新型コロナウイルス感染防止対策の一環として、マスク着用が推奨される日本、しかしながら、今や推奨でなく、実質的に強制される場面も増え、それをおかしいと言うだけで極悪非道な犯罪者並みに扱われる。
日本人はそういうことをすることで、自分で自分の首を絞めていると思わないのか。
真夏の屋外マスクはカルト信者の修行か
2020年夏、私は、ようやく負傷事故の痛手から立ち直り、リハビリを兼ねて街歩きをするようになったときのことだった。
ほとんど誰もいない街路で、酷暑の中でマスクをし、ニコニコしながら、その外から携帯ファン(扇風機)を当てている女性の一団と私はすれ違った。
いったい何をやっているのだろうか。
新手のカルト(宗教)信者なのか、大怪我で足が不自由な私は、勧誘などされないように、気をつけようと思った。
ところが、私の行動範囲が広がるにつれ、真夏なのに、マスクをして自転車に乗る人、ジョギングをする人ともすれ違うようになった。
もちろん、換気のために窓を開けたガラガラの電車でも、ほとんどの人はマスクをしていた。
そればかりではない。
「2020年の旅デビューは真鶴日帰り」でも書いたように、観光案内所には正気の沙汰とは思えぬ奇怪な張り紙がされていた。
新型コロナウイルス感染予防の観点から観光協会では、マスク着用拒否されるお客様には自転車をお貸しできません。
戸塚共立リハビリテーション病院に入院している間(2020年1月10日から4月6日)にコロナ禍が激しくなったものの、しばらくは、自宅と近隣しか行動範囲がなかったので、スーパーマーケットで買い物をするときくらいしかマスクをしていなかった私は、異次元の世界に迷い込んだようなショックを受けた。
新型コロナウイルスは真夏の屋外でも、そんなことまでしないといけないほど危険なものなのか。
しかし、タダでさえも熱中症で倒れる危険性があるのに、マスクまでして彼らは何を考えているのか。
いくら考えても答えは出ず、それは2021年の夏になっても同じだった。
そして、月日がたち、私はフト思った。
2022年1月13日付の「穢れし者たちへ~水際対策という名の成田空港検疫」で私は書いた。
夏でも屋外マスク族は、まさにゼロコロナ信奉&ソトは穢れし世界に浸っているとしか思えないからだ。
そう、インターネットで「マスク真理教」という言葉を見つけたとき、私は自分で自分の推測に納得した。
2022年に入って、日本でもオミクロン株(新型コロナウイルスの亜種)が大流行しているが、多くの日本人が就寝と入浴、食事以外の時間は狂ったようにマスクをしていても、感染が広がっていることで、さしものマスク信仰も崩れるかと思っていたが、未だに屋外マスク族が9割を超えていることで、日本人にとってマスクは、宗教(カルト)の域まで達したことを私は確信した。
マスクの着用要請は強制、顧客に拒否権なし、すれば極悪人扱い
2022年2月10日付の週刊女性Primeに「【機内でマスク拒否】広島呉市議が“しない理由”を独占告白『コロナは茶番劇。闇の組織が仕掛けたもの』」が掲載された。
要は、広島県呉市の市議会議員谷本誠一氏が、6日の釧路発羽田行きのエア・ドゥの旅客機内で、マスク着用を要請されたにもかかわらず、それを拒否したために、客室乗務員とトラブルになり、最後は降機させられて、出発が1時間以上遅れたというものだが、案の定、呉市役所への苦情を始め、SNSなどでもクソミソに書かれている。
ところが、谷本氏の言い分が真実だとすれば、悪いのはエア・ドゥの客室乗務員だと思うのだが、マスク真理教徒たちは極悪人(マスクをしなかった谷本氏)を成敗してやるといったノリでコメントしている。
谷本氏は地方議会の一議員だが、これで議員辞職をさせられるようなことがあれば、不憫の一言であろう。
『マスクをしない会』講演のため、釧路にいた谷本市議。その帰りの飛行機内で事件は起きた。行きも“ノーマスク”で搭乗したのか?
