2019年12月10日、「柿の木から落ちて骨折、手術、そして入院!」といった重症を負った私は、1年間のリハビリ生活の末、片杖歩行であるが、自力で歩くことができるようになった。
2021年2月8日、某クリニックの発熱外来を訪れたとき、私に聴診器をあてながら背中の手術跡を見たドクターはこれを奇跡と呼んだ。
そして、海外旅行へ行くことさえできると喜んだ私の運命は、2021年6月25日の「悪夢の難病宣告~急速進行性糸球体腎炎」から大きく暗転した。
さすがに、ここで奇跡が生まれる可能性はほとんどないと思われたが、唯一の光明が腎移植だ。
第三者からの腎移植(死体腎移植)は、宝くじレベルの可能性しかないと言われるが、それでも全く期待できないというわけではない。
去る9月3日、私は、そのかすかな可能性に賭けて、国際親善総合病院を訪れることにした。
国際親善総合病院 腎臓・高血圧内科~腎移植の可能性を探る
この日、私は4つの診療科を掛け持ちしていた。
腎臓・高血圧内科、呼吸器内科、整形外科、そして、総合内科の4つだ。
もはや、満身創痍としか言いようがない状態だろう。
時間にして約5時間、いったい私は生涯のうち何割を病気療養に割かなければならないのだろうか。
病院の待合室にいる間、私は自分の運命を呪いたくなる気分だった。
最初に訪れたのは、難病宣告の舞台、およそ1カ月半にわたって入院した腎臓・高血圧内科だ。
このときに読んだ家庭向け医学書の一つ、MSDマニュアル家庭版の「糸球体腎炎」のページには、このように書かれていた。
腎不全を伴う慢性腎臓病に移行した人には、ときに腎移植が検討されますが、移植された腎臓で急速進行性糸球体腎炎が再発する場合もあります。
この腎移植の可能性について、主治医に確認をしに来たのが今回の主たる用件だ。
ドクター曰く、第三者からの臓器移植(死体腎移植)を受けるためには、日本臓器移植ネットワークへの移植希望登録をした上で、10年単位で気長に待つ必要があるとのこと、要は、宝くじに当たる可能性に賭けるくらいのレベルらしい。
それも私の冒されている病気が、腎移植にとって不適合であれば、最初から可能性はないことになるので、とりあえず、今回の主治医の診断で、腎移植への第一関門はクリアしたと言える。
また、名古屋第二赤十字病院移植内科の後藤憲彦部長のコラム「腎移植後の再発腎炎」には、私の腎炎の原因として疑われている増殖型ループス腎炎の場合、
ループス腎炎から自己腎機能が悪化した時には腎代替療法として腎移植を選択するメリットが大きい疾患です。
透析を3~6カ月行い、ステロイドが10㎎/日以下になってから腎移植を行うことが推奨されており、発症から短期間で末期腎不全に移行するときには特に注意が必要です。
とある。
そして、次のステップとして、私は横浜市立大学附属市民総合医療センターの泌尿器・腎移植科で検査をしてもらうことにした。
まさに、千里の道も一歩からという心境である。
呼吸器内科~肺がんの再検診
「命の119番〜7月下旬に肺炎で1週間の再入院」のときから半月、8月中旬に横浜市からがん検診のお知らせが送られてきた。
今年は、職場で受診することができないと言われたのと、「令和2年度市民税県民税が非課税世帯または均等割のみ課税世帯の人」に該当し、検診費用が免除になるので、さっそく区役所の福祉保健課健康づくり係で手続きした。
私が今年受診できるのは、肺がん、大腸がん、前立腺がんの3種類なのだが、そのうち、肺がんに関しては、再入院時に血痰まで出たので、どうなるかと思っていたら、がん検診を受けたクリニックから何と精密検査を受けろと言われてしまったので、これはヤバイと国際親善病院へ紹介状を書いてもらうことにした。
そして、国際親善病院の呼吸器内科での再検査の結果、7月末の肺炎の残滓が残っているとのこと、決して肺がんとかでないので安心して欲しいと言われた。
ちなみに、大腸がん、前立腺がんの2つについては、検診を受診したクリニックの段階で、何の問題もなく、陰性だったとのことだ。
整形外科~半年ごとの経過観察
私が2020年4月6日に戸塚共立リハビリテーション病院を退院した後も、リハビリを続けながら通院をしたのは整形外科だ。
当時は歩行器を使わないと歩けなかったものが、今では片杖歩行で歩けるようになった。
また、昨年は月例の通院だったのだが、今年になってからは、経過観察だけで、ほとんど何事もなく処置室を出てくることが多い。
そう、2020年は、私の奇跡の復活劇のストーリーと言っても過言ではなかったのだ。
総合内科~2回目の新型コロナワクチン接種
最後に行くのは総合内科、今や新型コロナワクチン狂騒曲の渦中にあり、午前中はいつも電話が繋がらない。
私の用事も予防接種、去る8月13日に1回目の予防接種を受け、2回目が9月3日というわけだ。
前回は「新型コロナワクチン接種に思うこと」というコラムを書いたが、今回も幸いにして何の副反応も出ずに、無事に過ごすことができている。
私が接種したのは、ファイザー社のワクチンなのだが、モデルナ社のワクチンの方が副反応が出るという人が多いように思える。
友人の風じさんも8月19日付で「日本人はモデルナのワクチンを避けた方が良さそう」と書いているので、避けられるものなら避けた方が良さそうな感じだ。
最後に
2021年9月3日付の「新宿駅で感じた通勤再開への恐怖」で紹介したヨスさんが「『世界希少・難治性疾患』について考える。情報を発信することは大事だよ!」と書いている。
私の患っている難病は、希少疾患(Rare Diseaseというわけではないが、情報発信だけは続けていこうと思っている。
さて、私が患っている急速進行性糸球体腎炎に対する治療薬は、現代医学において存在しない。
それゆえに指定難病とされているわけだが、唯一の光明が腎移植となっている。
日本においては親族から腎移植を受ける生体腎移植と、第三者から腎移植を受ける死体腎移植があるが、前者の場合は親族の同意、後者の場合は、10年単位で待たないといけない。
事実、私の知人も15年程度待ったというから、私にとっての15年後は70歳超である。
そして、もう一つの選択肢が「NPO法人 難病患者支援の会」だ。
私は、自分の人生を賭けて、最善の選択肢を取ろうと思っている。
まさに、今の心境は、My Heart Will Go On(私はあきらめない)なのだ。
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