参議院選挙期日前投票、今回は「みんなの党」へ

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イタリア語の新聞

私は昨年9月2日に「民主党怒涛の308議席、ついに政権交代」として戦後初めてと言っていいほどの快挙に喝采を送った。

もっとも、選挙による政権交代が「快挙」というのは、まるで半独裁国家に政権交代が起きたようなことで、日本がいかに政治的に遅れているのかを如実に示すものであったが、1年も経たないうちに「喝采」は「失望」に変わった。

自民党政権が長かったために、今までのツケの尻拭いをさせられることもあろう、試行錯誤で失敗することも多かろう、少しは長い目で見なければ、と思ったが、今回は民主党に投票することをやめた。

一番大きな原因は菅直人首相のカメレオンのような変わりようだ。
鳩山由紀夫首相が退陣し、彼に首相の座がバトンタッチされたとき、少なくとも「脱官僚政治」(自民党政権時代の官僚主導政治からの脱却)は継続されるものと信じていた。

彼が橋本内閣の厚生大臣のときに官僚と戦った「薬害エイズ事件」のことを覚えていればなおさらだった。
しかし、彼が首相の座について最初にやったことは隠れ天下り官僚を増大させる「退職管理基本方針」だった。

これまでずっと脱官僚を唱え続け、霞ヶ関批判を繰り返した彼が、6月8日の首相就任会見で「官僚の皆さんこそ、政策やいろんな課題に取り組んできたプロフェッショナルだ。プロフェッショナルとしての知識や経験を十分生かす。」と言い、突然お行儀よくなって嫌な気がしたが、それがモロに出たような感じだった。

そして、この記事が出た後、私は言いようのない失望感を感じた。
こうなった最大の原因は、鳩山政権の閣僚が官僚を使いこなせなかった、あるいは逆に官僚たちが民主党政権に対して面従腹背だったことは容易に想像できるが、官僚たちの抵抗があることは民主党が政権を取る前からわかり切っていたことだ。

私が民主党政権に期待したものの一つには、知的な経歴を持った候補者が多数当選したからだった。

彼らが官僚たちに対抗しうるような知的財産、あるいはそういったネットワークを構築できる可能性を持っていたにもかかわらず、当時の鳩山首相が「大臣補佐官に専門知識のある1年生を起用したい」と言ったことに対して、小沢一郎幹事長(当時)が「それはいけない。専門知識があるかないかでなく、党内秩序の問題だ」と断ったという。(2010年1月31日-朝日新聞「新人教育に『小沢5原則』執行部、10班に分け管理」

何とバカなことをと思った。
昭和時代ならいざ知らず、21世紀の組織の人事ではないと心の底から思った。
それに、新人議員を絶対統制下におく小沢5原則なるものは、まるでナチス時代のヒトラーユーゲントを彷彿させるものがあった。

民主党政権になって政務三役(大臣・副大臣・政務官)と呼ばれる人たちはよく働いているという印象があるが、わずか3人で何もかもできるはずがなかった。
そして、鳩山政権の掲げる脱官僚、政治主導という理想は、名実ともに立ち往生の憂き目に遭い、菅首相は臆面もなく、今までとは真逆の「ヘルプ・ミー・官僚」発言をすることになったのだろう。

今、メディアは彼の消費税増税発言で参議院選挙の行方を占うような記事がトップを飾っているが、これが細川政権末期の「国民福祉税構想」とダブって見えるのは私だけではあるまい。

もう一つは言うまでもなく「外国人参政権法案(永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権の付与に関する法律案)」だ。
これは鳩山政権時代から燻っているものだが、私は「外国人の富を日本人を豊かにするために生かせ」とは言うが、選挙の投票権を与えよと言うつもりは全くない。

第一、民主党でこの法案に賛成した人は、地方自治体、特に人口の少ない町村が「オウム心理教(現在のアレフ/Aleph)」の元信者による転入届をどれだけ恐れているか、法的グレーゾーンの中で彼らの届出を拒否しているか知らぬわけではあるまい。

つまり、彼らが住民の多数を占めれば、小さな町村であれば政治・行政がカルト宗教に乗っ取られる可能性あることを地元住民は恐れるのだ。
外国人に参政権を与えれば、それと同じことが起こりかねない、つまり日本の中に植民地政府ができる可能性がある、ということがわからないのだろうか。

小さな町村など問題ではないと言うならば、今の鹿児島県阿久根市を見てみるといい。
竹原信一市長のやっていることが良いか悪いかを言うつもりはないが、日本の法的欠陥を炙りだしているということでは大いに評価できる。

彼はその気になれば、県知事の法的要請も裁判所の命令をも無視しても、日本では何ら問題がないことを実証している。
例えば自衛隊の基地のある自治体、原子力発電所のある自治体で、そういうことが起きたらどうなるのか。