「ええ、もちろんです。乗ったのはANAだったのですが、搭乗する前に、ちゃんと“私たちはこういう理由でマスクはしません。ほかのお客さまに迷惑をかけてはいけないので、一番後ろの席にしてください”と説明した。その時はまったく問題はなかったんです」(谷本市議、以下同)
だが、帰りは少し状況が違ったようだ。
「搭乗前に同じ説明をして、すんなりOKが出ていました。しかし、機内の客室乗務員には伝わっていなかったのか、話がこじれてしまってこんな事態になったのです」
これは私の推測でしかないが、アシアナ航空(Asiana Airlines)の成田-ソウル線で、息苦しさから、わずかな時間でもマスクをずらしていると、発狂したようにキャビンアテンダントが「マスク、マスク」と言ってきた経験からすると、エア・ドゥの地上スタッフのノーマスクOKにもかかわらず、客室乗務員は、条件反射のように「マスク、マスク」と連呼し、「ノーマスクの事前了承取ってますよ」と谷本氏が言うのも一切聞かずに、ずっと「協力をしていただけないんですか、マスク、マスク」と言っていたと想像できるのだ。
(この推測は、2022年2月7日付のジャーナリスト・高橋清隆氏の記事「谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、『憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める』」で、極めて正しいことがわかっただけでなく、私の想像以上の異常な対応をされたようだ。)
とにかく、マスク真理教徒は、相手の言い分などすべてシャットアウト、「マスクをしないのは非国民」みたいな態度で、挙句の果てに、「皆がガマンして(マスクをして)いるのに、貴方はなぜできない」とか言ってくる始末なので、話にならないのだ。
一応、念のために、エア・ドゥの釧路-羽田線が何人乗りなのか、BOEING737-700(73D)の使用機材・座席表を見ると、144人(24×6)乗りのようで、谷本氏が乗ったフライトは44人の乗客がいたというから、3割程度しか埋まっていない。
それゆえ、エア・ドゥの地上スタッフはノーマスクOKを出したのだろう。
いい加減、屋外や屋内でもガラガラの空間ではマスク不要という認識を日本人が持たないと、ホントに永遠にマスクを付けることになるだろう。
それに、国際航空運送協会(IATA)は2021年12月22日付で、Statement on Recent Comments Regarding Covid-19 Risks During Air Travel(航空機による旅行における新型コロナウイルス感染症に関する声明)を出している。
The International Air Transport Association (IATA) clarified that the aircraft cabin remains a very low risk environment for contracting COVID-19 even though Omicron appears to be more transmissible than other variants in all environments.
国際航空運送協会(IATA)は、オミクロンはすべての環境で他の亜種よりも感染性が高いように見えますが、航空機の客室は新型コロナウイルスに感染するリスクが非常に低い環境であると明言しました。
それと、何度も紹介するが、2021年7月18日付の「総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ」の記事「熱中症警告:救急医療の現場より‼️」に書かれている
屋外の開放空間で、空気を吸っただけで感染する事はありません。
コロナウイルスは自ら増殖しません。人の体内に「ある程度まとまって」入って、初めて増殖・感染するのです。ですので、屋外だけでなく、屋内でもマスクが必要な場所はあまり多くはないのです。
を肝に銘じたらいかがだろうか。
日本人の多くはマスク真理教(カルト)に毒されているので、「公共交通機関でマスクを付けないなんて非常識」と言い、「どこの誰ともわからない人にコロナを移されてたまるか」などと吠えるが、笑わせてもらっては困る。
私が2021年11月から12月の中央アジア旅行で滞在した、ウズベキスタンやキルギスでは、マスクを付けていたのは、クリニックの医師と看護師、一部の高齢者くらいと言っても過言でないレベルだったのだ。
