メガバンクの国際サービス悪化

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みずほ銀行横浜駅前支店

去る3月28日のコラム「訪日外国人旅行者を困惑させる銀行ATMのバリア」で大手邦銀のATMで外国銀行発行のキャッシュカードが使えないということを書いた。

日本の居住者が外国へ渡航したときにはあまりストレスなく使える銀行のATMが、訪日外国人にとっては逆にストレスの原因になる可能性が高い。

思い出せば1997年夏、私がシティバンクの口座を開いたきっかけは海外のATMで現地通貨が引き出せるキャッシュカードが手に入ることと、月平均残高が100万円以上あれば他行利用のATM手数料をキャッシュバックしてくれることだった。

当時、邦銀でそういうサービスをやっているところはなく、すごく新鮮に映った記憶がある。

その後、邦銀でも「インターナショナルキャッシュカード」のサービスを相次いで打ち出し、海外のATMでも金を引き出せることをPRし始めた。

ところが、最近の邦銀はこの「インターナショナルキャッシュカード」なるものの新規発行を相次いで停止している。
三菱東京UFJ銀行は2005年10月3日から、みずほ銀行は2009年12月1日から、そして、三井住友銀行も2010年5月24日から新規受付をやめている。

おそらく需要が少ないということなのだろうが、ある大手邦銀はコスト削減を理由にそうしたと言う。

ところで、世界にひとつしかない「黄金の人生設計」などの著作がある橘玲氏曰く「一般カードと国際カードを分けるなんてことをやっているのは日本の銀行だけだ。」とも言う。

万が一を期待して私は「一般のキャッシュカードでも海外で使えるようになったということですか?」と聞いたが、当然のことながら答えはNOであった。

もともと日本の金融機関(証券会社も含めて)は、海外に移住した人に対しては口座を閉鎖せよ、というのが公式見解である。
それに加えて、内地のATMは国際回線と繋がない、海外での引き出しも不自由、今後、日本の銀行は本気で日本居住者しか相手にしないつもりなのだろうか。

コメント

  1. ベルリーナ より:

    >>海外での引き出しも不自由、今後、日本の銀行は本気で日本居住者しか相手にしないつもりなのだろうか
    きわめて同感です、わたしは来年1年間海外に滞在するので、国際キャッシュカードを作る必要が出て、初めて、記事に書いていらしゃるメガバンクの実態を知りました。
    今となっては、新生かスルガ、ゆうちょ、シティ、ソニーくらいですかね、対応しているのは?
    高い税金を払っているのに、この不便な金融政策は何だ!と国に文句を言いたくなりました。

  2. カルロス より:

    ベルリーナさん
    1年間の滞在予定ですと、日本に帰国を前提とされているということですね。
    シティバンクは口座維持手数料がかからない水準で残高を維持する必要がありますのでご注意を
    新生がいいような気もしますが、私はシティ以外を持ってないないのでそのあたりは個別に確認が必要ですね。
    この際だから滞在国の銀行に口座を開くにも手かもしれません。

  3. ベルリーナ より:

    ご指摘のとおりです、1年間のみで帰国するので新生を選びました。現地銀の口座をつくるときには住民票を移したり、おそろしく対応がわるかったりするような情報がネット上で多く見受けられたので、やめました。
    新生をメインバンクにしようかと思う今日この頃です。

  4. カルロス より:

    ベルリーナさん、私の友人も新生がいいようなことを言ってました。
    ほかの日本の金融機関も新生銀行のように日系おんぼろ銀行を再生して外資になればいいと思いますね。
    そうしないと国際的なサービスは全く受けられないような気がしますよ。

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