去る12月5日は杉本武寛さんが主宰するお金の勉強会、6月6日の「コロナ後に光る銘柄の探し方」に引き続いて、元証券アナリストのおせちーずさんによるズームウェビナーだった。
今回は「株式投資家のためのM&A勉強会」ということだったが、私が興味を惹かれたのは、M&A報道に対して彼女がやることだった。
果たしてどんなことをするのだろうか。
おせちーずさんがM&A報道に対して確認すること
彼女は、さすがに元証券アナリストだけあって、いろいろなことを調べておられるようだ。
セミナーで提供された資料から抜粋してみると、
- 誰がどこをいくらでどれだけ買うの?
- 買う金額は、被買収企業の純資産より大きい、小さい?
- 被買収企業の財務状況
- 目的を達成するために必要な資金はいくら?
- EBITDA(earngs before interest, tax, depreciation, and amortization)倍率何倍?
- 株主構成
- 被買収企業は上場を維持するのか?
- 株価指数採用銘柄か?
上場廃止される銘柄が株価指数採用銘柄だった場合
私が興味を持ったのは、おせちーずさんが挙げた最後の「株価指数採用銘柄か?」という点だった。
彼女は、最近の実例をもって説明してくれたのだが、その中で私自身のひらめきがあったのだ。
最近の事例に見る日経平均臨時入れ替え銘柄
それは、2020年12月2日から日経平均株価の構成銘柄に、NTTドコモに代わって採用されたシャープ(コード:6753)が、私が参加している「日利1.5%トレーダー川合一啓の『株式トレード攻略』」の「居合抜き1分トレード」の候補に頻出するようになって、しばらくしたらビッグニュースになったからだ。(2020年11月18日 株探-日経平均臨時入れ替えを発表、シャープを新規採用、NTTドコモに代わり)
もちろん、シャープだけではない。
10月29日付で、ファミリーマートに代わって日経平均に採用されたネクソン(コード:3659)は、「居合抜き1分トレード」の常設候補銘柄だ。(2020年10月22日 株探-日経平均臨時入れ替えを発表、ネクソンを新規採用、ファミマに代わり)
さらに、7月29日付で、ソニーフィナンシャルホールディングスに代わって日経平均に採用された日本取引所グループ(コード:8697)も、川合さんの居合抜きツール頻出だった記憶がある。(2020年7月15日 株探-日経平均臨時入れ替えを発表、日本取引所を新規採用、ソニーFHに代わり)
出来高急増銘柄に注意
ここで触れている「居合抜き1分トレード」というのは、7月27日付で掲載した「コロナリストラに備えて川合式デイトレードを学ぼう」にあるように、前夜にトレード候補として抽出された東証1部銘柄に関して、9時の寄り付き前の気配値を見て、寄り付きの成り行き売買で勝負する手法で、約定価格の0.5%から1%で利確、マイナス2%で損切というルールを持って行うデイトレードである。
その銘柄抽出の要諦は、概ね日次の出来高が100万株を超えるもの、つまり、出来高急増銘柄は、どの銘柄が日経平均に採用されるかというのを推測する物差しになるのではないかと思うのだ。
そして、おせちーずさんは、日経平均の構成銘柄がM&Aなどで外された場合、それと同じセクター(日経業種分類の36業種を、「技術」「金融」「消費」「素材」「資本財・その他」「運輸・公共」の6つのセクターに集約)から採用されると言う。
ちなみに、三井不動産(コード:8801)に友好的TOBをかけられている東京ドーム(コード:9681)は日経平均の構成銘柄でないので、上場が廃止になっても、銘柄の入れ替えは生じない。(2020年11月27日 ブルームバーグ-三井不が東京ドームにTOB、総額1205億円で完全子会社化を正式発表)
今後は、TOBやM&Aのニュースが流れたときは、こうした視点を持っているといいかもしれない。
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