つい先週行ってきたインドネシア・タイ旅行の目的の一つにバンコクでの現地銀行口座開設があった。
香港と違って非居住者の銀行口座開設に制約があるタイでは、就労許可(Working Permit)がないと、パスポートと英文住所証明だけでは口座を開くことが困難になっているとのブログ記事がある一方で、外国人の長期滞在者が多いパタヤ(Pattaya)やチェンマイ(Chiang Mai)ではいとも簡単に口座が開けたという記事もあり、実際のところは、銀行の担当者によって当たり外れがあるというのが事実のようで、結局のところ、行ってみなければわからない、というのが実感だった。
カシコン銀行バンカピ(Sukhumvit 33)支店へ
そして、私はインドネシアからバンコクへ戻ってきた翌日の7月5日、カシコン銀行(Kasikorn Bank)のバンカピ(Bang Kapi/Sukhumvit 33)支店へ行ってみた。
この支店のあるエリアは、日本人の居住者が多いゆえに、2012年1月から日本語が話せる担当者を置いている支店で、当然のことながら外国人の口座開設にも慣れていると思われたからだ。
場所はBTSのプロンポン(Phrom Phong)で下車、若干、アソーク(Asok)寄りに戻ったところで、スクンビット通り(Sukhumvit Road)沿いにあるので、誰にでもすぐわかるところにある。
支店の入口を入ったところには受付係の女性がいて、用件を聞いてくるので、口座を作りたいと言えば、番号札を引いて渡してくれる。
誰もいなければ、受付機があるので、英語か日本語を選んで、口座開設(open an account)を選べばいいだろう。
口座開設の順番待ちは英語担当を待つ
ただ、日本語担当は在席していないこともあるので、あまり過度な期待はせず、英語の番号札も引いておいた方が無難だ。
順番を待っている途中で行員の一人が私のところに寄ってきて「日本人ですか?ご用件は何ですか?」と日本語で聞いてきた。
私が口座を開きたいと英語で言うと、就労許可(Working Permit)があるかと聞いてきた。
そこで、私が彼に見せたのが、英語サイトになるが、Thai Embassy.comのリタイアメントビザ(Retirement Visa)の取得要件で、80万バーツ(約260万円)の預金残高のある現地銀行口座の通帳の部分だ。
それであっさりと納得してくれた彼は、パスポートとタイの住所(ホテル、サービスアパートメントなど)と、タイの携帯番号だけで普通預金口座を作ってくれたのだ。
念のために持参した日本の住所証明(HSBC香港のStatement)を求められることもなかった。
もちろんインターネットバンキングの手続きもしたので、今後はそれも駆使していくことになるだろう。
これにはチェンマイのカシコン銀行ターペー通り支店(Thaphae Road Branch)で、就労許可(Working Permit)なしでの口座を開くことに成功し、その後バンコクで私と合流した達也さんも驚いたようで、そんなに簡単に口座を作れたというのは聞いたことがない、と言っていた。
もっとも、私はバンコクでの滞在先がツイン・ビークス・レジデンス(Twin Peaks Residence)だったので、ホテルの短期滞在者でなく、アパートメントの長期滞在者を装えたことも良かったのではないか。
ちなみに彼はバンコク銀行(Bangkok Bank)のエンポリアム支店(Emporium Branch)でも口座を開けたと言っていた。
ただ、非居住者の場合、カシコン銀行(Kasikorn Bank)はインターネットバンキングサービスの提供があるが、バンコク銀行(Bangkok Bank)はないといった差異があるようだ。
口座開設に必要なもの
とりあえず私が今回の口座開設に必要だったものをまとめておこう。
- パスポート
- タイの住所(ホテル、サービスアパートメントなどで可)
- タイの携帯番号(日本の携帯の国際ローミングは不可)
- リタイアメントビザ(Retirement Visa)の取得要件に現地銀行口座が必要であることが書かれた英文の書類(ウェブサイトのコピー)
ところで、インターネットバンキングのアクティベートは、口座番号(仮ID)と、口座開設の翌日に送られてくるE-mailに記載された仮パスワードを使って15日以内にログインして、双方とも変更する必要があるため、念のために口座開設から数日間はタイに滞在できる日程にした方がいいだろう。
