2020年10月最終週の日本市場は総じて軟調な展開が多かった中で、楽天証券のいちにち信用取引を使えば、新興市場で空売りができる優位性をあらためて感じたと同時に、30日の川合式デイトレードは、失敗の中にも実りが多かった日となった。
居合抜き1分トレード
「居合抜き1分トレ-ド」というのは、7月27日付で掲載した「コロナリストラに備えて川合式デイトレードを学ぼう」にあるように、前夜にトレード候補として抽出された東証1部銘柄に関して、9時の寄り付き前の気配値を見て、寄り付きの成り行き売買で勝負する手法で、約定価格の0.5%から1%で利確、マイナス2%で損切というルールを持って行うデイトレードである。
ところが、マイナス2%で損切というのは、日本市場の地合いが良く、日足形状が良い銘柄であれば、寄り付きから利確売りが膨らんでも、即座に反転する可能性が高いため、川合さんの経験値から設定されたルールなのだが、そうでないものは、逆行を確認した時点で切ってしまう方がいい。
それがうまくいったのが、10月18日付で掲載した「川合式居合抜き1分トレードで逆行した場合のお試し対処法」であり、今回も損切ラインをマイナス1%に上げて、損失を最小限に防ぐことができたものがあった。
神戸物産~日経平均の急落に負けなかったコロナ禍の勝ち組企業
業務スーパーとして有名な神戸物産(コード:3038)は、コロナ禍における勝ち組企業の一つだ。
「居合抜き1分トレード」でもトレード候補の常連で、週足チャートを見れば、株価が下がったときに押し目買い、長期保有もお勧めなほどの銘柄に思える。
今年も10月29日付で1対2の株式分割をしており、ここ数年は株式分割が恒例行事となっている強さを誇っている。
今更ながらに思うが、もしかすると、かつて、私がヤフー(現在はZホールディングス コード:4689)で夢見た「金持ち父さんへの道(The journey to financial freedom)」は兵庫にあるのかもしれない。
とりあえず、今後2か月の展開は、直近高値の2,990円(9月30日 分割前:5,980円)を抜いて、さらに、年初来高値の3,570円(8月24日 分割前:7,140円)を窺うところまで迫れるかというところだが、レジスタンスラインが相当に頑強そうなので、当面、11月初旬の値動きは、要チェックかと思う。
それにしても、30日の日経平均株価の急落にもかかわらず、連れ安にならなかった神戸物産の粘りは、年末相場に大いなる期待を抱きたくなる強さだった。
いずれにせよ、今後も楽しみな会社の一つであることは間違いなさそうだ。
メディカル・データ・ビジョン~しまったはしまえ
しまったはしまえ
相場ではだれもが必ず一度は「しまった」という経験をする。
しかし、そうは思っても、損をしていると、なかなか手じまえない。
そのうち、損が大きくなってニッチもサッチも行かなくなる。しかし、このような「しまった」と思った時こそ、買ったものは売り、売ったものは買い戻して、再起を図るべきであるとの意味。
メディカル・データ・ビジョン(コード:3902)は、今年の夏から秋にかけて飛ぶ鳥を落とすような勢いで駆け上がった銘柄の一つだ。
10月21日に上場来高値(3,525円)を付け、その後は調整局面になったものの、未だに週足ベースでは反転上昇が見込まれる感じもあった。
そこで、30日の川合さんの「居合抜きツール」でも寄り付きにかけて急上昇してきた感があったので、おお~反転上昇の兆しか~と思って買いを入れた。(100株だけど・・・笑)
ところが、寄り付きの2,605円から、わずか数秒で2,629円(0.9%)まで上がった後は急落した。
この上昇と急落のスピードは、まさに新規注文と同時にセット注文(指値決済)を行う「居合抜き1分トレード仕様」でなければ、0.5%の利確すらできない素早さだった。
当然ながら、寄り付きの成り行き注文が約定してから、ダブル指値を入れている状態では間に合わず、一気にマイナス圏に落ちた。
まさに典型的な「しまった」である。
川合さんの推奨(0.5%)でなく、1%を狙ってダメだったのと、わずかでも利確できなかったことで、もはや、マイナス2%まで待たず、即座に成行決済して損切した。
日足は典型的な下げ局面の銘柄だから、反転上昇する可能性が少ないとみたからだ。
結果は、わずか2,012円の損失、その後も下落を続けたので、欲を言えばドテンすべきだったのだが、今回の自分の判断には大いに満足している。
新興市場株のトレード
10月30日のマザーズ指数は、寄り付きから終始軟調で、こういったときは「急騰傍受ツール(買い推奨)」でシグナルが出ても、思ったように上昇しないばかりか、シグナルが点灯したときが天井ということも良くある。
従って、「マザーズ1%ツール(空売り推奨)」でシグナルが点灯した銘柄の方が、より勝ちやすい環境にあったと言える。
