2022年の秋の臨時列車としては、10月15日、22日、23日、11月5日に運転される飯田線秘境駅号、そのうち10月23日の上り列車の指定券が取れたため、私は酔狂にも豊橋と飯田間を往復することにした。
下り列車の指定券が取れていえば、豊橋から飯田へ行き、そこから上諏訪に抜けて中央本線で帰京できたのだが、それはまた次回のお楽しみに取っておこうと思う。
東海道本線「新快速」(名古屋 6:43-7:42 豊橋)
今回の飯田線秘境駅号(飯田発13時05分)の乗車に合わせて、飯田駅に向かう方法として、私は二つの方法を検討した。
一つ目は、名古屋発6時43分の新快速に乗って、豊橋で7時59分発の臨時快速「さわやかウォーキング号」に乗り換えて行く方法、もう一つの方法は、名古屋発9時01分の快速に乗って、豊橋で10時08分発の特急「伊那路1号」に乗り換える方法である。
どちらも一長一短で、前者は、飯田駅周辺でゆっくりと昼食が取れる反面、早起きを強いられるので、ホテルで提供される無料の朝食が食べられない。
後者は、朝方はのんびりとできる反面、昼食を食べ損ねるリスクがある。
私がどちらを取ったのかは一目瞭然なのだが、名古屋駅新幹線改札口のところにあるデリカステーション(Delica Station)では、幸いにも1,000円分の「いいじゃんクーポン」が使えたので、それでありがたく朝食を購入することができた。
「牛めし 松阪」、それが名古屋駅で購入した朝食、特急列車と違ってテーブルはないものの、座席が転換クロスシートなので、そこに座って食事をいただくことにした。
臨時快速「さわやかウォーキング号」(豊橋 7:59-10:35 天竜峡)
2022年10月23日に、飯田線時又駅から天竜峡駅の間で開催される「さわやかウォーキング」のために運行される臨時列車が、私の乗った臨時快速「さわやかウォーキング号」だ。
「さわやかウォーキング」自体は、JR東海管内各地で週末のたびに開催されているのだが、飯田線沿線での開催が偶然にも23日だったので、その臨時運転の列車に私も乗ることができたのだ。
車内は4人掛けのクロスシートを1人で占領するわけにもいかず、そうかといって満員でもない、微妙に空いている状態だった。
客層は当たり前だが、ウォーキングに参加する熟年のグループがほとんどで、私のような乗り鉄風の人は皆無だった。
飯田線普通列車(天竜峡 10:55-11:19 飯田)
先ほどの臨時快速「さわやかウォーキング号」は、伊那八幡行きなので、天竜峡で下車せずに、時又か終点で普通列車に乗り換えることもできたのだが、私は天竜峡で乗り換えることにした。
理由はただ一つ、乗り換える普通列車が天竜峡始発の列車だからだ。
私はここでフト思った。
天竜峡駅の前には、この日の「さわやかウォーキング」開催に合わせて、屋台の出店がたくさん出ており、そこで昼食を仕入れることができるのではないかと思った。
ところが、次の飯田方面行きの列車が、12時25分発の特急「伊那路1号」、さすがに屋台めぐりで1時間半を潰せるかと考えたとき、私はそのまま普通列車で飯田に向かうことにした。
臨時急行「飯田線秘境駅号」(飯田 13:05-17:54 豊橋)
先ほどの普通列車で飯田に到着したのが11時19分、折り返しの「飯田線秘境駅号」(飯田線秘境駅号みどころガイド)は13時05分発なので、昼食を取る時間は十分にある。
ところが、駅前にはカフェがあるだけで、食事をきちんとできるところがほとんどなかった。
こんなことなら天竜峡で途中下車すれば良かったと思ったものの、12時前の時点で飯田から天竜峡へ往復できる手段はなかった。(先行できる列車は唯一、12時20分発の普通列車があった)
飯田駅
私が昼食のために天竜峡へ先行しなかった理由は、こうしたイベント列車は始発駅で様々な催し物をやることが多いからだ。
「いってらっしゃい!秘境駅」といった垂れ幕を持った駅スタッフと一緒に写真を撮れるのもその一つだ。
意外に人気のなかった立て看板、やはり顔出し型がいいのかな?
