ブッシュ大統領が世界の過半数の期待(!?)に背いて再選された。
これで米国は彼が不慮の事故にでも遭わない限り4年、わが日本の小泉首相は内閣総辞職や衆院の解散がない限り、残り2年の任期を務めることになる。
つまり、片や妄言大統領、方やワンフレーズ首相、どっちも国際情勢に無頓着な国民に選ばれた点でも共通している。
ましてイラク戦争を始めた大義名分たる理由がウソとこじつけだったということが明らかになるにつれ、イスラム原理主義者に自国民の生命を脅かされ続けると知った同盟国は次々とイラク戦線から脱落する有様だ。
そしてわが日本、アメリカの義理でイラク戦線に軍を駐留したはいいが、憲法や法律に縛られ、迫撃砲を打ち込まれても逃げ惑っている。
おそらく武器があったとしても装備(イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法第4条第2項の基本計画に基づき定める)が貧弱過ぎるのだろう。
こんな国際的醜態を晒すことがわかっていて派遣された自衛隊員こそいい迷惑だ。
つい最近の10月末、香田証生さんが無謀にもイラクへ行って、ヨルダン人テロリスト、アブムサブ・アル・ザルカウィ率いる武装組織「イラクの聖戦アル・カーイダ組織(The Islamic militant group led by Jordanian-born al-Qaeda ally Abu Musab al-Zarqawi)」に拉致され、中世さながらのやり方で惨殺された。
これを見た派遣自衛官の家族はどう思うか?
まともな自衛手段も持たされずに派遣され、かといって現地で感謝されるような功績をあげられるような状況下にもない。
もう大義名分を探して撤退したらどうなのか?(イラク特措法の期限は2004年12月14日に切れるが、政府は延長するつもりでいるようだ。)
アメリカの義理立てしか存在価値がないとしたらリスクが大きすぎるというものだ。
最近では、イラク国内の治安の悪化から報道関係者が逃げ出した結果、イラク駐留部隊関連のニュースはあまり報道されないし、国内の反自衛隊勢力も何も言わないが、自衛隊員がこの先、サマワ(Samawa)にいないで俺たちと同行しろと米軍に言われたとする。
おそらく小泉首相は詐欺のようなこじつけで法解釈して自衛隊にその任務を与えるだろう。
そして、自衛隊の車両の周囲を武装勢力が囲んだとする。
普通はそんなことをされるのは軍隊として恥ずかしいのだが、日本の自衛隊は先制攻撃を加えて武力で彼らを追っ払うことを法律で禁止(イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法第17条により刑法の正当防衛及び緊急避難の規定を適用)されてるし、実戦経験もほとんどない。
本当なら囲まれる前に装甲車で体当たりし、砲弾を撃ち込んで全滅させないと、自衛隊員は全員香田くんのようになるのだが、そうすることは先制攻撃になり、あるいはその疑いを持たれるため自重するかもしれない。
それで、唯一、相手が撃ってきたときだけ小銃で反撃できるのだが、実戦ではそうなる前に皆殺しになる。
第一、日本の自衛隊員のほとんどは小銃を人に向けて撃つのも初めてだし、それが間違って現地の子どもに当たると帰国したとたんに殺人罪で服役するかもしれない。
それに小銃一丁で武装勢力に勝てるとは私は思えない。
何を言いたいかというと、戦場で平時の法律の条文の趣旨が適用されるというのは気違い沙汰で、首相以下の閣僚と連立与党が「サマーワ(Samawa/Samawah)は非戦闘地域」という詐欺の口上にもならない強弁をしているからこういうおかしなことになる。
そうした事件が明るみに出なければ日本で裁かれることもないが、もし裁かれた場合、世間知らずの裁判官、反自衛隊マスコミ、知識人の餌食になり、その自衛官はイラクで助かっても日本で社会的生命を終えることになる。
正当防衛は刑法第36条により、罰せられないことになっているが、実際はそれを証明することが必要で、あまつさえ過剰防衛(凶行に及んだ相手に対して手加減して防衛しないと裁かれることもある)というのもあって、上述の3者によって事実が捻じ曲げられたりする可能性は高い。
つまり、こういう部下の生命を危機にさらすことがほぼ確実な情勢なのに、部隊にイラクに行けという小泉首相は、彼に意見しただけで外務省を実質クビになった天木直人氏の言うように、奴は冷酷極まりない男なのだ。
従って、すべてを考慮したうえで撤退しか選択肢がないのだ。
日本の自衛隊員と国民を守るためには。
小泉は自分の名誉欲のために部下や国民を犠牲にし、ブッシュは世界情勢を引っ掻き回してる張本人だ。
こんな奴らの下で、我々は最低でも2年、最悪の場合はもっと長く得たいの知れない恐怖とともに暮らさなければならないようだ。
私の趣味の1つは海外旅行だが、今までのように安穏としてどこにでも行けるということにはならないだろう。
アメリカ人旅行者はときとしてカナダ人を装う。では日本人旅行者は?
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