さあ、香港で夏祭りを楽しもう

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香港ディスニーランド

8月15日から17日までのお盆連休後半の世界市場は久々の波乱に見舞われた。

ほとんどのポジションをキャッシュあるいはショート(ベア)にしていた私は8月に臨時ボーナスが出たような気分だが、円高と株安で相当の痛手を被った人も多いようだ。


まさに今回は「本当に狼がやってきてしまった(7月28日「今日の一言」)」というわけだ。

特にハンセン指数(Hang Seng Index: ^HSI)は7月26日に付けた最高値23,557.74香港ドルからわずか20日間で4,000香港ドル以上(8月17日の安値19,386.72香港ドル)も下落し、8月に入ってからは500香港ドル以上の下げが、1日が729.58、6日が601.71、10日が646.65、15日が631.6、16日が703.33、そして17日は一時1285.67というものだった。

この下げでハンセン指数は、今年4月以降の上昇分をすべて吹き飛ばしてしまったことになる。
ところが、17日に米連邦準備理事会(FRB)がクレジット市場の沈静化に向け公定歩合を引き下げたことにより、ダウ平均(Dow Jones Industrial Average Index: ^DJI)は連日の下げ基調から一転、233.3ドル上昇して13,000ドル台を回復した。

これによって、20日から始まる1週間は世界的な反騰相場になるだろう。
特に短期間で下げ過ぎた市場の雰囲気は一変して、月曜火曜あたりはお祭り気分が漂うに違いない。

私も短期間で利益が上がりそうなコールワラントを物色してみようと思う。
ただ、私の見方はあくまでも今週の反騰相場はあくまで「夏祭り」を楽しむだけだ。
従って慣れてきた香港でのワラント投資に絞るというわけだ。

なぜなら17日のダウ平均の乱高下についてメディアは詳報していないようだが、寄り付き後の十数分で321.9ドル上げた後、朝方発表された8月ミシガン大学消費者信頼感指数(MCSI/Michigan Consumer Sentiment Index)速報値が1年ぶり低水準となったことにより、上げ幅が一時的に100ドルを切るまでに下落したからだ。

その後、買いが優勢になり結果的に200ドル超の上げとなったが、今はちょっとしたネガティブな統計数値にも敏感に反応する流れのようだ。
これが「織込み済み」ということでほとんど反応しなくなれば徐々に買いに入ってもいいと思うが、まだ時期的には早いと思う。

また、今回の下げ相場で、サブプライム問題が何年かに一度の世界的な市場の暴落要因であるという指摘をする人もいるが、もし、それほどまでに根深い問題であるならば、今週の「お祭り気分」は早々に冷めることだろう。

なぜなら、今回の利下げは一種のカンフル剤のようなもので、過去の歴史に照らしてみれば、市場の暴落が始まって、それが完全に底を打つまでにFRBの利下げが一度で済むとは思えないからだ。

まして、今回は米国発の暴落相場なのだ。
今回の下げが「米国不動産バブルの終わり」の序の口に過ぎないというのは言いすぎだろうか。

そして、今回の数週間にわたる香港市場の下げは、現時点で唯一堅調な中国本土市場が変調をきたしたときのことを示唆している。
もし、上海が崩落することがあれば、これだけでは済まないということを・・・

今年に入ってからBRICs市場に参入した人は注意した方がいいだろう。
春に2月の世界株安から立ち直った頃と、現在では市場環境が違うからだ。
もし、次に世界的に市場が崩落すれば、高値掴みした銘柄の株価が元に戻ることは数年ないだろう。

そのときはアメリカで本格的なリセッション入りが確認され、米国発の恐慌のニュースが経済紙のトップを飾ることだろう。

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World InvestorsというSNSで交流している方からモルガンスタンレーが1980年以降5回しか出ていない強烈な売りサインが出たことで、顧客に株式の売却を勧めたという記事を引用した私のコラムを見た記憶があるとの指摘をいただいた。

私自身にあまり記憶がなかったので、このブログの中を探してみたが、見当たらず、SNSの6月6日付の日記に書いてあったことが判明した。
今考えるとかなり重要な示唆に富んだ記事なので、今更ながらに紹介したい。

■モルガン・スタンレーが顧客に株売却を示唆 (2007.6.6 World Investors日記より)

ブルームバーグで見た記事によると、今日付けの英紙、デイリーテレグラフで、米証券会社のモルガン・スタンレーはインターネットバブル破裂以来の3つの主要な売り指標が出たということで、顧客に株式の売却を勧めているそうだ。

この強い売り指標は1980年以降、5回しか出ていないそうで、同社は向こう半年以内に14%の調整を見込んでいたそうだが、さらに深刻になると語ったそうだ。
まあ、これが今年よくある狼少年なのか、本物なのかは今週から来週にかけてわかるだろう。

原題:Morgan Stanley issues triple sell warning on equities

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