コロナ禍の中での大納会、やらぬが正解だった川合式デイトレード

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タブレットを持つビジネスマン

このコラムは、12月29日掲載したものを30日のトレード結果などを踏まえて更新致しました。

12月の最終週といえば、例年であれば、年末年始休暇の季節なのだが、今年は海外旅行どころか、国内の移動(帰省や旅行)も自粛ムード満点の状態、それ故か、自宅に引きこもりの個人投資家が、機関投資家に便乗して、こぞって買いに走ったのか、29日の日経平均株価は714.12円高の27,568.15円で引けた。

日経平均30年超ぶり高値、米法案成立でリスク選好-700円超える上昇」と報じたブルームバーグなどの経済メディアによれば、これは、1990年(平成2年)8月以来の高値水準だそうだ。
おお、この年は私が、大学卒業後に勤めた会社を辞め、転職した年ではないか。

居合抜き1分トレード

ノートパソコンとタブレット

エクセルを使った候補銘柄抽出

さて、コロナ禍に加えて、大寒波の襲来予報では、家に引きこもるのが最適な状況なのだが、29日の日経平均株価の急騰を受けて、大納会(30日)の「居合抜き1分トレード」がどうなるか検証してみたいと思う。

「居合抜き1分トレード」というのは、前営業日の東証1部の値上がり上位銘柄から抽出した20~30銘柄のうち、9時の寄り付きから上がりそうな(場合によっては下がりそうな)銘柄を選定して、0.5~1%の利益を確保しようというものだ。

基本的には、前夜のうちに株探の株価注意報(2022年4月1日より)から抽出した値上がり率上位200銘柄を、当日の8時半以降の気配値を見ながら選定することになる。

川合さんは、この際に、気配値が、前日の終値から2.5%以上乖離した銘柄を避けること、また、寄り付き後も9時2分30秒まで待って、寄り付かない銘柄は注文を取り消した方がいいと言っている。
理由は、いずれも寄り付き後に逆行する可能性が高くなることだ。

抽出条件

  1. 株価が400円(100株で4万円)以上、5,000円(100株で50万円)以下
  2. 出来高が100万株以上
  3. 売買高(株価×出来高)が10億円以上

川合式「居合抜き1分トレード」用のデータ抽出マニュアル及びひな形

トレーディングの基本は、寄り付きの成行買い(又は売り)で、1%(川合さんの推奨は0.5%)で利確、-2%で損切りとする。

2020年12月30日(大納会)の売買候補銘柄

パソコンを操作する女性

12月29日のNYダウは、30,335.67ドルと、28日の終値に比べてマイナス68.3ドル、ナスダック総合指数は、12,850.221ポイントと、28日の終値に比べてマイナス49.202ポイントで、双方ともマイナスで引けた。
一方、29日の日経平均先物夜間取引の終値は、27,500円と前日比マイナス70円で終わった。

12月29日の値上がり銘柄

まずは、12月29日の引け後に抽出した値上がり上位銘柄が、30日に、29日(前営業日)の終値よりも高値で寄り付くか、安値で寄り付くかで、どのような動きをしたか検証しよう。

正直言って、これだけ逆行銘柄(ピンクの背景色)が出た日も珍しいのではないかと思う。
それだけ寄り付きにかけて利確売りが嵩んだということだろうか。
仮に、利確水準を0.5%(川合さんの推奨)にしていれば、利確できた可能性のある銘柄は多少増えるが、29日の値上がり銘柄に関しては、30日の「居合抜き1分トレード」候補としないが正解だったかもしれない。