出発間際の「飯田線秘境駅号」、実は特急「伊那路1号」がそのまま折り返す。
鼎(かなえ)から桜町までの看板を持った駅スタッフと一緒に写真を撮る。
半袖でも快適なほど、この日は暖かな秋晴れの日だった。
双方とも飯田線内の実在する駅だが、みどりの窓口などで特別にオーダーしないと発券されないだろう。
最後は、長野県飯田OIDE長姫高等学校の吹奏楽部の演奏に見送られての出発だ。
できれば最後まで聞いていたかったのだが、こればかりは仕方がない。(苦笑)
千代駅(秘境駅ランキング20位)
飯田を定刻13時05分に出発するはずの「飯田線秘境駅号」、23日は特急「伊那路1号」が遅れたことで、こちらも出発が数分遅れとなった。
そして、飯田を出発すると、飯田線秘境駅号みどころガイドが配られ、これから行くところがどんな駅かが紹介されている。
ちなみに、この資料で使われているランキングは牛山隆信氏の「秘境駅へ行こう!」を参考にしているようだ。
天竜峡駅で若干の乗客を乗せた後、千代駅には定刻13時25分着、時刻表には10分停車とあるが、今後もこうした停車時間の微調整で遅れを取り戻すことだろう。
参考までに、千代駅は駅名標に触ると、長生きできると噂されているそうだ。
金野駅(秘境駅ランキング6位)
千代駅のすぐ隣にある金野駅、ここは駅名標に触ると金運が上がるとささやかれているようだ。
定刻13時37分着、ここでは13分の停車時間がある。
金野駅を出発してすぐに車内でも記念撮影タイムがあったので、さっそく撮ってもらう。
意外に車内は空いていて、天竜峡を過ぎても、私の隣席は誰もいない快適さだった。
田本駅(秘境駅ランキング5位)
定刻14時04分着の田本駅、ここでは15分の停車時間がある。
駅に通じる道は2本あるそうだが、徒歩以外で駅に来ることはできないようだ。
これは「飯田線秘境駅号」ならではの構図だろう。
仮に普通列車でやるとすると、移動の間に反対方向の列車を挟める時間帯でないと不可能だ。
停車時間を利用して記念撮影タイムがある。
この日は山間部でも半袖でいられるとはラッキーだったようだ。
為栗駅(秘境駅ランキング13位)
定刻14時26分着の為栗(してぐり)駅、特急停車駅の温田(ぬくた)と平岡の中間駅が秘境駅とは意外である。
駅前は風光明媚な景色が広がり、駅に通じる吊り橋から撮る写真とともに、列車を下りて写真撮影に興じる価値はあると思う。
この絵を撮るために、列車を下りる価値がありそうだ。
「飯田線秘境駅号」なら停車時間を利用して撮れるが、普通列車の場合は、田本駅同様のテクニックが必要だろう。
最後は誰もいなくなった吊り橋、もう出発時間だよと言うスタッフの声がする。
平岡駅~お土産購入タイム
定刻14時46分着の平岡駅、天龍村で最大の駅であるため、駅前にはお土産を販売する店などがあり、華やいだ雰囲気がある。
ここで、ジュースや軽食も仕入れることができるので、忘れずに買っておこう。
なお、平岡駅からレンタサイクルで近隣の秘境駅をめぐることもできるので、これは試してみる価値がありそうだ。
伊那小沢駅(秘境駅ランキング61位)
定刻15時07分着の伊那小沢駅、何と、ここは牛山隆信氏の「秘境駅へ行こう!」に駅の詳細が紹介されていない。
なお、この駅は、信州で最も早くサクラの便りを告げる「カンザクラ」で有名な駅だそうなので、春に行ってみるといいかもしれない。
中井侍駅(秘境駅ランキング10位)
定刻15時17分着の中井侍駅、ここにはお茶農家があって、「一番茶」のみ摘まれて出荷されているそうだ。
購入は、平岡駅の売店にて、中井侍駅では残念ながら何も買うことはできない。
小和田駅(秘境駅ランキング3位)
定刻15時29分着の小和田駅、ここが上り列車が立ち寄る最後の秘境駅である。
小和田駅に飾ってあった「慶祝 花嫁号」とあるものに関しては、牛山氏のウェブページには以下のような紹介がある。
ちなみにここは、過去に皇太子殿下のお妃様である「小和田雅子様」と漢字が同じ(呼び名は異なる)駅であり、シンデレラ的幸運に肖りたいと、全国の鉄道ファンやもの好き達で列車は通勤ラッシュのように混雑した。
ふだん誰もいないはずのホーム上は多くの人々で溢れ返っただけでなく、ここで水窪町の主催でバブル時代全盛期のなか、十二単(じゅうにひとえ)の結婚式まで上げてしまうカップルもいた。
そんなブームの最中だった駅も今は何処に…?
そう、過去の喧騒はとうに忘れ、元の静寂を取り戻していたのである。
秘境駅の中では立派な駅舎は有人駅だったときの名残だろうか。
ちなみに、ここは中部3県(愛知、長野、静岡)の県境に近い駅としても有名である。
これにて「飯田線秘境駅号」の秘境駅ホッピングは終わりを告げ、あとは、一路豊橋へ向かって走る。
早起きを強いられた私は、途中停車駅の浦川(停車時間12分)でも全く目が覚めずに、気づいたら豊川近くまで行っていた。
もう間もなく飯田線の旅路も終わろうとしている。
旧友との再会@豊橋駅
豊橋駅では新幹線の乗り継ぎ時間を使って、かつて、フェイスブックコミュニティ「ラーメンを食べる会」でご一緒した友人と再会した。
腎疾患を患っている私は、飲むわけにもいかなかったので、軽い夕食を食べて雑談に興じた。
彼も1週間前に「飯田線秘境駅号」(飯田線秘境駅号みどころガイド)に乗っていたので、しばし、その話で盛り上がった。
わずか1時間足らずの会合であったが、鉄談義で有意義な時間を過ごせた。(笑)
また、どこかで再会できるといいな。
2022年10月 飯田線秘境駅号の旅のトピックス
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