去る6月28日付で掲載した「SMBC信託銀行プレスティアのeフォームで海外送金登録」に付随して申し込んだグローバルパス(Global Pass)(多通貨Visaデビット一体型キャッシュカード)が送られてきた。
今の私は海外旅行へ行ける身体的状況ではないが、2019年7月24日付のニュースリリース「新商品PRESTIA『GLOBAL PASS』の取扱開始について」によれば、既存のキャッシュカードは、2021年(来年)9月以降、海外での引き出しができなくなるので、切り替え申請をしたのだ。
海外での利用方法
2020年7月1日時点の海外旅行事情
2020年7月1日時点で、海外からの帰国者に対しては、厚生労働省が「水際対策の抜本的強化について(新型コロナウイルス感染症)」ということで
全ての国または地域を出発し、日本に到着する航空機及び日本の港に入港する船舶に乗って来られた方については、検疫法に基づく隔離(入院)・停留が必要となる場合があるほか、検疫所長が指定する場所(自宅等)において14日間の待機をお願いすることとなります。
また、ご自宅等へは公共交通機関を使わず、ご家族やお勤めの会社等による送迎でのお帰りをお願いすることとなります。
を実施しているので、事実上、海外旅行はしにくい状態にある。
もっとも、すべてがお願い(法律による義務や強制ではない)というのは、日本政府が、コロナ禍における帰国時の対処を、すべて自己責任でやらせている法的な負い目が如実に現れていると言えよう。
外貨預金(マルチマネー口座)からの直接決済が可能
FX(外国為替証拠金取引)や外貨投資に興味がない人にとっては、これの何がいいのと思うだろう。
つまり、今のように海外渡航はできないが、将来に備えて外貨の準備をして、それをそのまま使いたいという人にとっては、都合がいいアイテムなのだ。
私は戸塚リハビリテーション病院に入院中だった3月9日に、フェイスブックのタイムラインや海外旅行のコミュニティでこう書いた。
2020年3月9日 日経新聞-円急伸、一時101円台 長期金利はマイナス0.2%
世界中のコロナウィルスまん延が収束したら、海外旅行へとお考えの方は、こうしたときに円から米ドルへ両替しておくといいのではないかなぁ
米ドルなら世界のどこでも換金できるし、外貨を持つことによって、世界経済にも興味が持てるようになる。
投資をやってない人もこれからは、そういう意識を持った方がいい。
これに呼応してかなりの人がコメントをくれたが、結果論から言えば、この時のレートが、2020年の上半期(1月~6月)で円ドル相場が最高値を付けたときだ。
つまり、このようなときに米ドル(外貨)を買っておいて、将来的に海外旅行をするときに使えばいいというわけだ。
外貨現金(米ドルとユーロ)の引き出し
そのツールとして、かつてのシティバンクの時代から、米ドルとユーロに関しては、同通貨の普通預金口座から、店頭での現金引き出しが可能だが、これに関しては、平日に支店窓口に行かないといけないのだ。(よくある質問-SMBC信託銀行プレスティアの窓口に行けば外貨預金口座から外貨現金を引き出せますか?)
ちなみに、ゴールドのステータスを持っていると、一定金額の両替までは外貨現金取扱手数料が無料になるので、お得に利用した方がいいだろう。
なお、このツールに関しては、Global Passの申し込みの有無は関係ないので、念のため申し添えておきたい。
海外ATMでの直接引き出しと買い物でのキャッシュレス外貨決済
今では、これに加えて、海外でのショッピングなどの際に、SMBC信託銀行プレスティアのGlobal Passを使って、取り扱い17通貨の外貨普通預金から直接キャッシュレス決済が可能になった。
また、これらの通貨に関しては海外ATMでの外貨普通預金からの直接引き出しもできる。
17通貨の中にはタイバーツや香港ドルも含まれているので、私のように、タイや香港に行く機会が多い人は、渡航の予定が立てば、円から外貨に両替をしておいて、それを渡航先で使えばいいということになるわけだ。
もっとも、その中にない通貨の場合は、円預金からの決済になるので、為替レート(Visaの定める為替レートに所定の事務手数料(3.0%)を上乗せしたレート)を考慮すると、お得でないこともあると思うが、そのあたりは検証が必要だろう。
外貨フルバックのリスク
キャッシュレス決済に関しては、タダでさえ使い過ぎのリスクがあるのに加え、外貨フルバックというものが
プレスティア マルチマネー口座の対象外貨の残高が不足している場合、円普通預金口座から全額充当して決済するサービスです。
海外でも、外貨の残高を気にせずにカードをご利用いただけます。
とあるので、SMBC信託銀行プレスティアが自分自身のメイン口座の場合は、この機能はオフにしておいた方がいい。
クレジットカードで決済しても同じではないかと思うだろうが、長期旅行者でもない限り、帰国後に決済資金を準備できる時間を設けた方が、旅行中に円預金までもが残高不足に見舞われるよりマシだろう。
私が思うに、ホテルに帰ってから、インターネットバンキングで円から外貨に振替をし、予算管理をしながら使う方がいいし、この機能のオン・オフの設定は、プレスティア・オンラインまたはプレスティア・モバイルから設定できるので、必要に応じてやればいいかと思う。
なお、海外利用におけるリミットコントロール(利用限度額制限)が設定されている場合、それを超えるキャッシュレス決済(利用)がある場合は、その取引が拒否されるとのことなので、注意した方がいいだろう。