言い換えれば、外国人参政権下で登場しうる市長が同じことをできるというわけで、日本に数ある難題を置いておいて、こんな国益にならない法案を提出しようという輩は何を考えているのか。

今回の参議院選挙で民主党には投票しないことにしていたが、かと言って自民党や、昨年の総選挙で自民党が負けた後に、泥縄式に逃げ出した卑怯者(新党)に投票するつもりはさらさらなかった。

彼らのような卑怯者は風向きが変われば、また自民党に復党するからだ。
選挙を棄権するのは自分のポリシーに反するので、どうしようか考えた結果、消去法で人気の高い「みんなの党」に入れることにした。

彼らの言っていることがどうであれ、民主党の暴走を止めることが必要だと思ったからだ。
ただ、みんなの党が躍進すると懸念されることが一つある。

福田内閣当時の2007年11月に降って沸いたような「自民・民主大連立構想」の復活だ。

昨年の総選挙で民主党に投票した大多数の国民の期待を裏切って官僚主導政治を復活させ、「霞ヶ関の愛犬」とまで言われるようになった菅首相、元祖官僚丸投げ政治の自民党とは仲良くできる要素が多分にある。

第二次世界大戦前の政党政治を終焉させた究極の形、大政翼賛会平成版の登場はすぐ目の前にあるかもしれない。

コメント

  1. 小浜二郎のニュースご意見番

    巷のニュースをお知らせし、私なりの短い感想を書いています。まじめな時もあれば、面白おかしくアレンジすることもあります。

  2. nobody より:

    【要注意】みんなの党は新自由主義・小泉改革自民党の直系政党
    asahi.com(朝日新聞社):与党、過半数は困難 朝日新聞終盤情勢調査 – 政治
    http://www.asahi.com/politics/update/0708/TKY201007080575.html
    与党過半数厳しく 参院選全国終盤情勢 – 中国新聞
    http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201007060399.html
    「参院選、終盤情勢 与党過半数割れ濃厚 みんななど第三極10議席以下」:イザ!
    http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/412174/
    情勢– 現 要 朝日推計 共同推定 産経予測 過半数
    ——+–+–+——–+——–+——–+——
    民主– 62 — 42-49-57 44-49-57 48-51-55 ——
    国民新 03 — 00-01-01 00-00-01 00-00-01 ——
    無所属 01 — ——– ——– ——– ——
    (小計) 66 56 42-50-58 44-49-58 48-51-56 不可能
    社民– 02 — 01-01-02 01-02-02 01-02-02 ——
    (小計) 68 54 43-51-60 45-51-60 49-53-58 困難–
    共産– 03 — 02-04-05 02-04-04 02-02-04 ——
    (小計) 71 51 45-55-65 47-55-64 51-55-62 ギリ可
    終盤情勢は民+国+社+共で過半数がギリギリ可能。これ以上、与党の議席数を減少させると危険水準です。
    「民+み」で過半数がギリギリ可能。★★★「民+み」の連立になると、非正規雇用が大幅に増加します。
    みんなの党は新自由主義・小泉改革自民党の直系政党なので、小泉時代のように状況を悪化させるだけです。
    『当面だけの』消費税率維持に乗せられて、みんなの党へ投票を考えている有権者は、目を覚ますべきでしょう。
    民+保守各党の連立になれば、消費税は 10% どころか、10% → 15% → 20% と青天井になります。
    よって、比例代表は社民の保○○人氏に、また与党の議席数が予定以上に減少しすぎたので、
    選挙区は民主党に投票し、議席数を調整します。
    みんなの党 清和会 小泉 – Google 検索
    http://www.google.co.jp/search?ie=auto&q=%A4%DF%A4%F3%A4%CA%A4%CE%C5%DE+%C0%B6%CF%C2%B2%F1+%BE%AE%C0%F4
    cf. http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1276782795/34-

  3. カルロス より:

    nobody さん
    書き込みありがとうございます。
    投票に関しての考え方は人それぞれですが、今回は官僚主導政治への揺り戻し、外国人参政権の2つに絞って民主への投票をやめております。みんなの党が小泉元首相の流れを汲むことは承知しています。だから消去法と書いたのです。

  4. かじ より:

    こんにちは
     私も比例は、消去法で”みんなの党”になりました。
     地方区は小沢チルドレンです。
     本当に、入れる人や党がないのには困ります。
     税金払うのが嫌になるこのごろ、今の日本は無税の人優遇が大きすぎて借金が積み重なっているのに、投票に行く人が無税の人ばかりなので、改革は無理でしょうかね?このまま、優遇を拡大するとリセットが早まる気もします。

  5. カルロス より:

    かじさん こんばんは
    選挙区は小沢チルドレンですか。
    私は彼らに自主性が芽生えたら期待してもいいような気がしますが、小沢氏の影響が強いうちはダメですね。

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