住宅ローンによる家計破綻を回避せよ

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ビジネスをする男女

2014年3月19日付のブルームバーグニュースは、「公示地価:三大都市圏6年ぶり上昇-アベノミクス、五輪効果」という表題で、「国土交通省が18日発表した公示地価(2014年1月1日時点)によると、東京、大阪、名古屋の三大都市圏の地価はリーマンショック発生時以来、6年ぶりに上昇に転じた。デフレ脱却を目指す安倍晋三政権下の大胆な金融緩和や景気回復で、不動産投資や住宅取得の需要が高まっていることが背景にある。」と報じた。

これだけを見ると、ようやく日本の不動産市況にも明るい兆しが出てきたように思えるが、私としては、賃貸収入や売却益が見込めるような立地条件のいい場所に投資用の不動産を購入するならともかく、居住用の不動産を購入することについて私は懐疑的な姿勢を崩すつもりはない。

要するに、私が2012年2月19日に書いた「持ち家がアダになる未来の日本」でも紹介したように、不動産業界でまことしやかに言われている2025年問題(2014年4月11日-日経新聞-東京都内世帯数、2025年ピーク 人口問題研推計)は改善される見込みすらないし、サラリーマンの平均給与は1997年をピークに下落の一途を辿っているからだ。

ところで、3年前に起きた東日本大震災で、持ち家を津波などで失ったり、原発事故で元の土地に住めなくなった被災者が、再起しようとしても、二重ローン問題が生じるため、それが足枷になっていることをご存じだろうか。

それをできるだけ回避しようと、政府は個人版私的整理ガイドライン運営委員会を通して手続きするように促している(参考:政府広報オンライン)が、こういったことをやらないといけないのは、日本の住宅ローンが借主の責任が限定されるノンリコースローン(非遡及型融資)でないからだ。(2009年1月8日-日経ビジネス-日本の住宅ローンは世界から見れば変則です

ちなみに、日本で一般的なリコースローン(遡及型融資)は、借入時点の金利は低くとも、債務不履行に陥ったとき、担保物件を手放しても、なお残債があるときはそれを返済する義務を負う苛酷なシステムとなっている。

一方、借主限定責任型であるノンリコースローン(非遡及型融資)は、金融機関が担保価値の目減りのリスクを負うため、貸出金利は高くならざるを得ないが、貸し倒れリスクを回避するために、不動産の資産価値の維持と向上を図る仕組みを作らざるを得ないし、政府もそれをバックアップすることになる。

2009年1月22日付の日経ビジネス「日本の住宅ローンはなぜノンリコースにならなかったのか」の記事によれば、実際に米国ではそういったシステムができているし、経済評論家の清水洋氏は、彼の著書である「国家が個人資産を奪う日」の中で、「アメリカでは、サブプライムローンが崩壊したあと、FRB(連邦準備制度理事会=日本の日銀にあたる組織)が、民間金融機関の崩壊を救うために、担保債権の回収にあたっていた。FRBか買い支えて、ローン債権の暴落を抑えたのだ。」とも書いている。

つまり、日本が住宅ローンがノンリコースローン(非遡及型融資)であれば、20年にもわたるデフレ経済が放置されることも、2005年11月に発覚した耐震偽装に代表されるような数々の欠陥住宅問題も、福島第一原発の安全性の欠陥もここまで酷くなかったように思う。

私が思うに、金融機関が資産(担保)価値の保全責任の一端を担っていれば、これらの問題に対して政府や関連企業に圧力をかけただろうし、今のように被害者だけが苦しみ続けることもないだろう。

20~30代の人に対して、これでも貴方は長期の住宅ローンを組んで持ち家をするのか、と私は聞きたいのだが、すでに住宅ローンを組んで持ち家をされている方はどうすればいいか。

私が思うに、最初にやるべきことは、変動金利型の住宅ローンを借りているなら、それをフラット35などの全期間固定金利型ローンに借り換えることだろう。
あと数年で完済できる人はともかく、あと20年とか30年などという人は、アベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)のような政府のインフレ政策が軌道に乗り、金利が上がり続ければ家計は間違いなく破綻する。

もっとも、1000兆円を超える政府債務はハイパーインフレなしには返済不能なので、そういう時期が来たら自分も腹を括って図太く生きるという覚悟があれば私は何も言わない。

