インディア・ファンド(IFN)からのオファーを断念

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エンパイアステートビルからの眺め

今月の初め、自宅の郵便受けにTD Ameritradeからの封書が入っていた。

開けてみると、インディア・ファンド(IFN)の7月20日現在の持ち株と同数のスピンオフ(Spin-off=新会社の株式を親会社の株主に割り当てること)がされ、株式売り出しに対する申し込みの権利があると書いてあり、申し込みの締め切りは8月14日(金)の米国東部時間の17時(日本時間は15日の午前6時)とあった。(The India Fund, Inc. Announces Commencement of Rights Offering)

これで、History & Statements (履歴と明細書)の7月24日付のTransactions (取引)にあったTransaction ID: 5137083547 Non-Taxable Spin Off/Liquidation Distribution (454089855)(非課税スピンオフ/決算分配)とあったものが何となく理解できた。

それまでは配当金の代わりに株でもくれたのかと思ったが、昨年の金融恐慌のときでも配当を大盤振る舞いをしてくれたIFNとはいえ、そこまで甘くなかったようだ。

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To Stockholders of The India Fund, Inc.:

The India Fund, Inc. (NYSE: IFN; the “Fund”) is conducting a rights offering to holders of its common stock (the “Offer”). Below is a brief description of the Offer. For further information, please refer to the attached Prospectus.

You will receive one right for each whole share of common stock that you hold of record as of July 20, 2009.

You need three rights to purchase one share at the subscription price described below.

The rights are non-transferable.
The Offer will expire at 5:00 p.m., Eastern daylight time, on August 14, 2009, unless extended.
The subscription price will be equal to 95% of the net asset value per share of the Fund’s common stock at the close of business on the date on which the Offer expires.

If you decide to participate in the Offer, please follow the procedures set forth on pages 23 – 25 of the attached Prospectus.

For example, on July 10, 2009, the last reported sale price of a share of the Fund’s common stock on the New York Stock Exchange was $26.47, representing an 11.08% premium to the Fund’s net asset value per share of $23.83.

Assuming the Offer expired at the close of business on July 10, 2009, the subscription price would have been $22.64. In this example, the subscription price would have been a 14.47% discount to the share price of the Fund’s common stock.

Although the Fund’s shares have recently traded on the New York Stock Exchange at a premium to their net asset value, the Fund’s shares have in the past and may in the future trade at a discount to net asset value.

The Fund makes its weekly net asset value per share available by telephone toll-free at 1-866-800-8933 and on the Internet at www.blackstone.com.

In an effort to provide more information to stockholders, the Fund’s net asset value per share will be made available daily between August 10, 2009 and August 14, 2009.

Because the subscription price will be less than the net asset value per share, the Offer will result in an immediate dilution of the net asset value per share of all stockholders, and stockholders who do not fully exercise their rights will own a smaller proportional interest in the Fund.

For further information regarding the Offer, please read the attached Prospectus or contact Georgeson Inc., the Fund’s information agent, at 1-866-297-1264.

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ところで、その申し込みはネット上でできるのかということをTD Ameritradeに質問したり、Black Stoneのウェブサイト上を探したりしたが、どこにもそういうところはなかった。

ちなみに、TD Ameritradeからは未だに何の回答もない、要するに郵送された目論見書(prospectus)の23ページから25ページを読めということなのだろう。

こういった点はHSBC香港と比べてもレスポンスが悪い、まして、日本の至れり尽くせりのサービスに慣れてしまうと怒り心頭というところだ。

私は英語の目論見書など読んで完全に理解できるほど語学に堪能なわけではないので、ここの部分(23ページから25ページ)だけ翻訳を頼もうと知人を通じて見積り依頼を出した。

ここで問題なのは、そのコストに見合った利益が得られるのか、ということだが、”The subscription price will be equal to 95% of the net asset value per share of the Fund’s common stock at the close of business on the date on which the Offer expires.(株式の申し込み価格は8月14日の営業時間終了時におけるIFN普通株式の一株当たり純資産価格の95%になる)”とあり、何だこりゃ、というわけだ。

もし、これが8月14日の終値の95%、要は5%引きでしか買えないのであれば、私の権利株数からいってコスト割れするのは間違いなかった。

しかし、「例えば」ということで、7月10日のIFN common stockの終値は$26.47だったが、この時点での一株当たり純資産価格は$23.83であり、そうなると11.08%のプレミアムが付くのと同じであると書いてある。

そこで、その価格がどこに掲載されているのか探すと、Black StoneのウェブサイトのClosed End Mutual Fundsの中にIndia Fundがあり、そこにnet asset value per share(NAV=一株当たり純資産価格)というのがあった。

想像するに8月14日の普通株の終値の15%引きが割引の最大幅と考えておけば間違いはないだろう。

ここまでようやく理解して私はフト思った。
今、BRICsを始めとする新興市場は金融恐慌の痛手を脱して回復途上にある。
何も株価が右肩上がりの状態のときに8月14日まで待つ必要がどこにあるのだろうか。

そもそも普通株式ならば目論見書など読まなくともネット上で数秒で買うことができるのだ。
このオファーが激安価格で提供されるのなら、あるいは私の権利が千株単位であるのなら検討にも値しよう。

もし、そうなら今からチケットを取って(お盆休みで取れないかもしれないが)現地のオフィスを往復してもいいくらいだとさえ思う。
それとも何か私が理解していないところで特典があるのだろうか。

最後に同封されていたもう1枚の通知を読んだ。
「このオファーに関して質問があったり、申込書を提出したい場合は、月曜から金曜の営業時間内(東部時間の9時から17時30分=日本時間の22時から翌6時30分)に電話をしてください。このオファーは時間に制約があるため、あなたの指示をメールやFAXでお受けすることはできません。」(ネット上から質問しても回答が来ないわけだ!)

国際電話を一本してオーダーが完了するならいいだろう。(それでも逡巡するが)
しかし、申し込み金の支払い方法などを書いた目論見書を訳す手間(あるいは翻訳依頼をするコスト)を考えれば、とてもそんな気にはならなかった。

来週の土曜には権利が消滅するが、これも英語が堪能でないのに外国証券会社で取引していることのデメリットと言えようか。

まあ、インディア・ファンド(IFN)であれば今は多少割を食ったとしてもまだまだ上昇の余地はあるだろう。
今回のオファーには参加できないが、外国証券会社で取引していると、こういうこともあるのだとわかっただけでも良しとしようか。

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