2022年5月6日付のNHKは「外国人観光客の受け入れ 6月以降 段階的に再開を検討 政府」と報じ、諸外国から批判のあった鎖国政策を緩和する方針を固めたようだ。
それにしても決断が遅い。
2022年1月には「WHOが締約国に海外渡航制限の解除を勧告」し、「IATA、世界各国に渡航制限の緩和と撤廃を要求」していたにもかかわらず、日本は外国人観光客を締め出し続けた。
3月以降の円安外貨高に対し、有効な金融政策を打てない日本は、訪日外国人観光客の円買い(両替)だけが、過度の円安を防ぐキーになりかねない状況だったのに、これを生かすことさえしなかった。
そして、ようやく重い腰を上げた政府は、6月から外国人観光客の受け入れを再開することを検討するに至ったのだが、現在1日当たり1万人としている入国者数の上限の扱いを、一気に解放することにはなりそうもない。
それにも増して、私が2021年末に体験した「穢れし者たちへ~水際対策という名の成田空港検疫」は、帰宅時の公共交通機関利用の制限解除と、自宅待機期間の短縮(免除)はされたものの、空港での検疫にかかる時間と非能率さが改善されたとは聞いていないし、評判も相変わらず悪い。
この状態で外国人観光客の受け入れを再開すれば、日本の評判は地に堕ちるだろう。
入国の段階で二度と来るかという感情を抱かせるようなことをすれば、せっかくのインバウンド再開は裏目に出るだろう。
5月10日付の日経新聞は「『優しい鎖国』の見えない損失 ソフトパワー低下止めよ」という記事を掲載し、すでに大きな損失が生まれていることが書かれている。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「2019年に日本のインバウンド消費は4.8兆円あった。国内の需要はなかなか高まらないので、海外需要の助けが必要だ」と語り、政策の再構築が欠かせないと説く。
私が予想したとおりだ。
2020年7月19日付で私が書いた「日本が観光立国を目指すというのはタチの悪いジョークだったのか」でも少し触れたが、日本人は休暇が取れない(取らない)し、旅行消費に向ける可処分所得は減少の一途、国内の観光地はどうしても外国人観光客頼みなのは免れえない状況なのに、国民は覚悟を決められず、政府もそうした決断をしなかった。
そして、私が最も期待するマスク真理帝国の崩壊への序曲、マスク真理教徒からすれば懸念なのだが、これから酷暑の季節に突入するのに、法的義務もないマスクを屋外で付けてくれる酔狂な外国人がどの程度いるか。
ノーマスクの外国人が大挙して現れれば、国内のマスク真理教徒は発狂するだろう。
発狂しても、真理帝国の崩壊を密かに政府が目論んでいるのだとすればいいのだが、そうでなければ、江戸時代の尊王攘夷みたいなことになりかねない。
5月11日付の東京新聞では「『屋外ではマスク必要ない』と松野官房長官 十分な距離取る前提で 熱中症リスクにも言及」と報じらているが、そもそも法的義務でもない、誰も付けろとは言っていない屋外でのマスク着用に官房長官がコメントしないと、マスクを外すことさえできない国民は異常だと思うし、もはや外圧で一気に突き崩す以外に対処しようがないと思う。
いずれにせよ、私はインバウンド再開に期待する国民の一人として、今後の推移を見守りたいと思う。
仮に、これが頓挫するようなことがあれば、日本はホントに終わりになるだろうから・・・
コメント
まあ、見せかけですよね。
なんでも「行動を管理しやすいツアー客から緩和する」そうですから。
ようやくマスクを外してもという話が出てきているのに、首相は懐疑的ですし。
相当参院選を意識してますね。
>ようやくマスクを外してもという話が出てきているのに、首相は懐疑的ですし。
というか法的義務もないのに、何であんなに国民はクソマジメなのかと思いますよ。
これから暑くなるというのに相変わらず屋外マスクしている人多いしね。
>相当参院選を意識してますね。
そうですね。マスクの是非で投票する国民も国民ですが・・・
外国の情報は一切無視という人たちですからね。