私は先日の香港・ギリシャ・ドイツ旅行の途上、アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港(Athens International Airport Eleftherios Venizelos)のブックショップでEyewitness Travel Top 10 Hong Kongを買い入れた。
いつもなら海外の空港のブックショップに入ることなどほとんどない、あるとすれば、アジア圏の空港で日本語の新聞を買うために入るだけだった私が、時間潰しのためとはいえ、ブックショップに入ってみようと思ったのは、以前読んだ高城剛氏の「サバイバル時代の海外旅行術」で、日本の旅行ガイドの質は年々低下してきていると嘆いているのを思い出して、それでは英語版の方はどんなものだろう、と見てみたかったからだ。
もちろん、大判のLonely Planetなど買うつもりは毛頭なかったから、小型ポケットガイドであるTop 10シリーズ(WEB: traveldk.com)を見てみた。
これは、ポケット版地球の歩き方の英語版だと思えばいいのだが、少なくとも香港のガイドブックについては、Top 10 Hong Kongの方が日本語のガイドブックに比べてはるかに秀逸なような気がした。
Top 10 Hong Kongでは、最初にHighlights(目玉)として10箇所の観光名所が紹介され、その各々の場所でさらにトップ10を細かく紹介している。
この紹介されたところが旅行者の食指を動かすかどうかは別にして、日本語のガイドブックがほとんど街歩き、グルメ、ショッピング、足マッサージ一辺倒の紹介しかしていないのに対し、Top 10 Hong Kongでは、定番観光地以外にも、ハッピーバレーの競馬(Happy Valley Races)、大浪灣トレイル((Tai Long Wan Coastline)、長洲島(Cheung Chau Island)、そして先日の旅行で行った昂坪(Ngong Ping)にある天壇大佛(Giant Buddha)と寶蓮襌寺(Po Lin Monastery)とバラエティに富んでいる。
それと、日本語ガイドブックではほとんど触れられることのない、Things to Avoid(避けるべきこと)が列挙されているのがいい。
例えば、混雑しているので日曜日にピークトラムに乗るべきではない、とか、灣仔(Wan Chai)や尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のホステスバーに行くとぼられるとか、書いてある。
地球の歩き方で読者投稿としてこういったことが紹介されることはあっても、それ以外のガイドブックでそういうリスクヘッジ的な記述を私はほとんど見たことがない。
パラパラと読んでみて、この2点で私はEyewitness Travel Top 10 Hong Kongを買うことに決めた。
たぶん、香港は来年も行くことはあるだろうし、そのときのガイドブックとして役立ちそうだったからだ。
とりあえず、次回行くときはValue-for-Money Hotelsで紹介されているホテルが本当にそうなのか体験してみようと思う。
高城剛氏曰く、このTop 10シリーズは世界中で売れているとのこと、私が昂坪(Ngong Ping)に行ったとき、本土の中国人ばかりでなく、何で欧米人がわんさか来ているのかわからなかったが、これでようやく謎が解けたのだ。
ちなみに、このシリーズは東京のものもある。
観光庁の役人はこの本の編集者や記者を招いて、東京近郊の観光地は元より、北海道や沖縄なども紹介してもらうようにしたらどうなのだろうか。
少なくとも在日フランス人記者に酷評されるようなアイドルグループ嵐の日本PRビデオ(嵐の日本PRを外国人がメッタ切り)を制作するよりはるかに有意義な税金の使い道になるだろう。
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