【2021年4月版】eBay輸出転売は国際発送引き受け規制に注意

私は、2021年3月7日付で「eBayでの輸出転売再開へ」というコラムを書いたとき、出品ページの復活と商品の仕入れに注力していたために、すっかり忘れていたことがあった。

それは、コロナ禍のまん延で、各国・地域宛の航空便の減便等が継続していることから、日本郵便が公表している「国・地域別の差出可否」一覧だった。
入院と、それに引き続くリハビリで、2020年は全く転売ビジネスをやっていなかったので、コロナ禍の元では、商品が売れても、現物が国際発送できない恐れがあることを失念したのだ。

仕入れから速攻で売れて嬉しいはずが米国宛の発送に思わぬ壁が

eBayでの決済手段は、原則として、PayPalを利用することになっているため、21日間の支払代金保留の対象者から脱するためには、できるだけ多くの商品が早く売れるに越したことはない。

ところが、コロナ禍前であれば何の問題もなかった国際郵便が、2021年4月の時点でも、国際航空便の減便などが継続しているため、国際貨物の引き受け規制が継続し、国や地域によっては、別の方法を模索しなければならなくなっている。

そして、私の出品している商品が速攻で売れたのは嬉しかったのだが、バイヤーが米国在住者だったので、モロにこれに引っかかったのだ。

私が日本郵便が公表している「アメリカ合衆国（米国）等宛て国際郵便物の引受可否」を見たとき、マジかと思った。
米国(United States of America)、オーストラリア(Australia)、カナダ(Canada)は、eBayの買い手が多い主要発送先ではないか。

米国宛の発送に、日本郵便を使うなら、書留（追跡番号/Tracking Number）なしの小型包装物で送るか、船便で送るかしかない。
しかしながら、目先のお金を節約するより、バイヤーの信頼を得る方が重要だと考えた私は、別の方法を模索することにした。

クロネコヤマトの国際宅急便を使う

2021年3月の時点で、国際郵便が米国宛の発送に使えないことがわかった私は、eBay Japan公式ページに掲載されていた2020年春期セラーアップデート「配送に関するアップデート」を読んで、FedEx宅配便(FedEx Home Delivery)が使えるか確認してみた。

しかしながら、私の商品を配送するには、割引が適用されたとしても、あまりにも高すぎる値段だった。
参考までに、DHLでも配送料金を調べてみたが、私にとっては同じ結論だった。

私が今までに出品した商品は、国際間の送料を無料（出品者負担　International shipping: cost $0.00）に設定しているので、高額のクーリエを使うわけにはいかなかったのだ。

そこで、次善の策として浮上したのが、クロネコヤマトの国際宅急便と、ECMS Expressだった。
米国宛の料金は後者の方が安かったのだが、アカウントを作った後で発送しようとしたら、なぜか、ウェブサイトがフリーズして動かないので、時間に余裕がなかったので諦めることにした。

クロネコヤマトのアメリカ合衆国宛配送料金は、日本郵便のEMSや、国際eパケットに比べると、割高だが、今回はそのようなことを言ってはいられなかった。

クロネコヤマトの国際宅急便は、紙の書類のみを送る「書類パック」を除いては、インボイス付きの送り状が必要なので、今回は時間がなかったこともあり、営業所に直接荷物を持ち込んで配送してもらうことにした。

このとき、国際郵便の際の国際郵便の危険物申告書と同様に、クロネコヤマトの国際宅急便も「国際宅急便開披検査のお願い」という書類にサインをして送るのだが、店頭発送でなく集荷の場合は忘れることがあるので注意しよう。

そして、「日本発米国向け『国際宅急便』の米国内でのお取り扱いについて」にあるように、日本での発送はヤマト運輸が、米国内はUPSが輸入通関や配送などをやっていると書かれている。

なお、eBayでバイヤーの連絡先のうち、電話番号やメールアドレス（売却から14日間だけ表示）は、Seller Hub（セラーハブ）のAll orders（すべての注文）から、Order details（注文の詳細）の下にある番号をクリックすると見ることができる。

ここで「詳細」をクリックすると、

送信しようとしている情報は保護されません
このフォームは安全ではない接続を使用して送信されているため、情報が他人に読み取られる可能性があります。

というメッセージが出ることがあるが、「そのまま送信」をして問題はない。

ちなみに、eBayのTracking Numberの欄は、Yamato Japanを選択することができるので、発送時点ではクロネコヤマトの伝票番号を入れ、通関が終了した時点で、UPSの追跡番号を追加して入れることになる。

参考までに、UPSのTracking Record（日本語はこちら）の欄に、上述の25桁の追跡番号を入れると、およその到着予定日時がわかるようになっている。

eBayのExclude shipping locations（発送除外国）の更新

クロネコヤマトの国際宅急便を使うにあたって注意しないといけないのは、発送者か受取人のいずれかが個人の場合は、配送を引き受けてくれない国があることだ。
もちろん、それらの国に対する国際郵便の引き受けがされていれば、何の問題もないのだが、どちらもダメな場合がいくつかある。

個々の商品についての発送除外国の設定方法

国際配送が困難な国については、あらかじめeBayのExclude shipping locations（発送除外国）に加えておかないと、商品が売れてから、お詫びと返金作業に追われたり、高額なクーリエを使って送ることになるため、必ず設定しておくようにしよう。

