去る6月13日、渋谷の「ひつじもん」というジンギスカンのお店で、黒一点の女子力の高い懇親会が行われた。
幹事は毎度のChip姐さん、年末開催の日暮里のザクロ(Zakuro)以来、およそ半年ぶりの飲み会だ。(2018年12月23日 9年ぶりにやって来た日暮里のザクロ(Zakuro))
とりあえず、女子3人、オトコは私1人のご機嫌な飲み会で、いるいろな旅話で盛り上がっているところで、突然出たのが、私の友人でもある弁護士がフェイスブックでシェア投稿していた「マルチを見分ける10箇条 」なるもの、結構頷けるところあるよね、というところから始まった。
マルチを見分ける10箇条
どなたが発端で書いたのかは定かでないが、インターネット上でも散見できるので、私もそれをそのまま転載してみた。(引用元は愛媛県西条市のホテル・オレール西条の社長ブログ)
- ビジネス、事業、投資、権利収入、不労所得、マーケティングという言葉を使う。
- 尊敬する〇〇さんと会いました!とか知らない人のことを自慢する。
- ビジネス書、自己啓発書を読んでは抽象的な感想文を書く。
- やたらと出会いに感謝する、毎日運命を感じている。
- 友達の誕生日パーティ、バーベキューが多い。
- 来月に海外へ行く予定が1年中続いている。
- ラスベガス、シンガポール、マカオに行く。
- クラス写真のような20人以上の集合写真が多い。
- お洒落なレストランの写真しかなく生活感がない、焼鳥の写真は決して載せない。
- 会うのがかんたん。
いかがだろうか。
私たちもこれをベースに話をしていたわけだが、フェイスブックなどのSNSで、仕事柄(自営業や士業など)設定を公開にしている方は、友人申請をして来る方も、玉石混交なので、選別が大変らしい。
一応、潜在的なお客様かと思って、友人申請を承認すると、即座に、勧誘のメッセージや、お茶しませんかのメッセージが来るときも多いからだ。
しかしながら、この手の方も稼いでいる人は、そういった稚拙な勧誘の仕方はしないと言う。
ごく自然な成り行きで参加できるような雰囲気作りをして、いつの間にか入っていたという感じにするそうだ。
老後2000万円報告書はカモを生け捕る大チャンス
ところで、今月は、金融庁の発表した「老後2000万円報告書」が、今まで政治や経済、投資などに縁のなかった人まで知れ渡るほどの衝撃をもたらしているから、金融機関の保険商品の営業マンのみならず、マルチ商法の勧誘者たちも一大チャンス、麻生大臣バンザイ!金融庁バンザイ!としているはずなのだ。
この状況は、私が2009年7月31日に掲載した「サラ金規制の功罪」で、引用した夏原武氏の著作「ザ・闇金融道」の巻末に書かれている「不況のおかげでますます暴走する恐怖ビジネス」のものと瓜二つだ。
奇しくも、10月の消費税率引き上げで日本経済はヤバくなる可能性大だからだ。
セミナー会場でのマルチ商法やMLMの見分け方
最後に、私がマルチ商法やMLM(Multi Level Marketing=ネットワークビジネス)のことに関して、参考にしているウェブサイトがあるので紹介しよう。
これは、2017年に私がHYIP(High Yield Investment Program=高利回り投資プログラム)の案件に巻き込まれたときに、役に立った「投資案件検証委員会」のウェブページだ。(2017年6月28日 不労所得の甘い誘惑、D9 ClubなどのHYIP(ハイプ)に仕込まれた黒い罠)
そのときの苦い経験から上述の「マルチを見分ける10箇条」に加えて、三点ばかりアドバイスしよう。
気を焦らせるものにロクなものはない。
- 期限が示された書類の提示なしに、すぐ契約しろというものは、詐欺まがい案件など、ロクなものがない。
仮に、正規の金融商品でも同じことが言えるので、そういう営業マンは遮断すべきである。
ウェブサイト上の悪評は、クリアされていると主張される。
- ウェブサイト上でいかなる悪評が書かれていても、それは、マルチの主宰者たちを陥れるための謀略で(当然、私のコラムもそうなる)、それはすべてクリアされていると主張される。
仮に、ロイターやブルームバーグで報道されていてもスタンスは変わらない。
セミナー会場は独特の雰囲気があり、しかも、出席名簿は当日手書きで記入する。
- セミナーでまともな業者は事前登録制なので受付はチェックのみ、マルチやMLMの場合は、出席当日に手書きで名簿に記入する。
なぜなら、マルチやMLMの場合は、誰が誰を連れて来るか、主宰者が把握できない。 - まともなセミナーは個人単位の参加が多いので、主宰者対参加者の関係だが、マルチやMLMのセミナーは、異様に友達グループが多く、自分だけ外様のような雰囲気を感じる。
- マルチやMLMのセミナーで、質問に対する回答は、主宰者(司会)でなく、紹介者(アップ)から聞けと言われる。
紹介者(アップ)の知識がなかったら、私はどうなるのかの質問に対する回答は、ほとんどの場合、なきに等しい。
最後に
前述したように、おそらく、今年の経済のトピックは「老後2000万円報告書」だろう。
これを麻生金融相が正式文書とする、しないにかかわらず、ほとんどの国民が驚愕したのだから(今まで経済ニュースのどこを見ていたと専門家は疑問を呈するが)、まともな金融業者は言うに及ばず、おおよそ投資案件を勧めてくる人たちにとっては大チャンスなのだ。
そんな中で消費増税を敢行しようとしている安倍内閣は正気の沙汰とは思えないが、健全な野党がないのが日本の最大の政治的欠陥なのだ。
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