばれることだろう。

谷本誠一氏の訴訟を支援

JR西日本宮島フェリー

私は、今回の谷本誠一氏の訴訟に際して、釧路強制降機事件訴訟応援サイトに書かれていた口座に些少ながら支援をさせていただいた。

私は呉市民ではないが、2021年4月25日付の中川淳一郎氏のコラム「緊急事態宣言より我慢ならない『マスク圧力』について今こそ言ってやりたいこと」にあるように、日本を覆うマスク強要社会に風穴を開けて欲しいと願う一人だからだ。

2021年10月16日付の「1億総病気~コロナ禍で流行るマスク皮膚炎という国民病」や、2022年4月12日付の「マスク皮膚炎で再通院して感じた利権とバカの壁」とあるように、私が、もはや日本で働く(雇われる)ことは論外、生活することさえ、うんざりしてくるレベルだというのを理解してくれる人があまりにも少ないからだ。

日本の施設では「マスク着用にご協力を願います」とか、酷いところになれば、「マスク着用がない方はお入りいただけません」などと書いてあるところが多いが、彼らの要請という名の強制に従った結果が、マスク皮膚炎を患うことでは、二度と彼らに従う気などなくなることがまるでわかっていない。

ところで、客観的に見ると、谷本氏が勝訴したとしても、2023年(令和5年)の呉市議選に当選するかどうかは予断を許さない。
何しろ、日本では谷本氏の敵はマスメディアなのだ。
谷本氏に有利なことは報道しないし、一方で、都合の悪いことは大々的に報じかねない。

それが選挙民の投票行動を左右することは容易に想像でき、彼の政治生命を左右するかもしれないにもかかわらず、ノーマスク運動に身を投じる谷本氏を私は応援するのである。

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