しかし、そこはボラティリティの大きい新興市場株であるが故に、油断からくる陥穽にかからないようにしないといけない。
それと、それぞれにシグナルが出ても、原則として、私はトレードする基準を下表のとおりにしている。
新興市場銘柄トレード適格基準 | 前日出来高比 | 前日5MA差異 | 日足形状 |
急騰傍受ツール(買い推奨) | 10倍以上 | 概ね6%以内 | 上昇基調であること |
マザーズ1%ツール(空売り推奨) | 概ね7倍以内 | 10%以上 | 特に問わない |
すららネット~相性の良さは逆境を吹き飛ばす
私は、10月30日のすららネット(コード:3998)のチャートを見直して、買いで利益を取れたのは僥倖に近いレベルだと認識した。
どこで買えば利益を取れるのだろうか、むしろ空売りしていれば、数万円勝ったのではないかと思えるチャートだ。
もちろん、この銘柄に関して、9時19分に急騰傍受のシグナルが6,870円で出たとき、前日出来高比が7.94倍、前日5本線(5MA)差異が12.9%なので、上表の基準に照らせば、買いで入るより、むしろ空売りだろうと思った。
ただ、このとき何となく思ったのは、前日(29日)の後場の上昇が凄く、私もそれに乗れたのだが、この日もその勢いが続いている感じがしたので、押し目買いでいってみようと判断した。
そして、買いで入ったのが、一旦下げ止まった6,690円の時点、約定した後で、買値の2%高(6,820円)で指値をして、首尾よく約定した。
結論から言えば、私がトレードした9時半あたりから10分ほどが、前場で上げているところ、その後は、9時45分に6,670円を付けた時点で、マザーズ1%ツール(空売り推奨)でシグナル1が点灯、後場になって見てのとおりの展開で暴落した。
こんなことは滅多にないのだが、「自分と相性の良い銘柄で勝負せよ」というのは鉄則だなと感じた日だった。
本来であれば、マザーズ1%ツールでシグナルが出たときこそ冷静になるべきだったのだが、超絶にうまくいった買いトレードに酔いしれていたのも事実だった。
ニューラルポケット~油断が生んだ思わぬ損失
私が、ニューラルポケット(コード:4056)に関して、マザーズ1%ツール(空売り推奨)で9時20分にシグナル4が出たとき、これはお宝銘柄だと思った。
マザーズ市場の地合いは悪い、この銘柄の日足形状は下げのパーフェクトオーダー、負ける要素がないだろうと思った。
ところが、慎重に一呼吸おけば良かったものの、即座に空売りしたので、ちょうどレンジ相場に巻き込まれた。
それでも新興市場銘柄の損切水準を、いつものように約定価格(3,990円)の3%(4,110円)にしていれば良かったものを、2%(4,070円)で設定した。
結果はご覧のとおり、空売りのタイミングと、損切設定(逆指値)のいずれかを間違っていなければ、楽勝の銘柄だった。
どんなに良い日足形状の銘柄でも下げることがある一方、逆もあることを認識していれば、もっと慎重にできていたと思う。
リネットジャパングループ~もう一段の下げに乗れなかったのは残念
この日のリネットジャパン(コード:3556)の値動きは、9時半頃から10時半頃にかけて急落する川合さんの言う典型的なマザーズ1%(空売り)トレード銘柄だった。
さて、この日の値動きに関して言えば、9時45分にマザーズ1%ツール(空売り推奨)でシグナル2が出たとき、株価は602円だった。
ところが、シグナルが2だったこともあり、今度は慎重に一呼吸おくと、するすると株価が反転上昇し始めた。
これはやらなくて良かったと思った反面、この日の始値(657円)を上回れずに、下げ始めたら空売りしようとタイミングを計っていた。
結果は見てのとおり、646円の売りに対して、2%の利確水準で633円の決済、ここで足踏みしていたときは正解!と思ったが、その後は600円割れまで急落したので、もっと欲を出しても良かったかなと少し思った。
コメント
おつかれさまです。
「居合い抜き」でのメディカル・データ・ビジョンでの
損失を抑えたスピード決済、熟練したものを感じますね!
すららネットの買いでの利確、見事ですね。
後場では暴落していたので、ピンポイントでのトレード
でしたね。
先週の相場の多くの時間は売り目線で行きがちなところ、
前日の急騰を根拠に判断され、ナイスなトレードでした。
「しまったはしまえ」、とてもよい格言です。
いまの私にはよく染み入る言葉です。
とても勉強になりました。
今週は祝日が入りますが、休んで英気を養い、
ともにトレードに集中していきましょう!
いつもコメントありがとうございます。
メディカルビジョンは瞬間に手が動きました。
今日は手が動かず、損失を広げたものがありました。
まだまだ鍛錬が必要です。
でも、新興市場のトレードが今までよりうまく行くようになりました。
これからも頑張ります。