国内での利用方法
100万円以上の資産残高で他行引き出し手数料が無料
国内のATMにおける円資金の引き出しは、旧シティバンク時代と規定が変わっていないので、100万円以上の資産残高を維持している限り、他行(ゆうちょ銀行、セブン銀行、都銀と第一地銀)でお金を下ろしても手数料はかからない(償還される)。
私が1997年に旧シティバンクに口座を作ったのは、これが最大のメリットだったからで、それは現在でも継続されているようだ。
念のために、ウェブサイトの記述がどうなっているか確認すると、従来通り、国内のATMで引き出す際に、その手数料に関して、SMBC信託銀行店舗内および三井住友銀行ATMの利用手数料は無料なのに加え、
- 新規に口座をご開設になったお客さま:
口座開設月を含め翌々月末までは、ひと月あたり20回まで無料(または償還)でご利用いただけます。- 前々月の月間平均総取引残高が100万円相当額以上のお客さま:
ひと月あたり100回まで無料(または償還)でご利用いただけます。については、セブン銀行・ゆうちょ銀行のATMからの入出金は手数料が無料、その他の国内提携ATM(三井住友銀行が管理銀行・接続銀行のイーネットATMを含む)からの出金は手数料が償還されます。
償還の場合、引出対象口座(円普通預金口座)の引出時の残高が5,000円以上必要です。
とあり、100万円の資産残高をボーダーラインとして、国内の他行引き出し手数料が優遇されるのは変わりがない。
キャッシュレス決済
国内でのキャッシュレス決済は、SMBC信託銀行プレスティアのウェブサイトにあるように、Visa加盟店(店舗/オンラインショップ)、iD加盟店、J-Debit加盟店で利用できる。
残念ながら、2020年9月から2021年3月までの7か月間だけ行われるマイナポイント事業の対象ではないようだが、この制度は、自分が登録したキャッシュレス決済を利用すれば、5,000円分を上限として、ポイントがもらえるものだ。
興味があれば、「対象となるキャッシュレス決済サービス」を見るといいだろう。
なお、GLOBAL PASS会員Webサイトで登録するVISA認証サービスについて、下記の通り掲載されているので、事前に登録しておくといいだろう。
オンラインショッピングで安心・安全かつスムーズにお買物いただくために、事前にVISA認証サービスにご登録ください。
VISA認証サービスパスワードは、GLOBAL PASS会員Webサイトにログインする際のパスワードと同じです。*VISA認証サービスに対応したオンライン加盟店では、同パスワードがないとカードをご利用いただけません。
ANAマイレージクラブ
今までスターアライアンス系のマイルは、有効期限のないユナイテッド航空のマイレージプラス(Mileage Plus)で溜めていたこともあって、私は、ANAのマイレージクラブには入っていなかった。
今回、キャッシュカードを切り替えて、Global Passにしたときに、ANAのマイレージプログラムが付帯してあったこともあって、入会することにした。
Global Passの海外利用によるマイル加算は、10,000円あたり1マイルと、特典を得るまでにいくらかかるのだというレベルなので、ほとんど気にしなくていいものだ。
マイルの有効期限は、利用の月から数えて36カ月後の月末までで、ホテルのリワードプログラムのように、1マイルでも加算されると、そこからすべてのマイルが延長されるというシステムではなさそうだ。
私の場合は、しばらく旅行には行けそうもないから、これはお飾りかな~(苦笑)
不正利用補償
これについては苦い思い出がある。
2011年3月26日付の「偽造キャッシュカードによる被害金ようやく返金」というコラムにも書いたのだが、要はスキミング被害だ。
ところで、不正利用補償とは、どのような規定かというと、SMBC信託銀行プレスティアのウェブサイト「各種サービス」のところに「不正利用」の項目があり、
GLOBAL PASSの偽造・盗難等による第三者の不正利用は、当行が連絡を受けた日から60日前までさかのぼり、その日以降に発生した損害について、会員規約に基づいて年間500万円を限度に補償します。
と、書かれている。
とりあえず、公式に規定(GLOBAL PASS会員規約第13条)があると安心できるのは確かだが、銀行側のお勧めは、事前に、プレスティア アラートサービスと、リミットコントロール(利用限度額制限)をしておいた方が不正利用の一時被害が少なくて済むとのことだ。
お買物安心保険(動産総合保険)
これは、海外旅行傷害保険のショッピングプロテクトの拡大版といったものだろうか。
GLOBAL PASSを利用して購入された商品の破損・盗難等による損害を、「購入日(配送等による場合には商品の到着日)」および「購入日の翌日から90日間」てん補いたします。
海外(インターネット上の海外運営オンラインショッピングを含む)でのご利用のみが対象となります。
とあるので、国内のショッピングは対象外のようだ。
最後に
今回、私はキャッシュカードを切り替えたのを機に、いろいろ調べてみたが、さすがに旅行に行けない状態では、ほぼ従来のキャッシュカードでも機能的には変わらないと思った。
とりあえず、新サービスが出たので、いろいろ試してみようかという時期だと思う。
また、新しい発見があれば、弊サイトで紹介していきたい。
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