アフターコロナ時代は日本でもマスクを外せるか

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日本地図とビジネスマン

コロナ禍が世界中にまん延して足掛け2年が経とうとしているが、未だに収束の兆しが見えてこない。

マスクの着用をしなければならない局面も多く、先月の関西旅行のときに乗った飛行機も、当然のようにそうだったので、マスクが嫌いな私にとっては、鬱陶しくて仕方がなかった。

ところで、2020年8月11日付の共同通信にあるように「マスクは『皆が着けているから』 日本人、『感染防止』関係なし」なので、多くの日本人はマスクを外したいと思っているのだろうが、いつになったらそうなるのか考察してみた。

アフターコロナ時代に世界でマスクをする人~真の病人、犯罪者、日本人

驚く外国人男性

アフターコロナ時代に世界でマスクをする人~真の病人、犯罪者、日本人。

最初から身も蓋もない結論を申し上げたが、この予測は紛れもない事実となるだろう。

コロナ禍前は、マスクをしている人は、真の病人というのが世界中の常識だった。
また、犯罪者は顔を見られたくないからマスクをする。
そして、私に言わせれば、世界中で強制もされていないのに、自主的にマスクを付けたがるのは日本人だけだ。

私がそれを驚異に感じたのは、2009年ゴールデンウイークのアメリカ・メキシコ旅行の帰途、ロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport)で見た光景だった。
当時はメキシコ発の豚インフルエンザ(swine flu)が猛威を振るっていたときだが、日本人以外でマスクを付けている乗客はほぼ皆無だった。

アフターコロナ時代になったら、2009年の光景が全国で繰り広げられることだろう。
なぜならば、現在の医学では、コロナ禍は収束(ある一定の状態に落ち着く)することはあっても、終息(完全に終わる)することはないからだ。

実際にその兆候はある。
私が入ったカフェで、お一人様の席で、外国人はノートーク(会話なし)のシチュエーションなのでノーマスク、日本人はノートークでもマスク着用、なぜマスクが必要かを意識させられる場面だ。

それにも増して、象徴的なのは野球観戦の光景だ。
メジャーリーグの試合では、ワクチン接種の普及に伴って、コロナ禍前の状態になっているのに対し、日本の高校野球では、ワクチン接種の有無に関係なく、酷暑の屋外で、しかも密の状態でないにも関わらず、全員がマスクを着用させられていた。

新型コロナウイルスの感染者数だけを取り上げれば、アメリカの方がはるかに多いにも関わらずだ。
従って、私は何度でも言う。
アフターコロナ時代に世界でマスクをする人~真の病人、犯罪者、日本人。

WHOが新型コロナ対策でマスク着用を推奨

外国人ビジネスマン

私は常々不思議に思っていることがあった。

繰り返して言うが、コロナ禍前は、マスクをしている人は、真の病人というのが世界中の常識だった。
それゆえ、健康な日本人がマスクを率先してしていることを奇異に感じる外国人も多かったはずだ。

それが世界中でマスク着用が推奨され、国によっては法によって、外出時の着用が強制されるようになったのはなぜかということだ。

そこで、いろいろ調べた結果、2020年6月5日付で世界保健機関(WHO)が、「WHO Director-General’s opening remarks at the media briefing on COVID-19」というテドロス事務局長のメッセージを流しており、6月6日付のBBC Japanは「WHO、マスク指針を大転換 密接場面での着用を推奨(原文:Coronavirus: WHO advises to wear masks in public areas)」として、

Dr Maria Van Kerkhove, the WHO’s technical lead expert on Covid-19, told Reuters news agency the recommendation was for people to wear a “fabric mask – that is, a non-medical mask”.

「各国政府に対し、一般市民のマスク着用を奨励するよう助言する」と、WHOの疫学者でCOVID-19(新型ウイルスの感染症)対応を率いるマリア・ファン・ケルクホーフェ博士は述べた。

The WHO had previously argued there was not enough evidence to say that healthy people should wear masks.

WHOは以前、健康な人がマスクを着用すべきだと判断するには十分な証拠はないと主張していた。

と書かれていた。
これによって、各国政府は新型コロナ対策としてのマスク着用推奨、あるいは法的義務に舵を切ったと言えよう。

そして、世界保健機関(WHO)のウェブサイトに「Coronavirus disease (COVID-19) advice for the public: When and how to use masks(公衆のための新型コロナウイルス感染症対策~いつどうやってマスクを使うか)」と掲載され、マスク着用が新型コロナ対策に効果的であると思わせるメッセージを伝播するに至っている。

もちろん、日本政府がこれに従うのは疑いの余地がなく、マスコミは夏の間も熱中症のリスクを啓蒙することなく、嬉々として「マスク!マスク!」(感染対策をしっかりしているか)と報じている。
彼らの論調からすると、マスクさえしていれば感染が防げると誤認する人も増えるだろう。