それがいつ来るか誰にもわからないが、少なくとも私は、自分が生きている間に来る可能性があると思って資産管理をしている。
その場合でも、土地付きの一戸建て住宅を持っている人は、全期間固定金利型の住宅ローンにしておけば、政府が助かるのと同じように貴方も助かるかもしれないということは留意すべきだろう。

一方、分譲マンションは資産価値がほとんどないだろうから、潔く捨てる覚悟が必要だと思う。
また、「お金に困らない人生設計」の著者であるCFネッツグループ代表の倉橋隆行氏は、マネー雑誌や市井のファイナンシャルプランナーが勧める繰り上げ返済は、投資・運用の理論で考えれば不要であると書いている。

彼は、住宅ローンは一般的に金利が安いため、それを固定金利で借りておけば、急いで返済することはなく、むしろ、ローン金利を上回る投資商品があれば、そちらに回すべきだと言う。

これには私も同感で、彼の本業は不動産投資なので、それを一般のサラリーマンに当てはめるには無理があるが、例えば200万円の余剰資金ができたとき、フラット35の借入金利が仮に2%だとしたら、初級者向けとして、為替リスクを負うだけで済むオーストラリアドル建債券(年利約4%、税引き後約3.2%)に投資するという方法もある。

地道にやるなら、2013年4月11日に私が書いた「超初心者のための外貨投資入門(2013年版)」を実践するのもいいだろう。
ここで、投資と言われると、株のデイトレードやFX(外国為替証拠金取引)で知人が失敗したなどという話を持ち出す人が多いが、まずは、そのような投資(資産運用)と投機の違いも理解できなかった人の失敗談(ネガティブな与太話)を頭から切り離す必要がある。

こうして、投資で得られた利金(配当金、分配金)を返済の一部に回すなり、家族との遊興費に使えば有意義だと思うし、無事に住宅ローンを完済できた暁には、その投資元本は生活を豊かにする糧にできるのだ。

ところで、私の経験で言えば、住宅ローン債務者の多くは投資をする資金的余裕がないように思えるが、一概には言えないとしても、返済能力ギリギリのラインで借り入れている人は論外として、繰り上げ返済の呪縛に囚われている人は、考え方を改めれば十分に投資も可能だろう。

ここで投資の経験を積み、それなりに豊かな老後を送れるか、何もせずに年金生活に突っ込み、貯金の目減りの恐怖に怯えながら暮らすかの違いが出るだろう。
ところで、消費増税のあおりで、勤め先の業績が悪化し、失業や大幅な収入減で債務不履行になったときにどうすればいいか。

先ほどの例と違って、こちらはよりいっそう現実味があるだけに困る人も多いだろう。
そうなった場合の対処法の一つが、前述した清水洋氏の著書に載っていたので紹介したい。

彼のスキームは任意売却サービサーを使った住宅ローン債務軽減策が柱で、表題からもおわかりの通り、私は元々住宅ローン破綻から家計を守る方法を学ぼうと思ってこの本を買ったのではないが、下記の一節が参考になれば幸いである。

私が思うに、自分の人生や自由な時間を犠牲にしてまで政府の経済政策や金融機関の利益に貢献することはないと思うが、いかがだろうか。

最後になるが、私の身内も含めて、職場の同僚や友人にも住宅ローン債務者は多いが、将来的にそれらの人たちが鉄道各線の人身事故や新聞ネタの当事者にならないことを祈りたい。

サラリーマン世帯を襲う財産収奪-価格暴落した住宅ローンをどうするか
国家が個人資産を奪う日 by 清水洋

■持ち家政策への裏切り

振り返ってみれば日本という国家は、戦後一貫して「持ち家政策」を推進してきた。
戦後圧倒的に増えたサラリーマン世帯に対して、政府は次々と公団方式でニュータウンを造成して国民にウサギ小屋のような家を提供し、住宅ローンを組ませたのだ。

こうすれば、まずデベロッパーは儲かる。
住宅ローンを獲得した金融機関も、自宅という何としても手放したくない不動産を担保に取りっぱぐれのないローンが組めるのだから、濡れ手に栗の状況だった。

この政策を金融機関の護送船団方式で推進し、そこで金融機関が得た資金を国債で吸い上げていったから、政府には自由に動かせる資金が増えていった。
その資金を重厚長大産業にばらまいて、産業振興策の源泉ともなった。

こうしてみると、1970年代の「高度成長ブーム」は、ある意味で「サラリーマンの住宅ローンに下支えされていた」と言っていいのかもしれない。
けれど本来まっとうな国家ならば、このように国民に買わせたマイホームという名の財産を「守らなければならない」はずだ。

