もし裁判員に選ばれたら

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日本地図とビジネスマン

平成21年5月までにスタートすることが決まっている裁判員制度についての講座があったので出席してみた。


講座では法務省が裁判員制度広報用ビデオとして作った中村雅俊監督・出演(裁判長役)、西村雅彦主演の「裁判員制度-もしもあなたが選ばれたら-」が上映された。

広報用のビデオなので当然のことながら紆余曲折がありながらも結果的にうまくいく、というストーリーだが、西村雅彦氏がドラマで語っている「誠意をもってぶつけた判断なら相手(被害者や被告人)もちゃんと受け止めてくれる」というのはだいぶ甘いものがあるように感じた。

このような性善説は今どき、というか最も利害が先鋭に対立する場所では通用しないだろう。
まして裁判員制度の対象となる事件は、殺人や傷害致死などの重大犯罪なのだ。

それに日本人は人前で自分の意見を表明することに抵抗を感じる人が多い。
ドラマでは裁判官と裁判員が一同に会しての評議(事件の審理)で活発な意見が出て、それが次第に一つの結論に収束していくような形で演じられているが、「国際会議議長の任務として最も難しいことは、インド人に発言させず、日本人に発言させること」というジョークがあるくらい日本の会議は「皆に意見を言わせることが大仕事」なのだ。

結果的には、誰かの意見に引きずられる形でいつの間に結論づけられているというのが実情だろう。
下手すれば司会と1人の提案者以外は全員黙っていることだって考えられるほどだ。

評議の場で少数の反対意見を勇気を持って言える人がどの程度いるのか。
裁判が裁判員の都合(繁忙の度合い、スケジュール)に配慮する形で行なわれた結果、拙速な審理が行なわれがちになって、むしろ当事者の利害が損なわれないのか。

私がかつて疑問視したこと(2005年4月17日2006年10月15日「今日の一言」)はどの程度改善されているのか。
ドラマを見る限り、ますます懸念が深まったような気がする。

唯一、正しいと思ったのは、「いつ何時、自分が加害者となり、被害者となる可能性がある。裁判員というものを人ごととは思わないで欲しい。」と言った主演の中村雅俊氏(裁判長役)の言葉だ。

また、「政治に無関心、投資に無関心、金利に無関心、他人に無関心、他国に無関心、将来に無関心」
これは衰退国家の末期症状だと言ったのは、World Investorsで交流のある1人の個人投資家だ。
中村雅俊氏(裁判長役)はこうも言う。「無関心こそ最大の罪なのです。」

コメント

  1. スマイリー より:

    カルロスさん。どうも!
    今回はお祝いのCommentありがとうございます。
    皆様のおかげで何とかBLOGを継続することが出来ました。
    拙Blog内でも御礼の記事を掲載しております。
    今後ともよろしくお願いいたします。
    「祝!ブログ開設 2周年」へのお祝いCommentsの御礼
    http://blog.livedoor.jp/smiley_shanghai/archives/50826891.html

  2. カルロス より:

    ブログ2周年、もしかすると私もそうかも(笑)
    でも、こっちはメインサイトにある「今日の一言」っていうコラムをブログ専門(そういう人多いみたい)の訪問者のためにやってるんで、実質は2003年4月からなんで、4年たつのかな?
    案外早いものですね。

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