とりあえず、下表における12月30日の始値と、高値又は安値に背景色があるものの説明は以下のとおり。

  • ゴールドの背景色があるものは、12月29日(前営業日)の終値より高値で寄り付いているもので、買い(ロングポジション)で入れば、1%の利益(川合さんの推奨は0.5%)が取れた可能性のあるもの。
  • 黄色の背景色があるものは、12月29日(前営業日)の終値より安値で寄り付いているもので、売り(ショートポジション)で入れば、1%の利益(川合さんの推奨は0.5%)が取れた可能性のあるもの。
  • ピンクの背景色があるものは、12月29日(前営業日)の終値より高値で寄り付いているため、仮に、買い(ロングポジション)で入っていれば、-2%の損切りラインに達していた可能性のあるもの。
    逆に、安値で寄り付いているもので、仮に、売り(ショートポジション)で入っていれば、-2%の損切りラインに達していた可能性のあるもの。

なお、これらの銘柄情報につき、2019年11月4日付で「楽天証券マーケットスピード2を使った注目銘柄一括登録の方法」を掲載しているので参考になれば幸いである。

【2020年12月29日抽出 東証1部値上がり上位銘柄】(銘柄コードと会社名がピーチの背景色のものは「居合抜きツール」でも抽出済)

それぞれの銘柄の四本値は、Kabu Begin!のExcel株価取得を使って抽出した。

銘柄コード 会社名 12/29終値 12/30始値 高値 安値 終値
3150 グリムス 2,283 2,233 2,290 2,231 2,244
4506 大日本住友製薬 1,506 1,526 1,535 1,460 1,523
4568 第一三共 3,592 3,547 3,588 3,524 3,535
4666 パーク24 1,778 1,799 1,804 1,760 1,791
4755 楽天 1,007 999 1,002 989 994
6070 キャリアリンク 2,327 2,345 2,385 2,170 2,242
6098 リクルートHD 4,366 4,398 4,399 4,288 4,321
6113 アマダ 1,139 1,130 1,136 1,122 1,133
6619 ダブル・スコープ 958 943 956 907 940
6753 シャープ 1,558 1,558 1,579 1,547 1,564
6952 カシオ計算機 1,902 1,904 1,908 1,886 1,886
7011 三菱重工業 3,194 3,192 3,194 3,128 3,156
7013 IHI 2,047 2,048 2,060 2,007 2,047
7545 西松屋チェーン 1,452 1,429 1,485 1,423 1,481
8233 高島屋 877 886 894 876 885
8267 イオン 3,418 3,394 3,418 3,382 3,385
9024 西武HD 1,019 1,016 1,020 999 1,011
9201 日本航空 1,938 1,971 2,012 1,941 1,995
9202 ANA 2,250 2,280 2,292 2,230 2,277
9613 NTTデータ 1,417 1,420 1,437 1,406 1,411

12月29日の値下がり銘柄

次は、12月29日の引け後に抽出した値下がり上位銘柄が、30日に、29日(前営業日)の終値よりも安値で寄り付くか、高値で寄り付くかで、どのような動きをしたか検証しよう。

こちらは、29日の爆上げ相場の中にあって、下落した銘柄群だけに、30日も素直に下げたものが多かったように思う。
「居合抜き1分トレード」をやるなら、こちらから選ぶべきだったと言っても、後悔先に立たずである。

【2020年12月29日抽出 東証1部値下がり上位銘柄】(銘柄コードと会社名がアクアの背景色のものは「居合抜きツール」でも抽出済)

それぞれの銘柄の四本値は、Kabu Begin!のExcel株価取得を使って抽出した。

銘柄コード 会社名 12/29終値 12/30始値 高値 安値 終値
1605 国際石油開発帝石 562 559 560 552 556
2914 JT 2,090 2,083 2,125 2,078 2,102
3050 DCM HD 1,161 1,170 1,189 1,152 1,179
3197 すかいらーくHD 1,571 1,575 1,611 1,565 1,597
3673 ブロードリーフ 660 666 689 661 682
3962 チェンジ 3,620 3,620 3,625 3,505 3,525
5110 住友ゴム工業 900 895 895 886 887
5486 日立金属 1,572 1,576 1,580 1,551 1,566
7004 日立造船 578 574 576 555 570
7205 日野自動車 896 884 886 871 879
8473 SBI HD 2,444 2,460 2,464 2,383 2,447
9514 エフオン 1,259 1,258 1,287 1,215 1,244
9517 イーレックス 2,076 2,077 2,143 2,007 2,078