一方、「さらば厚労省-それでもあなたは役人に生命を預けますか?」の著者、医師の村重直子氏をもって、厚生労働省の医系技官はペーパードクターと揶揄されるに至っては、彼らが先頭に立って、実務に即した反論をすることなど期待すべくもないだろう。(2010年9月24日 東洋経済-医系技官の存在が国民を不幸にしている–『さらば厚労省』を書いた村重直子氏(医師)に聞く

スウェーデンのテグネル博士のウィズコロナ戦略~コロナは新たな一般疾病

パソコンを見ながらスマホを操作する女性

2021年9月14日放映の報道ステーション(テレビ朝日系列)で、スウェーデンの政府疫学責任者のテグネル博士(Nils Anders Tegnell)のことが取り上げられていた。

彼は、多くの欧州諸国がロックダウンする中でもそういったことをせず、また、マスク着用も義務化することをしなかった。(2020年11月3日 毎日新聞-新型コロナ 「マスクの着用は解決にならない」 スウェーデンの疫学者会見 2021年5月3日 日経新聞-「半分開けた」ロックダウン スウェーデンの投じた一石 Financial Times on 11 Sep 2020 – Anders Tegnell and the Swedish Covid experiment

そして、今、「コロナは新たな一般疾病」「もう規制では止められない」と話していたのが象徴的だった。
つまり、スウェーデンでは新型コロナウイルスは感染することもあり得る病であると位置づけ、経済活動も完全に正常化していく方針であるようだ。(Time on 14 Oct 2020 – Why the Swedish Model for Fighting COVID-19 Is a Disaster

それが良いか悪いかの議論は置いても、日本ではいつそうなることだろうか。
8月20日付の共同通信が報じたように「知事会、ロックダウンの検討要求」をしているようでは、まだまだ遠いと言わざるを得ないだろう。

少なくとも「尾身茂会長、新型コロナとの戦いに『2~3年プラスかかるのではないか』」とのこと、私が還暦を迎えてもダメなのではと絶望的な気分になる。

そもそも医療崩壊だと叫んでいる東京都医師会、一方で「東京都医師会幹部らの病院でコロナ病床の56%は空床 直撃に『不適切な補助金は返還したい』」(2021年9月11日 AERA)などと報じられているようでは世も末である。

新型コロナ 「マスクの着用は解決にならない」 スウェーデンの疫学者会見(2020年11月3日 毎日新聞

行動規制を最小限に抑えるなど、独自の新型コロナウイルス対策を指揮するスウェーデンの疫学者、アンデシュ・テグネル氏とペールエリック・ヘーグベリ駐日大使が2日、日本記者クラブで記者会見した。

オンラインで参加したテグネル氏は、同国がマスクの着用を推奨していないことなどについて「欧州では義務化の動きがあるが、感染が広がっている」と指摘し、「マスクの着用は問題の解決にならない」と強調した。

スウェーデン政府は感染が拡大した3月以降、50人以上の集まりを禁止したほか、70歳以上の高齢者に一時自宅待機を要請。だが、小・中学校は授業を中止せず、飲食店も営業を続けている。

米ジョンズ・ホプキンズ大によると、スウェーデンの感染者は今月2日時点で12万人超、死者は約6000人。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、人口10万人当たりの感染者、死者は欧州主要国に比べると低い。
テグネル氏は、感染者の追跡調査や感染予防策の強化などで「効果的な対応ができている」と強調した。

スウェーデンの手法は、人口の一定程度が感染して免疫をつけ、感染拡大の収束を狙う「集団免疫」を目的にしていると指摘される。
だが、テグネル氏は「ワクチンがないまま集団免疫を獲得することは無理」と否定した。

最後に

頭を抱えるビジネスマン

私が9月9日付で「日本は自粛もマスクも緊急事態宣言も永遠にやるのか」と書いたように、日本の新型コロナウイルス対策は、袋小路に入ってしまったようだ。

この中で自粛や緊急事態宣言は、ワクチン接種の普及に伴って緩和の目途が立ってくると思われるが、マスク着用要請の解除だけは日々の報道を見ても、著しく困難というか夢物語に思える。
4月25日付で「緊急事態宣言より我慢ならない『マスク圧力』について今こそ言ってやりたいこと」と書いた中川淳一郎氏の怒りも当分は収まることがないだろう。

何しろ、飲食店に対する禁酒令(酒類提供禁止の要請)と、国民に対するマスク着用の要請は、日本政府のやったふりコロナ対策の二本柱だ。
多くの人が酷暑の屋外でもマスクをしていることに為政者やマスコミは満足しているに違いない。

政府(お上)が言っていることに何の疑問も抱かずに従うように教育された人たちにとって、さらに雲上人である国際機関が「マスクをしろ」と言っている限り、それは永遠に続くと思う。
コロナ特効薬でもできない限り・・・

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