昨日、自宅のポストに「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金(10万円/1世帯)のご案内」という内容の封書が投函されていた。
どうやら2021年度(令和3年度)分の住民税均等割が非課税である世帯(要返送)と、2021年(令和3年)1月以降の収入が減少し、住民税非課税相当になった世帯(要申請)に対して、1世帯当たり10万円を支給するということらしい。
私の場合、令和2年(2020年)の主たる収入は、非課税所得の傷病手当金と、分離課税の株式の譲渡所得に配当金、そして、持続化給付金(事業所得)だったので、実質的な課税所得は持続化給付金のみとなり、令和3年度分の住民税は均等割も非課税となったために、臨時特別給付金の申請書類が送られてきたようだ。
これ自体は私にとってありがたいことなのだが、少し感じたことを書いてみたい。
今回の臨時特別給付金で思い出すのは、2020年5月14日付で書いた「特別定額給付金のオンライン申請完了、ペット名でも受付可?(笑)」というコラムだ。
とても先進国とは思えぬシステムの杜撰さで、2020年5月13日付の朝日新聞では「10万円、何度も申請できちゃう?本末転倒のオンライン」という記事も掲載された。
このとき、私は
>政府は郵送よりオンラインでの申請を推奨するが、自治体トップからは「郵送申請よりかえって手間がかかり、本末転倒だ」との声も上がる。
というのは、笑ってはいけないのだが、厳然たる事実だ。
私が想像しても、重複や虚偽まがいの申請のチェックは、たぶん、手作業かつ、相手方自治体に対する電話照会だ。
と書いている。
そして、2年前の反省を生かしたのか、今回は郵送一本だ。(笑)
おまけに、本人確認書類のコピーと、振込口座が確認できるものの同封を求めている。
私が思うに、住民税非課税世帯等(貧困層)が対象だからデジタルよりアナログの方がいいだろう、ということではない。
2021年5月17日付で、私が書いたように「デジタル庁ができても日本が何も変わらない根本的な原因」が凝縮された結果なのだ。
オンラインでスムーズにできるシステムを構築すればいいものを、そうしないために、地方自治体ではそのための非常勤職員(会計年度任用職員)を雇い、国はコールセンター要員を採用する。
2021年5月28日付の「自宅の手入れをした後で禁酒令下の飲食店の窮状を憂いた夜」でも触れたように、
日本では煩雑な申請書を送らせ、それを非常勤とはいえ公務員がチェックし、高齢者などに書き方を指南するコールセンターが設置され、苦難の末にお金が振り込まれる。
ITが発達してなくて、多くの人手が余っているような発展途上国ならいざ知らず、日本のような先進国でそんなことをやれば、遅々として何も進まないのに事務コストだけは嵩む。従って、日本では1回の給付金支給事務でスタッフも財政もボロボロになるのに、ITが進化した他国ではそれが何回でもできる結果となる。
ところで、インターネット上では「AIによってなくなる可能性がある仕事・職業」などということが盛んに書かれているが、日本だけは心配することがないだろう。(笑)
なぜなら、そこまで進化するどころか、2年前より退化しているくらいだし、何より言葉の壁が大きい。
それに「長時間マスクが奪う子供の未来、日本人の未来」で書いた愚民化政策が、数年後に冗談でなしに具現化すれば、将来の日本を担う子供たちが高度なIT技術者になどなれるのだろうか。
実際に「マスク酸欠」になって、通勤途上で具合が悪くなった友人を見ると、あながち私の杞憂で済みそうもないからだ。
こういった様々な要因が絡み合い、この先も日本だけはOECD諸国の中でもダントツでアナログの世界が残り、諸外国からは珍獣でも見るような目で見られることだろう。
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