ちなみに、中央アジア諸国で、屋外マスクを付けていたのは、日本人だけだったように思うが、マスク1枚で外界に漂うウイルスを完全にシャットアウトできると思う方がおかしい。
それよりも「長時間マスクが奪う子供の未来、日本人の未来」で書いたようなリスクの方がはるかに高いとは思わないのだろうか。
成田空港のウェブサイトには「日本へ帰国・入国される方の交通アクセスについて」というのがあり、外国からの帰国者に公共交通機関を使うなというのは、厚生労働省の役人がバカなのかと思ったら、マスク真理教(カルト)信者が発狂するからと納得できたのが、今回の収穫だろうか。
要は、素性が知れている人からコロナを移されるのは仕方ないが、第三者に移されるのは我慢ならないというメンタリティということがよくわかったからだ。
臆病な日本人が健康も労働生産性も未来の経済成長もすべてを台無しにする
2020年9月2日付の東洋経済に「日本人は自らの臆病体質の弱みを認識してない」という記事が掲載された。
日本人が臆病というのは、サムライや第二次世界大戦までの勇猛果敢な軍人の歴史を見ていると、俄かに信じ難いが、日本企業や日本人がリスクを取りたがらないと置き換えると、真夏の屋外マスクというカルトの修行めいた行動もすべて説明がつくのである。
そう、私は訪問先の何気ない世間話で「貴方は屋外でもマスクをしてるのか?」と聞いたら、周囲を憚るような声で「そのように上から言われてるんです。」という驚きの答えが返ってきた。
従業員のプライベートに土足で踏み込むのは日本の組織の常とはいえ、社外でマスクを付ける、付けないの指示までしているとは驚きの一言である。(私もそこまでされたことはない)
つまり、日本の経営者の一部(多く?)は、従業員の健康も、労働生産性の向上もシカトして、コロナ、コロナ、マスク、マスクとやっているわけで、これで日本の経済が上向けば奇跡である。
ここまできて、従業員がプライベートタイムのマスク着用まで干渉される理由は何なのか調べてみると、厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQ&Aに、濃厚接触者の定義があった。
つまり、インフルエンザなどほかの疾病との違いは感染者のみならず、濃厚接触者も自宅待機等になる点で、さすが連帯責任の国、ニッポンだと思う。(他国でもあるのか?)
濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、
- 距離の近さと
- 時間の長さです。
必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
この濃厚接触者になると、7日間は自宅待機(出勤停止)となるため、ギリギリの人数で経営をしている社長や、会社に何時間いるかが評価基準の日本のサラリーマンにとっては死活問題、この必要な感染予防策の一つが、多くの日本人をマスク真理教徒に貶めたマスクの着用で、どこでもマスク、いつでもマスクの根源なのだ。
それでも私は言いたい。
屋外や閑散とした屋内で新型コロナウイルスに感染する確率は相当に低いし、仮にそれが心配だったとしても、職場の上司などに対して、プライベートタイムのことなど居直れないのかと思う。
私に言わせれば、それができないから、毎年のエクスペディアの有給休暇・国際比較調査では、日本人サラリーマンの有給休暇取得率は万年ビリの状態だし、サービス残業(無賃労働)をやらされるハメになるのだ。
となれば、結論は、やっぱり平成以降の日本人は臆病、それがゆえに経済成長もなかったのかと思う。
ほんべつ循環器内科クリニックの挑戦~マスク着用要請撤廃
私が北海道中川郡本別町にある「ほんべつ循環器内科クリニック」を知ったのは、友人がフェイスブック上で紹介していたからだ。
そのクリニックのトップページには
●「来院時のマスク着用のお願い」を中止いたします
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、これまでお願いしていた「来院時のマスク着用のお願い」をこの度、中止いたします。理由は、
- これまで様々なところで指摘されてきましたが、子供たち、特に乳幼児のマスク着用による弊害〜〜精神的・身体的な発達の障害〜〜が、日本においては感染リスクよりも大きなものになっていると考えます。