価格が下落しないような政策を立てて、国民の将来への蓄えになるような対策を打つべきだ。
たとえばアメリカでは、サブプライムローンが崩壊したあと、FRB(連邦準備制度理事会=日本の日銀にあたる組織)が、民間金融機関の崩壊を救うために、担保債権の回収にあたっていた。
FRBか買い支えて、ローン債権の暴落を抑えたのだ。

それに対して日本では、政府も日銀も不動産価格暴落に本格的な対策を講じなかった。
不動産価格が上昇した局面では、政府には多額の不動産取得税、登録税、固定資産税、都市計画税等が入ったにもかかわらず、価格が暴落する局面では放置する。

アメリカとは真逆に、むしろ国民の財産価値を減少させる方向に動いてきた。
まったくナンセンス。

その結果、サラリーマンや自営業者たちは、せっせと稼いだお金を住宅ローンに注ぎ込み続け、その結果、晩年になって手にするのは「価格暴落した自宅」でしかない。
お金をどぶに捨てているようなものだ。

これでは景気が上向くはずがない。
真面目な人はど損をする。ローン返済できる人はど家計が崩壊する。
この状況が国家による国民の財産の収奪と言われても、なんの反論もできないはずだ。

■真面目に返すと家計が破綻する

そんな経緯を説明してから、私は相談に現れたAさんにこう尋ねた。
「この国の仕組みと、現在の不動産の状況がわかったでしょう。それでもあなたは真面目に住宅ローンを返しますか?返済を続けて、破綻する道を選びますか?」

Aさんの目が輝いた。
前よりも力強い言葉で、こう言った。
「住宅ローンを返し続けて家計が破綻するのはいやです。実勢価格が430万円(購入価格4200万円)しかないものに退職金を注ぎ込むのはごめんです。先生、この状況を逆手にとって、なんとかいい方法はないものでしょうか。不動産価格が下落したのは私の責任じゃない。国家の責任です。ならば、国家がちゃんと救いの手をさしのべるべきではないでしょうか。」

その通り。
Aさんは私の事務所で聞いた説明に納得して、考え方も大転換したようだ。
これで再生への第一歩を踏み出したことになる。

問題は、Aさんのような状況にある人が、日本中に何千万人もいることだ。
現在住宅ローンを抱えている人の中で、残債がそれほど残っていないケースなら問題はないが、返済実績がローン期間の半分を越えていない人のほとんどは、Aさんのように「デフレ価格の物件にインフレ期のローン額を返済している」と言っていい。

つまり、「真面目に返していたら家計が破綻する」予備軍だ。
なんとかしてこの状態を大転換しないといけない。
そのためにはどうしたらいいか。

現状では、Aさんのような状況の国民に対して国家は救いの手をさしのべていない。
けれど、やりようはある。
私はAさんにこうアドバイスした。

■自宅を任意売却して、不良債権を解消する

「まず、ご自宅を売却することです。これには金融機関が任意売却に応じないといけませんが、現在は応じやすくなっています。その上で、親族や信頼できる知人にこの物件を買ってもらうのです。430万円で買えますから、安いものです。そしてそれをAさんが賃借すればいい。そうすれば住宅ローンからは解放され、価格が10分の1になったものに対して大金を支払う必要もなくなります」

「先生、任意売却とはなんですか?」
Aさんが訊ねてきた。
不動産関係者ならば知らない人はいない単語だが、生涯に自宅を一度買うか買わないかという一般の人には馴染みのない言葉だろう。

私はこう説明した。
「金融機関が担保に押さえている物件の中で、売却しても債権がすべて回収できない物件を売買する際に使われる言葉です。Aさん、あなたのご自宅の場合、売却しても金融機関は残債2700万円全額は回収できません。それでも売っていいかどうか、金融機関にお伺いを立てないといけないのです。金融機関が認めれば、売却できる。それを任意売却といいます」

「わかりました。いずれにしても、私は自宅のオーナーから、貸し家の賃借人になるということですね」
「その通り。でも周囲から見たら、そんな内情はわかりませんよ。Aさんご家族は以前と同じように同じ家に住んでいるわけですから。誰も物件が売却されたなんて気づきません。これなら、世間体もいいんじゃありませんか」

私が言うと、Aさんは不安そうな顔でこう訊ねてきた。
「でも、問題は残債ですね。これはどうしたらいいでしょうか」
Aさんの言うように、問題はそこにある。この問題が残るから、多くの国民は自宅を任意売却できないのだ。