12月30日の私の「居合抜き1分トレード」の結果

2020年12月30日 デイトレード結果

12月30日の寄り付きから5分ほどは、「12月11日の川合式デイトレード~どん底からの大逆転」のリプレーを見ているような気分だった。

ただ、この日はMonotaRO(銘柄コード:3064)の空売りをしようとして、頭をよぎったのが、このときの失敗トレードで、代わりに候補に選んだのが、寄り付きにかけて買い気配が伸びてきたパーク24(コード:4666)の買いトレードだった。

2020年12月30日 パーク24(4666)のチャート

結果はご覧のとおり、寄り付きから一気に急落して、何もしなければマイナス2%の損切だったところを1%に抑えたのだけが救いという状況だった。
日経平均株価が爆上げの翌日、しかも大納会ということで、利確売りが出やすかったということならば、素直に売りで入れる銘柄を選ぶべきだったと言うべきだろうか。

2020年12月30日 MonotaRO(3064)のチャート

一方で、当初に空売りしようと思っていたMonotaRO(銘柄コード:3064)は、どうだったかというと、何の問題もなく利確できていたというわけだ。

2020年12月30日 かんぽ生命保険(7181)のチャート

そして、「居合抜き1分トレード」で仕掛けた空売り銘柄のかんぽ生命保険(コード:7181)が逆行高を演じ始めたとき、私は自分の下手くそぶりに呆れてしまった。
そもそも、この銘柄の日足チャートは売りをすべきではない形状なのに、過去に儲けた残像が頭に残っていたことが敗因の一つだった。

新興市場株のトレード

パソコンを見ながらスマホを操作する女性

新興市場銘柄トレード適格基準 前日出来高比 前日5MA差異 日足形状
急騰傍受ツール(買い推奨) 10倍以上 概ね6%以内 上昇基調であること
マザーズ1%ツール(空売り推奨) 概ね7倍以内 10%以上 特に問わない

12月11日は、「居合抜き1分トレード」の損失を新興市場株のトレードでカバーできたのだが、柳の下の二匹目のドジョウを狙うことはできなかったようだ。

2020年12月30日 スタメン(4019)のチャート

今回のトレードは、スタメン(コード:4019)という2020年12月15日に東証マザーズ市場に上場したばかりのベンチャー企業が対象だ。
この銘柄に関して、30日は急騰シグナル(買い推奨)と、マザーズ1%シグナル(空売り推奨)が乱舞していた。

2020年12月30日 急騰傍受ツール(買い推奨)

通常なら、見送りが相当なのだが、9時29分に1,617円で出たマザーズ1%のシグナル4(前日出来高比 10.38倍 前日5MA差異 5.5%)と、9時30分に1,617円で出た急騰シグナル(前日出来高比 11.72倍 前日5MA差異 7.3%)とダブルで出た後に、下落を始めたので、しばらく待ってから、買いを入れてみようと思った。

2020年12月30日 マザーズ1%ツール銘柄(空売り推奨)

前日5MA差異が小さいので、それほど下落もきつくないだろうと踏んだからだ。

ところが、買いのタイミングが早すぎたのと、逆指値が浅すぎて、あっさりと損切の憂き目に遭い、後場は全くトレードをする気をなくして(川合さんも損を取り戻すためのトレードを、後場でやるのはやめた方がいいとアドバイスしている)、大引け後にチャートを見たら唖然とする結末になっていた。

この日は、万事がこの調子だったので、1万円の損失で済んだことは救いだったと考えたい。
最後に、今年1年間、弊サイトをご愛顧いただいた皆様へ御礼申し上げるとともに、この数か月、ブログで繋がった皆様、良いお年をお迎えください。

なお、川合式デイトレード(トリプルメソッド)に興味を持たれた方は、是非とも無料メールマガジンに登録して情報収集されるといいと思う。

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