トラベラーズチェック(TC/Traveler’s Cheque)の販売終了とトラベルプリペイドカード

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トラベラーズチェック
昨年11月30日に「欧州鉄道時刻表の復刊とTC販売終了に見る海外旅行スタイルの移り変わり」でも書いたが、いよいよ今月末で、日本国内におけるトラベラーズチェック(TC/Traveler’s Cheque)の販売が終了する。(アメリカン・エキスプレス-トラベラーズ・チェック販売終了のお知らせ

21世紀初頭まで海外旅行者必携のアイテムだったTCは、渡航先の銀行で現金を引き出すことが一般的になるにつれ、市中で換金できるところも少なくなり、その役割を終えることになったのだろう。

また、シティバンクの場合、外貨普通預金をそのままTCにして使うことができるので、預入時点より円高になって為替差損が発生したとしても、海外旅行で使うことによって、精神的なダメージを抑えられるのが一つのメリットだった。(米ドルに関しては、ドル預金を決済口座とするシティバンクドルカードがあるが、クレジットカードのため、年会費がかかる)

私の場合、今ではシティバンク以外にも海外の銀行に口座を持つほどになったので、TCは欧米に旅行する時以外は使うことはなくなった。
なぜ、欧米のときは、と言うと、現地の銀行、特に空港の円キャッシュの両替レートがぼったくりと思われるようなレートであることと、日本で米ドルやユーロのキャッシュを入手するときの為替手数料(仲値+3円)に比べて、TCは外貨預金(仲値+1円)をそのまま流用できるので、基本的に有利だからだ。

そして、一番大きなメリットは、リーマンショック前の数年間、あるいは昨年のように為替が円安傾向にあるときは、海外旅行の予定が固まったときや、ボーナスが出たときに換金しておいて、円安のリスクを抑える、言わば一種の先物買いのようなことができることだ。

今ではTCを持って海外旅行をする人は少数派だと思われるが、私はこのTCをあえて買うことにした。
いつもは海外旅行の予定が決まってから買っていたのだが、今回はブログのネタ(!?)にするのと、使わなければHSBC香港で入金すればいいだけのことだからだ。

ところで、私の周囲にも海外旅行の時は円キャッシュ持参で現地両替、という方が多いのだが、なぜこのようになるかと言えば、日本の銀行が金融鎖国状態にあるからだ。

呆れたことに、新生銀行など一部の例外を除いて、邦銀が発行しているキャッシュカードは海外の銀行ATMで現金を引き出せないものだ。(2010年6月16日-メガバンクの国際サービス悪化

従って、ほとんどの海外旅行者は現金(円・外貨)をたくさん持参するため、それを熟知している現地の犯罪者から狙われるハメになる。
それを避けるためのツールとして、トラベレックスジャパンが発行しているキャッシュパスポート、JTB会員専用のMoneyT Globalや、クレディセゾンが発行しているNeo Moneyといった海外旅行者向けのトラベルプリペイドカードがある。

私はこれら3つのうち、一つも保有していないが、唯一言えることは、カード維持手数料(年会費)や、銀行口座からの入出金手数料など、手数料の項目をきちんと把握してから申込をすべきであるということだ。

事実、私の友人であるPharmさんは、トラベルプリペイドカードの一つであるキャッシュパスポートが手数料を毟り取られる地雷であると言っているからだ。(2014年2月13日-ブラックジョークの方程式-海外渡航現金・カード盗難保険 50万円融通枠の場合 初年度保険料5500円二年以後年間1800円

さらに、これらのカードは、外貨への両替手数料が得である、というキャッチコピーがあるが、日本の空港や市中銀行のぼったくりレートと比較しているので、米ドルとユーロ以外は参考にもならないことは注意した方がいい。

いずれにせよ、金融鎖国日本の旅行者は余計な持ち物や不必要な手数料が増えるという事実は変わらないようである。(苦笑)

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