今年のゴールデンウイークのタイ・香港・マカオ旅行の際、タイで使うDTACのプリペイドSIMの有効期限(validity)を1年延長して帰国した。
そうした理由は「カシコン銀行口座の個人情報変更とタイのプリペイドSIMのユーザー登録(2015年6月21日)」というコラムで書いたとおり、銀行のオンラインセキュリティに必要な携帯電話番号を維持する必要があったからだ。
しかしながら、これだけの理由で、タイの非居住者が1ヶ月当たり20バーツ(約70円)の維持コストをかけるのはバカらしい面もある。
なぜなら、ATMや窓口での入出金や、インターネットバンキングの預金残高照会にはワンタイムパスワード(OTP/one-time password)が必要ないからだ。
重要な手続きが必要なときだけ、銀行の支店に立ち寄って携帯電話番号を登録(完了までに数日かかる)すれば事足りることがわかったからだ。
基本的に、タイを訪れる旅行者が買うプリペイドSIMは、Tourist SIMとかTraveller SIMと呼ばれるもので、バンコクのスワンナプーム国際空港(Bangkok Suvarnabhumi International Airport)の到着ロビーでは、タイの三大キャリアであるAIS、DTAC、True Move Hが軒を並べて旅行者向けのプリペイドSIMを販売している。
このプリペイドSIMは、短期旅行者に適した「7日間のインターネット無制限+100バーツ(約350円)の通話料」のプランの場合、三社とも299バーツ(約1,050円)である。
そして、この7日間が過ぎるとインターネット利用料(パケット通信料)は、原則として従量制となるが、日本の旅行者の場合、多くの人は7日間のプランで十分足りるくらいの滞在日数だし、1年間にタイへ2~3回来るようなタイ好きであっても、プリペイドSIMは使い捨てにする人が多いだろう。
ところが、先月のタイ・香港旅行の際に、いろいろ試した結果、1年に2~3回、タイを訪れる旅行者ならば、同一携帯番号を維持するためのコストをかける価値があるという結論に達した。
私が持っているDTACのプリペイドSIMの場合、オフィシャルショップ(DTAC store)へ行けば、199バーツ(約700円)で、「7日間のインターネット無制限プラン(Happy Internet)」を再設定してもらえるからだ。
おまけに、このSIMはテザリング(tethering)可能なので、手持ちのスマートフォン(iPhone)をWi-Fiルーターとして使用することができる。
上の画像が、その設定後に送られてきたiPhoneのメッセージ画面なのだが、タイ語なので、何が書いてあるかわからなかったが、英語のわかる店員に見せたら、設定完了メッセージとのことだった。
それと、SIMの有効期限の確認と残高照会は *101*1#(タイ語)又は *101*9#(英語)でメッセージが送られてくる。
また、上半分のメッセージは、50バーツを補充(refill)した後の残高(269.26バーツ)と、SIMの有効期限(2016年7月4日)で、そこから199バーツが差し引かれるので、残りが通話可能分ということだ。
空港で販売しているプリペイドSIMは100バーツ(約350円)の通話分が含まれているので、オフィシャルショップでのHappy Internet再設定の際は、通話分を差し引いてもらえる。
タイ好きの旅行者や、タイ在住の友人がいる人は、同一番号を維持できるメリットとコストを天秤にかけて判断するといいと思う。
私の場合は、これに加え、カシコン銀行のこともあるので、同一番号を維持する価値は十分にあるという判断に達した。
また、通話代に関しては、日本へ国際電話をかける必要がない人にとっては無駄とも言えるが、友人や家族と旅行へ来ている人で、相手方が日本の携帯番号(+81-90-********など)の場合は、タイに滞在していても、国際通話扱いになり、意外に通話代が嵩むので注意が必要だ。
手続きのためにショップに行く時間がない人は、4G/3G Internet & Calls Comboのメニューからオンライン購入するといいだろう。
また、DTACにはスマートフォン(iPhone)用のアプリ(基本設定は英語)もあり、ダウンロードしたのがタイ出国の前日だったので、次回の訪タイのときはその使い勝手を試したいと思っている。
ちなみに、このキャリアは国際ローミングサービス(DTAC prepaid Roaming Service / International Service)があるようなので、タイ出国前にこれを設定しておけば、日本へ帰国してからも様々な手続きができるだろう。
ところで、今回の私のようにタイの滞在日数が10日に及ぶ場合はどうするか。
最初から15日間用のHappy Tourist SIM (599バーツ/約2,100円)のものを買うか。
それとも7日間用(299バーツ/約1,050円)を買って、期限が切れた後は、ホテルなどのWi-Fi環境のあるところだけで使うか。
実は、上の画像にあるメッセージ「pecial for you! Enjoy non-stop internet package (3G/4G Maximum speed at 100Mb) at only 19 Baht for 24 hours. To subscribe, dial *104*391*9#」が、7日間のインターネット無制限期間が終わって、従量制になったときに、iPhoneに送られてきたのだ。
このコマンドを入力すると、19バーツ(約70円)で24時間インターネットが無制限で使えるようになる。(24時間経過すると自動的に設定は解除される)
私が試したところ、iPhoneで撮った写真をメールで送ったり、フェイスブックに投稿したりするのに何の支障もなかったので、これで十分だろう。
しかも、これは設定が完了してから24時間有効なので、タイに入国した日はこれで設定した方がお得である。
なぜなら、**日用のプリペイドSIMの場合、入国初日はほんの数時間しか残ってなくとも、翌日の午前0時で1日カウントされてしまうからだ。
それに、2~3日の滞在プランで来ている場合も、わずかな金額でインターネットを楽しむことができる。(Non-Stop 4G/3G Internet)
最後になるが、私は現在、iPhoneを国内用(2015年6月23日-ソフトバンクのiPhone5からMNPでauのiPhone6に乗換)と海外旅行用(2015年9月28日-海外旅行用にSIMフリーiPhone 5sを購入)と1台ずつ持つ贅沢な使い方をしているが、2年後にはSIMフリーiPhoneだけにしようと思っている。
日本でもインターネット環境はポケットWi-Fiが中心、通話はBIC SIMなどの格安SIMの組み合わせで十分ではないかと思い始めてきたからだ。
そもそも日本の携帯電話のようにSIMロックがされている方が世界的には珍しいと言えるのだが、あと2年で状況はどの程度変わるのだろうか。
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