2019年7月1日付のバンコクポスト(Bangkok Post)と、タイガー紙(The Thaiger)によると、年内を目途に、無保険の外国人旅行者に対し、タイ入国時に強制的に旅行者保険に加入させる案が浮上していると報じられた。(Bangkok Post on 1 July 2019 – Compulsory insurance for tourists planned The Thaiger on 1 July 2019 – Thai authorities moot compulsory travel insurance for travellers)
保険料は20バーツ(約70円)で、入国時に海外旅行傷害保険に加入している証明書がない人(Tourists will be expected to pay it as they arrive in Thailand without proof of adequate current travel insurance arrangements.)が対象となる見込みだ。
クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険の場合はどうなるかはわからないが、キューバの例で言えば、付保証明書(Insurance Certificate)をクレジットカード会社から取り寄せて持参することになるのだろうか。
ところで、タイ入国時に加入というのは、どこで手続きするのかというと、6月5日付のバンコクポスト(Insurance to be compulsory for travellers to Thailand)によれば、空港や国境検問所での自動販売機の設置(the installation of automatic vending machines at international airports and border checkpoints)を含めて検討されているとのことだ。
どちらにせよ、ただでさえ、混雑している入国審査場が今まで以上に混むのだろうか。
ちなみに、この強制保険加入の背景には、外国人旅行者が無保険のままタイに入国し、滞在中に負傷した旅行者で、支払い能力のない人の治療費用を、タイの病院が負担し続けていることだと、同日付の記事で報じられている。(Hospitals have until now often been left carrying the cost of medical treatment of tourists injured during their stay in Thailand and who have no means to pay their bills.)
これは、日本でも同じことが生じているので、タイ方式の導入を検討したらいかがだろうか。(2018年4月9日 日経新聞-訪日外国人に病院困った 無保険でお金払ってもらえず 2019年4月11日 厚生労働省-「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」について)
なお、本件に関しては、厚生労働省と、出入国を管轄する法務省へ、タイ方式を日本でも検討して欲しいとの意見書を送っておいた。
来年度(令和2年度)予算の概算要求に間に合えばいいが、これをご覧の皆様も同じようにやっていただけたらと思う。
無保険の外国人旅行者に対する入国時の強制加入について
2019年6月5日付のバンコクポスト紙(Insurance to be compulsory for travellers to Thailand)及び、7月1日付のバンコクポスト紙(Compulsory insurance for tourists planned)でタイ政府が海外旅行傷害保険のない外国人旅行者に対して強制的に保険に加入させる方向で検討しているとの記事がありました。
保険の加入手続きは、入国審査のゲートで自動販売機を置くなどのことが検討されているようです。
現在、キューバでは海外旅行傷害保険加入を条件に入国をさせていますが、日本政府もタイ方式を検討されてはいかがでしょうか。
今は、無保険の外国人旅行者の未払いの医療費は、医療機関が全面的に負担しているとも聞いており、タイ政府もそれを苦慮して制度制定を検討しているようです。
これ以上、国民負担の増加や医療機関のスタッフの待遇悪化につながらないように、厚生労働省と法務省が協議をして、制度の導入を検討してもらいたいと思います。
コメント