2017年5月の香港家族旅行における目的の一つは、香港で開催された日本ウェルス銀行(Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank)のセミナー参加だった。
私自身は、2016年7月30日のコラム「日本語で口座開設可能な香港の日本ウェルス銀行(NWB)」、そして、2017年1月28日のコラム「日本ウェルス銀行(NWB)主催の経済勉強会&『春の集中講座 IN 香港』のご案内」で書いたように、度々参加させていただいているのだが、今回は弟夫妻が興味を持ったこともあり、家族旅行を兼ねて香港へ出かけることにした。
この銀行は過去のコラムでも触れたように、香港において日本語完全対応の金融機関でありながら、国内においては金融庁が定める「外国金融サービス業者が我が国市場に参入するにあたって適用される法規制」によって、彼らの側から日本居住者向けに「勧誘」や「勧誘に類する行為」ができないことになっている。
従って、「香港までお越しいただければ日本ではできなかった具体的な商品の詳細についてご説明できます」とのことで、香港のセミナーでは、どんな金融商品が提案されているのか聞いてみることにした。
そして、当日、日本ウェルス銀行のオフィスのあるペニンシュラタワー(半島辦公大樓/The Peninsula Office Tower)(当時)に行き、1,500香港ドル(昼食・夕食込:約22,000円)を払ってセミナー会場へ入る。
16階にあるオフィスからは、天気が良ければビクトリア・ハーバー(維多利亞港/Victoria Harbour)が一望にできる素晴らしさがあるのだが、この日はあいにくの曇天で景色が今一つだった。
午前中のセミナーは、世界経済の展望や投資の概要といった日本のセミナーでも聞いた感じのものだったが、昼食をはさんだ午後のセミナーは、具体的な投資商品を組み合わせたケーススタディを含めた実践的な内容となった。
ただ、この銀行の投資運用サービスの最低預入額は10万米ドル(約1,120万円)だったので、ある程度の資産を持っている方を対象にしたケーススタディが展開された。
それが下表のファンドというわけだが、セミナーで配布された資料に掲載された5月16日又は17日付の基準価額(Latest NAV Price)と、Morningstar Asiaに掲載された7月25日付の基準価額を比べたとき、お勧め商品とされた9つのファンドの基準価額がすべて上昇していたことには正直驚いた。
ところで、下表を一見すると、一般のサラリーマンが資産形成の過程で、この銀行を使うという感じになっていないのだが、弟夫妻曰く、このあたりも直接担当者と面談をしてみると、違う答えが返ってきたようである。
実際、今月3日付の「新サービス『eNWB』導入のお知らせ」を見ると、「投資信託のお取引につきましては、最低投資金額の制限を受けることなく行うことが可能となります。」とあるので、興味のある方はコンタクトを取ってみたらいかがだろうか。
ちなみに、eNWBというのは、electronics(電子機器)のeでなく(こちらのサービスはまだ導入されていない)、Everyone’s NWBのことらしい。
紛らわしい書き方をするなと言いたいところだが、初期預入額に関して敷居が低くなったことは、私たちにとっては朗報と言えるだろう。
投資家属性 | NWBのお勧め商品 | ||
年齢 | リスク許容度 | 投資予算 | |
30代 | 5 | US$100,000 | |
40代 | 4 | US$300,000 | |
50代 | 3 | US$500,000 |
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