ところが幸いなことに、Aさんはリストラという苦境に立っている。
そのことを利用して、この苦境を脱する合法的な方法があるのだ。

「Aさん、あなたは幸運なことにリストラされて収入が大幅減ですよね。それを使いましょう」
私が言うと、Aさんほ不思議な顔をした。「リストラされて幸運ってなんですか?」
ここにこそ、いまの収入激減デフレ時代を生きるサラリーマンにとって一筋の光明がある。

私はこう続けた。
「幸運と言った意味は、収入が激減しているいまだからこそ、残債の処理があなたにとって有利になるということ。サーピサ一法という法律があなたを有利に債務処理に導いてくれるということです」

概略を言えば、残債、つまり不良債権の処理は、金融機関にとっては金融庁の指導の下で至上命題となっている。
いつまでも、返済される見込みのない不良債権を持っていると、経営が悪化する。

なぜならば、債権に対しては「引当金」と呼ばれる積立金を積まなければならず、これが増えると「自己資本率」が減少する。
引当金の額は、債権の健全性によって利率が異なるのだが、正常債権ならばゼロでいいものが、破綻債権だと債権額の100%となるため、自己資本率が大幅に減少する。

自己資本比率が一定レベルから低下すると、公的資金の導入という結果を招いたり政府の介入を許して自主営業ができなくなったりする。
金融機関としてもこの事態は避けたいから、不良債権の処理は至上命題なのだ。

だから、残債が出た場合、金融機関は債務者の状況を調べて、どう処理するかを考えるわけだ。
同じ残債でも、それを返済する収入がある相手であれば、金融機関は「回収に走らなければならない。
たとえば公務員だったり大企業の社員だったりすれば、安定した収入があるはずだから残債の回収が徹底して行われる。

もし返済が行われなければ、「給与差し押さえ」という手段もある。
企業でも官公庁でも、仮に給与差し押さえがあったとしても、就業差別をしてはいけない決まりはあるが、こういうお堅い職業の人はそんなスキャンダルを恐れるものだ。

だから仕方なく、残債を返していくことになる。
仮にAさんの場合だったら、自宅を430万円で売っても残債は2270万円も残ってしまう。
家賃を支払いながらこの返済も続けていくとなると、二重ローンとなって家計は火の車だろう。

ところがAさんは、リストラで収入が激減した。
その状況を正直に銀行の担当者に話し、返済が軒しいことを理解してもらえれば、銀行はこういう手法をとるはずだ。

残債をサーピサ一に償却して、銀行は不良債権処理を完了する。
つまり、Aさんから残債を回収できる権利をサーピサ一に売却して、銀行は不良債権を手放すというやり方だ。

「そんな方法があるんですか?」
Aさんは不思議そうに訊ねたが、この方法こそ、これまで何万人もの「経済的再生」を実現してきた、債務者の強い味方の法律なのだ。

■サーピサーの上手な利用方法

サーピサーの存在やその役割についても、金融機関の関係者にとっては常識だが、一般にはあまり知ちれていないと思う。
サーピサーとは、債権の管理・回収を専門とする特殊な会社を指す。

平成10年に定められた「債権管理回収業に関する特別措置法(サーピサ一法)」によって定義され、それ以前には弁護士にのみ認められていた債権の管理回収業務が行える会社として誕生した。
法務大臣による許可制で、暴力団等、反社会勢力の排除が徹底されるのと同時に当局による監督規制を受け、債権回収過程の適正性を確保することが目指されている。

つまり、それまで金融機関に債権を握られていて(借金があって)返済できないと、頬に傷を持つ怖いお兄さんが登場し、債務者に恐怖心を与えながらの回収が行われてきた。

つい最近まであったのは、「返済できなければ臓器を売れ」 「金を返さないと子どもが痛い目にあうぞ」といった、 脅迫回収だったのだ。

金融機関にしてみれば、回収の見込みのない債権でも、それをチャラにしてしまうと寄付をしたことになり、納税の対象となる。
債権をチャラにした上で税金まで取られたらたまらない。
だから、ブラック社会の手を使ってまで回収に走っていたという実態があった。

けれど1990年代のバブル崩壊期には、そんな手間隙かかる回収作業では手に負えないような膨大な不良債権が市場に生まれてしまった。
このままでは日本中の金融機関が不良債権の海に沈んでしまう。