- この夏の新型コロナウイルス・デルタ株の感染爆発により、多くの日本居住者が感染(症状なく感染した人も大量にいます)、もしくはウイルスの被曝を受け、自然免疫(ワクチンの10〜20倍の免疫力)を獲得したと考えられます。
また、デルタ株が弱毒株であり、世界の状況をみても「普通のカゼ」になったと判断されます。
また、その後、脅威となる変異株も観測されていません。以上の事から「来院時のマスク着用のお願い」について、当院では2021年10月25日から中止いたします。
当院では空間除菌、換気の徹底を含めた感染対策を十分に行っております。
マスク着用を含めた感染対策について個々の患者様の判断を尊重いたします。そのうえで病気のためマスク着用が苦痛になっている患者様がおられることについて十分にご理解いただきますようお願いいたします。
2021年10月25日 院長 藤沢明徳
患者の総数からすれば、首都圏のクリニックなどとは比べ物にはならないだろうが、脱マスクを表明した医療施設が出てきたことは大きい。
そう、私も病院などの屋内施設で、マスクを付けたいという人に、付けるなと言うつもりはない。
ただ、屋内であっても、マスク着用の協力や要請は状況に応じてすべきだし、一律にマスク着用を強要するなと言いたいだけだ。
まして、屋外にある施設などは、特別な状況でない限り、マスク着用に協力しろなどというのは、傲慢以外の何物でもないのだ。
新型コロナウイルス感染症対策本部へ意見を送付
私は、ここで書くだけでなく、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部にも意見を送ることにした。
ちなみに、私は、来る参議院議員選挙の候補者にも同じようなものを送るつもりでいる。
新型コロナウイルスの感染防止対策の一環としてマスク着用があり、屋外においても多くの人が付けていますが、仕事などの時間を通算すると、10数時間連続に及ぶこともあり、集中力を欠いてミスをしたり、生産性が落ちる原因にもなっています。
日本人の生産性が著しく低下するのをあなた方は望んでいますか。
特に、夏場に屋外の駅舎や神社などの施設、学校の校庭などでマスクを付けろというのは熱中症のリスクもあり、異常な要請と言わざるを得ません。
人が密集した屋内はともかく、それ以外のところでは、感染リスクも少ないことから外すように指示してください。あなた方がやらないと、日本人は自主的に動かないんです。
最後に
2022年2月10日付の日経新聞は「『まん延防止』13都県延長決定 3月6日まで、高知も追加」と報じている。
今回は酒類提供の禁止措置(禁酒令)こそないものの、多くの国民はまたか~と厭戦気分になっているようにも思える。
何しろ子供たちにとっては、貴重な学生時代の思い出がことごとくパーになっている状況で、こうした根拠のあやふや、かつ、理不尽な命令に従わなければならないのは不憫でもある。
おまけに、幼児にマスク着用とか虐待指令のようなことを言い出す為政者たち、いい加減にしてくれと言いたい。(2022年2月10日 日経新聞-児童へのマスク着用推奨 政府対処方針に明記)
一方、観光立国を目指す国とは思えぬ無関心さで、こちらは大した話題にはならないが、全国的にまん延防止等重点措置(マンボウ)が延長される中、外務省の「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について」にある外国人観光客の新規入国制限が早々に解除される可能性は薄いだろう。
おそらく、2022年2月12日付のロイターが報じた「岸田首相、水際対策の緩和検討を表明」は、国際的に人身売買との悪名高い、外国人技能実習生を含むビジネス渡航に限られそうだからだ。
私が外国人観光客の受け入れのシャットアウトを続けていることが良くないと思うのは、単にインバウンドのためだけではなく、2017年12月8日付で「可愛い子には京都でアルバイトをさせよ」と書いたように、貧弱な英語の公教育を補うための実践教育の場が失われることもあるのだ。
もっとも、日本政府や経済界が若者にそんなこと考えないで、黙って働けという気なら、今の状態(臆病な日本人が鎖国の継続を要望)が最上ということになる。
ただ、その副作用として、日本の子供の未来はまったく明かりの見えないものになるだろう。
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