外国人も日本人同様、住民票登載へ

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英字新聞

2003年(平成15年)2月、外海から、横浜市の帷子川に迷い込んで人気者となったあざらしのタマちゃんに対し、横浜市西区が「住民票」を交付したことが話題になったことを覚えているだろうか。

このとき、20名の在日外国人が「タマちゃんに住民票を交付するなら私たちにも!」と声をあげた。
彼らは、「何世代も日本に住み、税金も納めているのに住民票が交付されない外国人が大勢いることを知ってほしい」(在日8年イギリス人)「アザラシよりも人間をきちんと扱うのが先」(アメリカ人を妻に持つ日本人の夫)などとアピールした。

つまり、彼らは住民登録制度を別々にしないで、日本人と一緒にして欲しいと言っていたわけだが、このときから6年半の歳月を経て、ようやく現行の外国人登録制度の廃止と、外国人の住民も日本人と同じように住民票に加わることが決まり、今年の7月1日から改正法が施行されることになっている。(総務省-外国人住民に係る住民基本台帳制度について

総務省は、これによって、外国人も日本人と同じように、住民票を基礎とした各種行政サービスの届出との一本化が図られ、手続が簡素化されるので、彼らの利便性が増すと言っている。

特に国際結婚のカップルや、親や子が外国人である人にとっては、家族であることの証明が面倒だったのが改善されることになろうか。

一方、彼らが住民票に加わることは、アパートの家主や公共料金などの債権回収の仕事をしている人にとっても、転居先を追跡しやくすくなるだろう。

なぜなら、今の外国人登録制度下では弁護士などを通さないと、外国人登録原票記載事項証明書(これが現行では外国人の住民票のようなもの)が取れない(外国人登録法第4条の3)ので、彼らの行方の追跡は困難だが、これが住民票の写しであれば、正当な債権を持つ人なら誰でも取ることができる。(住民基本台帳法第12条の3)

これだけで賃貸住宅を借りにくいと言われている外国人の境遇が改善されるとは思わないが、少なくとも債権債務関係に限って言えば、徐々にマシになっていくことだろう。

ところで、この制度改正は全国的な規模で自治体のシステム改修を必要とするため、向こう3年以内にIT特需が生まれる可能性があるが、それが壮大な税金の無駄(いわゆるIT公共事業)に終わるかどうかは、今後の運用次第とも言えよう。

問題は、今まで外国人住民に対する事務は、役所の特定の部署でしか扱っていなかったので、英語(に限らないが)が話せる人は、そこに集中させておけばよかったが、今後は彼らを日本人同様に扱うのであれば、そうも言っていられなくなるだろう。

それに、今はコンビニや自動発行機で住民票や印鑑証明が取れるところも多いが、これも将来的には多言語ガイダンスを必要とするだろう。(もっとも、こういったものは電子申請でも取れるようになればいいのだが、その是非はここでは割愛する)

果たしてこの制度改正は外国人住民にとって、あるいは彼らを家族に持つ人にとって良いものになるのだろうか。

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