コインチェック被害対策弁護団結成

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東京弁護士会

コインチェック社(本社:渋谷区 和田晃一良社長)から仮想通貨のNEM(ネム)が不正流出した事件の余波が止まらない。(2018年1月27日 日経新聞-コインチェックの仮想通貨不正流出、過去最大580億円

弊サイトをご覧の方はご存知のとおり、私もこの取引所に口座を保有し、若干の仮想通貨の運用をしてきた。

昨年末の仮想通貨の高騰で、3月の南米旅行の資金手当てができたと大喜びで一部を出金したが、残りは今年の乱高下相場の煽りを食って塩漬けのまま取り残された。

2017年12月24日付の「2017年ラバ吉クリスマスパーティー&年末年始の仮想通貨相場はどうなるか」で、「ただ、一つだけ間違いなく言えることは、含み益が出ている場合でも、投資元本だけは仮想通貨取引所の資金繰りが悪化しないうちに現金化(出金)すべきだということだ。

なぜなら仮想通貨は国家が関わらない反面、仮想通貨取引所に経営上の問題が生じた場合、FX業者のような信託保全措置が施されているかどうかは取引所次第だからだ。」と書いたことが1か月後に現実のものとなるとは思わなかった。

今思えば、年末の高騰で儲かって全額を円転したときに、一部でなく、そのまま全額を出金してしまえば良かったと思う。
色気を出して残額でもう一丁とかしなければ、こういう目に遭わなくて済んだという教訓だ。

さて、去る2月2日付の投資家のやまもといちろう氏のコラム「コインチェック社への金融庁『討ち入り』からの会社更生法申請か破産申立への道のり」で知ったのだが、日本羅針盤法律事務所の 望月宣武弁護士を中心に、コインチェック被害対策弁護団が結成されたようだ。

現在の対象者は、コインチェック社に口座を開設しており、本件発生当時同社にネム(XEM)の残高を有していたこととあり、第一次訴訟の提訴については、2月上旬までの依頼者を対象に2月中を予定しているようだ。

私は対象ではないのだが、よくある質問で、他の仮想通貨についての被害にも対応することを検討していると書かれているので、いずれ私も原告団に加わる可能性があるだろう。

もし、これをご覧になっている貴方が、現時点で原告適格性を有するのであれば、メールフォームで問い合わせれば資料を送付してもらえるようだ。

問題の着手金は請求額(被害額)が1,000万円までは2万円(実費込・税別)、以後1,000万円ごとに2万円(実費込・税別)の加算となるようだ。
請求額の円換算額は、仮想通貨の本件流出事件前日(2018年1月25日)の終値を基準とするそうなので、コインチェックの取扱い通貨の終値一覧から確認すると、1月25日の円対ネム(XEM)の交換レートの終値は、1XEM=104.31円となっている。

ちなみに、コインチェック社が「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について(2018年1月28日)」で、ネム(XEM)の被害者に対して補償すると言ったレートは、1XEM=88.549円で、返金原資については自己資金より実施とあるが、これに信ぴょう性が感じられないというのが被害対策弁護団の発足に繋がった一因であろう。(2018年2月1日 朝日新聞-コインチェックを集団提訴へ 仮想通貨引き渡しなど求め

この問題は今後どうなるか予断を許さないが、2018年2月2日付のダイヤモンドオンラインにあるような「コインチェック騒動のさなかに1363億円の資金移動、不正送金疑惑が浮上」というのがあるなら、私たちの預け資金はD9 Clubのときと同じ運命を辿るのかもしれない。(2017年6月28日-不労所得の甘い誘惑、D9 ClubなどのHYIP(ハイプ)に仕込まれた黒い罠

今回の事件は、2014年2月28日に破綻したマウントゴックス社と同じではという意見も多いだろうが、こちらは2017年7月10日付の朝日新聞の記事「ビットコインで債権者への配当検討 破綻時より価値5倍」にあるように会社に残された資産が高騰したことによって、破綻会社から債権を満額回収できそうな稀有な例として書かれており、ダイヤモンドの記事によれば、コインチェック社の場合は、意図的に会社の資産を逃避させようとしているのだから、仮想通貨投資詐欺のD9 Clubと同じになりそうだと書いたのである。

それに、債権者(被害者)の数は今回の方がはるかに多いのだから、債権回収の先行きは極めて暗いと言えようか。

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コインチェック「出金再開のメド立たず」 (2018.2.3 日経新聞)

仮想通貨交換業者のコインチェック(東京・渋谷)は3日、停止中の顧客から預かっている現金や仮想通貨の出金再開のメドが立っていないと発表した。

1月30日には再開時期を「数日中に明らかにする」と発表していたが、2日には金融庁が同社に立ち入り検査を実施。
財務状況を含めて詳しく調べている最中で早期の出金再開は難しいと判断したようだ。

