株のトレーディングの限ったことではないが、当初は「買い」で行けると判断したものが、時間の経過とともに反落していくことが良くある。
こんなときどうするか。
特に、株のデイトレードの場合は、手数料がかからない代わりに、当日決済が条件になっている「いちにち信用取引(楽天証券の場合の呼称)」を使っていることも多く、喫緊の課題となる。
川合式応用トレード
去る4月28日付の「日利1.5%トレーダー川合一啓の『株式トレード攻略』」のスクール生向けQ&Aで、川合さんが「居合抜き1分トレード」の応用編として提示したのは、寄り付きからの数分間で急落した銘柄の損切と、同銘柄の押し目買いに対処するやり方だった。
これは、デイトレードに慣れ、「居合抜き1分トレード」で、ある程度勝ちを見込むことができる人向けと説明されていた。
「居合抜き1分トレ-ド」というのは、7月27日付で掲載した「コロナリストラに備えて川合式デイトレードを学ぼう」にあるように、前夜にトレード候補として抽出された東証1部銘柄に関して、9時の寄り付き前の気配値を見て、寄り付きの成り行き売買で勝負する手法で、約定価格の0.5%から1%で利確、マイナス2%で損切というルールを持って行うデイトレードである。
つまり、基本的に「買い」で行けるはずの銘柄が、突如とした利確売りの急増で、寄り付きから数分間で急落することがあるが、それをトレードルールに則って、マイナス2%ラインで損切するが、こういった銘柄は、すぐに急転反騰する可能性が高いので、押し目買いを狙うというトレード手法だ。
具体的には、下記の条件で急落した銘柄の反転上昇したタイミングを見計らって、押し目買いを入れるという。
- 寄り付き前の気配値は悪くない。
- 日足も悪くないが、直近に抵抗ラインはあり。
- 寄付き後の1分間での下げ足が早すぎる。
そして、思惑に反して上昇が続かなかった場合に備え、損切は前日の安値更新(日足の5日移動平均線の位置)にすると説明されていた。
確かに、私の経験でも日本市場が上げ基調で、トレードした銘柄の日足も上げ基調であれば、寄り付き(買値)のマイナス2%を切っても、切り返して上げることもあったが、川合さんがマイナス2%損切ルールを定めているのも理があると思えるのは、そこまで達した銘柄の株価が、同日中に戻ってプラスに転換することが確率的に低いからだ。
ロングを1%で損切し、ドテン(stop and reverse)してみた
8月17日付のQ&A動画で、川合さんが
居合抜き1分トレードなどで、前場で利確、損切どちらも届かなければ、前場の引けで決済をお勧めします。
理由としては、後場は相場が新規一転しますので、前場での判断材料が崩れることがよくあります。
と言っていたが、10月16日の日経平均株価は、まさに彼の言葉を地で行くような展開だった。
おそらくは、日足がレンジ相場から脱出できない状態で、前場の上げに勢いがなかったために、後場で崩れたと思われるが、この地合いに東証1部銘柄の多くは引きずられやすい。
「居合抜き1分トレード」の「約定価格の0.5%から1%で利確、マイナス2%で損切」というルールは、文字通り寄り付きから数分間で勝負するためのものだが、当然のことながら、すべてのトレードが数分間で決済できるとは限らない。
10月16日に「買い」でトレードしたSUMCO(コード: 3436)のように、0.5%(1,619円)の利確すら覚束ないうちにダラダラと下げてしまうときもある。
利確売りが殺到したときなど、最初の数分で下げたときは、地合いが良ければ戻りも早いが、この日は戻るどころか、前場で1%下落ライン(1,594円)に二度達してしまった。
二度目は機械的な損切を入れて決済した私は、後場も下げるだろうと予想して、「売り」を仕掛けることにした。
実は、これは結構リスクもあって、往復ビンタ(買いで損失、売りでも損失)を食らうことがあるので、よほど自信があるときでないと、ヤバイときも多いのだが、今回は見立て通り決済できた。
「居合抜き1分トレード」は、超ド級の短期勝負、寄り付きからダラダラと逆行するときは、1%、あるいは0.5%でも損切処理することが傷を深めないコツかと思った。
その後で、ドテン(stop and reverse)するか、別の銘柄をトレードするかは、その日の地合いなどにもよるが、うまくいきそうなときはドテンを試してみたいと思う。
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