ここで意外に重要なのは、タイの現地携帯番号で、インターネットバンキングをアクティベートした後でいろいろな手続きをする場合は、携帯電話のSMS機能を使って、セキュリティ・パスワード(Security Password)の一つであるワンタイムパスワード(OTP/One-Time Password:受信から6分以内に入力が必要)が送られてくるので、現地のSIMカードを1年間有効にして、少なくとも次回の訪タイまでは電話番号が失効しないようにした方がいい。
もちろん、インターネットバンキングでプリペイドSIMのリチャージ(top-up)や、タイの国内外の銀行への送金先登録をすることもできるが、ワンタイムパスワード(OTP)を受信できることが条件になるので、タイにいる間しか手続きできないのが難点と言えよう。
デビットカードの有効期限は10年
それにデビットカードの有効期限は10年間、その更新時に登録住所にいない可能性が高いので、それをどうクリアするかが課題だろう。
最後になるが、今後、バンコクで開設した口座をどう活用していくか。
私も達也さんも事前にそれほど知識があったわけではないので、相手の銀行員が作ってくれたデビットカードは、口座維持手数料が年間800バーツ(約2,600円)もかかるK-SME Debit Cardというもので、私たちのような非居住者にメリットがあるとは思えない。
彼らの手数料稼ぎに利用されるのも癪なので、次回の手数料の口座引き落とし日(毎年口座開設日と同日)までには訪タイしてダウングレードする必要があるだろう。
キャッシュカードは他区域引出手数料がかかる
Rate Charges(手数料)の項目にあるService Fees for ATM and Debt Cards, Money Transfer/Bill Payment, Direct Debit and Foreign BillsというPDFファイルを見る限り、デビットカードで買い物した場合の1%還元(口座入金)を考慮しても、普通のK-Debit Card(年間維持手数料200バーツ)で十分であろうか。
また、この手数料のファイルによれば、バンコク都内(BMR/Bangkok Metropolitan Region)における他行引き出し手数料は無料とあるが、区域を超えてATM引き出しをすると同じ銀行のATMでも手数料がかかるようだ。
ちなみに、私が口座を開設した7月5日の円バーツ換金レートは、カシコン銀行での現金両替が1バーツ=3.28円、日本のシティバンクのキャッシュカードを使ってのATM引き出しは1バーツ=3.39円(150バーツの現地手数料と210円の日本側手数料は別途かかる)ので、当然のことながら現地銀行に軍配が上がる。
ところが、これだと一般的に旅行中に現地銀行の口座へ入金する手間、つまり円からバーツに両替して入金する必要があるので、普通に換金してホテルのセーフティボックスに保管しておいた方がはるかに楽だ。
できればほかの方法を取りたいので、旅行前に日本のシティバンクからバーツ送金をしたとすると、7月5日のTTSレート(Telegraphic Transfer Selling rateの略で対顧客電信売相場のことで現金の換金レートとは異なる)は1バーツ=3.3円、海外送金手数料を2,500円負担したとしても、旅行前に一定額を現地口座へ送金するだけの価値はあるように思う。(Swift CodeはKASITHBK、事前に海外送金登録が必要で、シティホンバンキングで指示)
とりあえず、こんなところだが、まだ口座を作ったばかりなので、これから使い勝手を試していきたいと思う。
コメント
5日にバンコクで口座開設、、、ひょっとして、と思いHPの旅程表を見ました。6日はプールでのんびりして、7日に帰国。自分は6日朝にバンコク到着で、8日夜便で帰国しました。ブログはときどき拝見していますが(ひょっとしたら現地でも)HPの旅程を見るところまではしていませんでした。自分は4日にブログでバンコク行きの行きの行程を書いたので、もし見ていただいていればと思いました。お泊りになったホテルを調べたらアソークの西側ですね。自分は東側です。6日は駅をはさんで500mくらいはなれたところで泊まっていたようです(笑)。カルロスさんとはすれ違いが多いなと思っていましたが、今回はお会いするチャンスがあったのにちょっと残念でした。
こんばんは
>自分は4日にブログでバンコク行きの行きの行程を書いたので、もし見ていただいていればと思いました。
すいません、そこまではチェックしてなかったですね。(苦笑)
とんびさんの泊ったホテル、ジャスミン・エグゼクティブ・スイートホテルは、2011年の年末に行った旅行で使いました。いいホテルですよね。
最近はmixiのチェックもたまになんで漏れてしまったようです。いつもすれ違いですね。