設定方法は、eBayのSeller Hub（セラーハブ）にあるManage active listings（出品リスト管理）からActions（行動）のEdit（編集）を選択、Revise your listing（リストの修正）の画面が出たら、下の方へスクロール、Exclude shipping locations（発送除外国）の項目で、Edit list（リスト編集）をクリックする。

Edit exclude shipping locations（発送除外国の編集）ダイアログボックスが表示されたら、Select the regions or countries you don’t ship to（貴方が発送しない国や地域を選択）から、それぞれの地域のShow all countries（すべての国を見る）をクリックすると、個別の国を指定することができる。

参考までに、Africa（アフリカ）と、South America（南米）は、元々郵便事情が良好でないため、私は平時より発送を除外している。

Asia（アジア）

クロネコヤマトのアジア諸国宛の国際宅急便で、個人間取引の荷物を送れない国として、中国(China)、インド(India)、モンゴル(Mongolia)、そして、フィリピン(Philippines)があるが、日本郵便でもインド(India)とモンゴル(Mongolia)宛の荷物は、引き受けに制約があるため、インド(India)とモンゴル(Mongolia)を発送国から除外するのが適切かと思われる。

もちろん、ほかの手段で送ることができるのであれば、インド(India)とモンゴル(Mongolia)をあえて除外する必要はなく、中国(China)とフィリピン(Philippines)宛の国際郵便は、航空便が正常化されているので、発送に関しては大丈夫かと思われる。

Europe（ヨーロッパ）

クロネコヤマトのヨーロッパ諸国宛の国際宅急便で、個人間取引の荷物を送れない国として、ポルトガル(Portugal)とロシア(Russian Federation)があるが、日本郵便でもロシア(Russian Federation)宛の荷物は、引き受けに制約があるため、ロシア(Russian Federation)を発送国から除外するのが適切かと思われる。

もちろん、ほかの手段で送ることができるのであれば、ロシア(Russian Federation)をあえて除外する必要はなく、ポルトガル(Portugal)宛の国際郵便は、航空便が正常化されているので、発送に関しては大丈夫かと思われる。

Middle East（中近東）

クロネコヤマトの中近東諸国宛の国際宅急便で、個人間取引の荷物を送れない国として、カタール(Qatar)とサウジアラビア(Saudi Arabia)があるが、日本郵便でもサウジアラビア(Saudi Arabia)宛の荷物は、引き受けに制約があるため、サウジアラビア(Saudi Arabia)を発送国から除外するのが適切かと思われる。

もちろん、ほかの手段で送ることができるのであれば、サウジアラビア(Saudi Arabia)をあえて除外する必要はなく、カタール(Qatar)宛の国際郵便は、航空便が正常化されているので、発送に関しては大丈夫かと思われる。

North America（北米)

クロネコヤマトの北米諸国宛の国際宅急便で、個人間取引の荷物を送れない国として、カナダ(Canada)とメキシコ(Mexico)があるが、日本郵便でもカナダ(Canada)宛の荷物は、引き受けに制約があるため、カナダ(Canada)を発送国から除外するのが適切かと思われる。

もちろん、ほかの手段で送ることができるのであれば、カナダ(Canada)をあえて除外する必要はなく、メキシコ(Mexico)宛の国際郵便は、航空便が正常化されているので、発送に関しては大丈夫かと思われる。

発送除外国の一括更新の方法

さて、これまでは個々の商品について発送除外国を設定するやり方を説明したが、当然のことながら50個も100個も出品している人が、それを一つ一つ更新するのは大変なことだ。
そこで、今回のようなケースは、一括して更新できた方が効率的だし、間違いも少ない。

やり方は、My eBayからAccountを選択、Selling（販売）の中のShipping preferences（出荷方法）をクリックする。
そこの選択肢の中に、Exclude shipping locations（発送除外国）があるので、それを編集するといい。

ここで設定されるリストは、原則として

Your selections will apply to all of your future listings. However, you can edit your excluded shipping locations for specific items when you list them.
貴方の選択は今後出品されるものに適用されます。但し、特定の商品について、それらを出品するときに、発送除外国を個別に編集できます。

とあるので、これを設定した後に出品するものについては、特に編集し直さない限り、発送除外国が自動的に設定される。
さらに、Also apply to current listings（現在の出品リストにも適用）にチェックを入れることにより、過去のものも含めて、一括で発送除外国が設定されることになる。

なお、この変更を加えたときの注意書きを同じ画面で見ることができる。

When you apply your shipping exclusions, we’ll block buyers whose primary shipping address is in a location you don’t ship to. You can change this setting in the buyer requirements section of your selling preferences. These exclusions will be used as the default for all of your future listings, and you can make listing-specific changes to them at the time of listing.

貴方が発送除外国を設定したとき、当社は貴方が発送しないとした国に住所があるバイヤーをブロックします。
この設定は、販売設定の購入者要件セクションで変更できます。
これらの除外国設定は、今後のすべての出品リストの既定として使用され、特定の商品の出品時に、個別に変更を加えることができます。

Your exclusion preferences have been updated.（貴方の出荷方法は更新されました）というメッセージが出れば完了である。

最後に

eBayのセラーにとって生命線とも言える国際宅配便、これがコロナ禍による航空便の減便等の煽りを受けて、制約を受けることもある中で、eBay Japanから「FedExウェルカムキャンペーン」の案内が送られてきた。

当面の間、日本郵便が使いづらいことが想定される中、アカウントの登録だけでもしておこうかと思う。
eBayの輸出転売を再開して1カ月、そろそろeBay販売サポートにも申し込みをしてみるかな～