コインチェックは3日の発表文で「出金に伴う技術的な安全性について確認・検証中で再開に向けた準備を進めている」と報告。
その上で「外部専門家の協力も得つつ行っている確認・検証を踏まえ、出金の再開時期を知らせる」とし、事実上、再開時期のメドがたっていないと発表した。

コインチェックは仮想通貨「NEM(ネム)」の不正流出が発覚した1月26日から仮想通貨や現金など顧客資産の出金を停止中だ。
ネムを保有していた約26万人に総額約460億円を自己資金で返金(補償)すると表明しているが、財務的な裏付けがあるかどうか不透明な面もある。

金融庁はネム保有者への補償が同社の財務基盤に与える影響や、ネム以外の仮想通貨の利用者の出金にどのような影響が出るかも含めて慎重に現状の把握を進めている。

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マウントゴックス、破産から民事再生か ビットコイン急騰で (2017.12.1 日経新聞)

2014年に破綻し、破産手続き中の仮想通貨取引所「マウントゴックス」の一部の債権者が1日までに、東京地裁に民事再生手続きへの変更を申し立てた。

仮想通貨ビットコインの価格急騰で同社に残るビットコインの資産価値が膨張しており、破綻当時の時価で債権者への返還額を決める破産手続きでは不公平になると訴えている。
変更が認められれば異例という。

現在の破産手続きでは、マウント社の資産を破綻時の時価で現金化して債権者に支払う。

破綻した2014年当時のビットコインの時価は1ビットコイン=約5万円だったが、最近では20倍の100万円を超えている。
民事再生手続きなら、債権者はビットコインで支払いを受け取ることができ、その分利益も大きくなる。

莫大な利益がマウント社の資産となることへの強い反発もある。
マウント社が保有するビットコインを売却した利益から債権者への支払いを終えても、約1800億円残るという。

これがマウント社の親会社の大株主で業務上横領などの罪に問われているマルク・カルプレス被告へ分配されることを債権者側が問題視した。
東京地裁は現在、民事再生手続きへの移行の妥当性を判断するため調査している。
決定は来年以降になる見通しだ。

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ビットコインで債権者への配当検討 破綻時より価値5倍 (2017.7.10 朝日新聞)

2014年に経営破綻(はたん)した仮想通貨ビットコインの取引所「マウント・ゴックス」(東京)を巡り、債権者への配当をコインで行うことが検討されている。

同社の資産のうち、コインの価値は破綻時の5倍に急騰し、債権総額456億円を上回っている。
企業倒産に詳しい専門家は「聞いたことがない」としている。

同社の破産管財人が今年3月に東京地裁に出した報告書では、同社の資産は現金10億円と約20万ビットコイン。
コインは破綻時のレートで約120億円相当だったが、現在は約600億円相当に膨らんだ。

同社の債権者として届けたのは世界で2万人超。
当初は総額263兆円の債権届け出があったが、管財人が精査した結果、456億円になったという。

企業破産で債権者は債権額の一部しか配当が得られないことが多いが、今回は「満額配当」になる可能性もある。
当時約3千万円相当のコインを預けていた関西地方の債権者は、配当を現金かコインのどちらで希望するかを尋ねる連絡を管財人から受け、将来の値上がりを見込んで「コイン希望」と答えた。

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コメント

  1. 風じ より:

    こんにちは
    カルロスさんは、コインチェックでしたか。
    出金可能になった場合、取り付け騒ぎになって、出金禁止にならないとよいのですけど、情報待つしか無さそうですね。
    私は個人ウォレットに移動していますので、日本円での換金出金は出来ませんが、このまま持っていて直接買い物するようにします。
    しかし、ボラリティは半端でないですね、それが良いのですけど。

  2. カルロス より:

    風じさん、こんばんは
    >私は個人ウォレットに移動していますので、日本円での換金出金は出来ませんが、このまま持っていて直接買い物するようにします。
    買い物ができるならビットコインは移動できるってことですよね。
    それだったら、別の取引所、例えばGMOコインなどに口座を開いて送金すれば、換金できるじゃないですか。

  3. 風じ より:

    今晩は
    bitFlyerに口座あるので、そこにビットコイン送れば取引できるのですが、ビットコインのまま使った方がメリットがあるかなと思っています。
    最近は送金時間かかるのが問題なんですが。
    コインチェック、上手く動くと良いですね。

  4. カルロス より:

    こんばんは
    >出金可能になった場合、取り付け騒ぎになって、出金禁止にならないとよいのですけど、情報待つしか無さそうですね。
    どうもあの社長はD9で詐欺やったヤツと同じに見えてきたんで、出金再開はあまり期待できないんですよね。
    やはりダイヤモンドの記事にある1000億円をどっかにやったというのは、金額はともかく、典型的な差し押さえ逃れでしょう。
    あるいは黒い紳士たちに脅されてやったか。
    >コインチェック、上手く動くと良いですね。
    今月中に破綻じゃないかな~

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