そこで、そういう前近代的な金融機関の体質を改めて、もっとスムーズに債権の償却ができるように生まれたのがサーピサ一法であり、その法律の下に誕生したのがサーピサーだったのだ。

金融機関は、不良債権をサーピサ一に譲渡すれば、その差額は無税で償却できる。
たとえば額面で1000万円の不良債権を、交渉によって50万円で売却すれば、金融機関は950万円を貸し倒れ損失に計上できる。金融機関としても、回収の見込みのない不良債権をいつまでも持っているよりも、そうやって身軽になって新たな健全な融資先とのビジネスを始めたほうが、金融機関としても得策なのだ。

一方、50万円で額面1000万円の債権を買ったサーピサーは、債務者と交渉を始める。
もちろん、1000万円を返済してくれたら濡れ手に粟の儲けだが、長い間金融機関に返済できなかった債務者にそれができるわけかない。

それでも100万円ならばなんとか返済できるとすれば、サーピサ一には50万円の利益があがる。
この交渉がまとまれば、債務者は晴れて債務から解放されることになる。

つまり、サーピサーを利用することにより、金融機関は不良債権処理ができ、サーピサーは利益が出て、債務者は本来の債務額よりも少額で債務がチャラになる。

三方がウイン-ウイン-ウインで結ばれるこの方法こそ、日本社会に溜まりに溜まった不良債権を解消する唯一の道であり、これまで数々の企業や多くの個人が使ってきた「再生」への方策だったのだ。

だが、金融機関が持っている債権をサーピサ一に償却するには、「この債権はもう回収できそうもない」という判断が必要だ。
自宅を売却して残債が残ったAさんが一流企業の幹部だったり、公務員だったりしたら、「サーピサ一に償却するよりも債権を維持してAさんから回収したほうがいい」と思うだろう。

ところがリストラされて収入激減となったら、回収は無理だ。
だったらいつまでも不良債権を持っているよりも、サーピサーを使うに決まっている。
そうなったらAさんはサーピサーと交渉して、2700万円の残債の数パーセントの価格でその債権を買い戻せばいい。

そうすれば、自宅の残債問題ほチャラになる。
Aさんは住宅ローン問題から解放されて、かつて自宅だった借家に住みながら、また新しい仕事を探してがんばればいいわけだ。
息子さんだって、大学に進んで就活をがんばって、いい会社いい仕事を見つければいい。
まさにウイン-ウイン-ウインだ。

コメント

  1. かず より:

    わが家はかつかつでローンを組んで、夫が上場企業なので、いつまでも搾り取られるんですね…。買う前に知りたかったです。どうやって生きていけばいいんだろう。

  2. カルロス より:

    まずは金融機関のヒモ付きでない独立系のファイナンシャルプランナーにご相談された方がいいですね。
    私が知っている中では家計の見直しセンターの藤川太さんがかなり有名ですが、事務所は土日もやっているということなので予約されてみては?
    彼曰く数カ月先まで土日は予約で埋まっているそうですよ。

  3. かず より:

    ありがとうございます。今は、FPさん、司法書士さん、任意売却さんに相談していますが、意見がそれぞれ異なり混乱しています。自分は、早めに手放してやり直したいのですが、夫の会社での立場があるためなかなか踏み出せません。ちなみにFPさんは現状維持、司法書士さんは任意売却+自己破産、任意売却さんはギリギリまで頑張ってください、との意見です。定年後もローンが残っているので、早く手放して解放されたいです。

  4. カルロス より:

    >夫の会社での立場があるためなかなか踏み出せません。
    これが最大のネックですね。
    会社人生を中心に据えていいことはあまりないように思いますが、リストラ候補になったり左遷されたりしないようなら、立場と将来の生活設計を天秤にかけて真剣に考えないとなりませんね。
    厳しいこと言いますが、会社は貴方がた夫婦の生活など一顧だにしないということです。
    今の60代以上の人が、会社、会社と言って尽くしてきた会社が、手のひらを返すようにボロ雑巾のように捨てたのは、わずか15年前の話ですから

  5. かず より:

    見ず知らずの私にお知恵をいただきありがとうございます。今は、フラットのフルローンや、諸費用ローンもあります。金融機関は、ばんばん貸してお金を動かしたいんでしょうか?さて、どう動くか。夫婦だけならまだいいですが、年頃の子どもがいるので慎重にならざるを得ません。いろいろ参考になりました。ありがとうございます。

  6. カルロス より:

    かずさん、お役に立てて何よりです。

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