もしフェイスブック(Facebook)株が上場したら

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Facebookのイメージ

私が世界最大と言われるSNS、フェイスブックを認識し出したのは昨年の8月、マレーシアのデサルで会ったシンガポール人の夫婦からアカウントを持っていないのか、と聞かれたのがきっかけだった。

その時点で、すでにウェブサイトやブログもあり、さらにmixiやワールドインベスターズといったSNSにも参加していた私はとても管理し切れないと、メール(英文)のやりとりだけで終わらせてしまっていた。

ところが、年末年始の旅行で会って友人となった人たちは、ほとんどがフェイスブックのアカウントを持っていた。
もっとも留学生など北米の居住者が多かったというのもあるが、旅先で知り合った人に渡す名刺にウェブサイトのアドレスなどを刷り込んでいた私は、これからはフェイスブックのURLも必要なのかと感じるようになっていた。

それがきっかけというわけではないが、グアテマラで4日間旅友であったサトシさんからフローレスで一緒だったタカさんや、年越しメンバーがフェイスブックに集まっていると聞かされ、私もアカウントを作ることを決意した。

まだフェイスブックの使い方が今ひとつわからないでいるのだが、海外投資家の端くれとして株式上場しているかどうかだけは調べてみた。

とりあえず今は上場の準備段階というところのようだが、フェイスブックの株式が上場したからといって儲かるかどうか懐疑的なのはニューズウイークの記者だけではあるまい。

古今東西、広告収入が収益源と言われた企業の株式がブームが去った途端に失速するのは枚挙に暇がない。
それに実名登録が基本のSNSに広告が割り込んできて、いらぬセールスをされるリスクを負うならアカウントを閉鎖しようと思うのは、実名登録に抵抗感のある日本人ユーザーだけなのだろうか。

世界中でパソコンを持てないような途上国の人たちも携帯電話さえあれば繋がれるフェイスブックは確かに魅力的だ。

最近起こったチュニジアの政変劇のウラでは、フェイスブックユーザーたちが情報交換に勤しんでいたと言われている。
何しろ、途上国では携帯電話がコミュニケーションの最重要ツールであるのはもはや常識だし、英語でのやりとりを苦にしない人の割合もアジア(残念ながら日本はそうではないかもしれないが)を始めとしてこれからも増えるだろう。

こう考えると、モバイルアクセス可能なフェイスブックのユーザーはまだまだ加速度的に増える可能性もある。
2012年(今年でなく来年)の米国市場の目玉とも言われるフェイスブックの上場、大化けするか失速するかはアナログメディアの下馬評の逆なのかもしれない。
それに使って良いものだと思うものには投資をしろ、というのも真理だからね。

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フェイスブックが1240億円調達、財務情報開示に向け準備 (2011.1.22 ロイター)

[シアトル 21日 ロイター] ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手「フェイスブック」は、ゴールドマン主導による海外投資家向け株式私募を通じて10億ドルを調達した。

これまでにゴールドマンとロシアの投資会社デジタル・スカイ・テクノロジーズから5億ドルを調達しており、これで目標としていた15億ドル(約1240億円)の調達を達成したことになる。

米証券当局は、株主が499を超える場合、会社に財務情報の開示を義務付けている。
フェイスブックは、今年中に株主は499を超える見通しとした上で、年内もしくは2012年4月末までの情報開示に向け準備を行っているとした。

英文記事:Facebook to unveil financials, raises $1.5 billion

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フェースブックの意外な「お値段」 (2011.1.19 Newsweek Japan)

最近、何かとメディアを騒がせている世界最大SNSのフェースブック。
今度は金融大手ゴールドマン・サックスとロシアの投資会社デジタル・スカイ・テクノロジーズが5億ドルを出資、おかげで時価総額が推定500億ドルに膨れ上がった。だが、本当にそんな価値があるのだろうか。

フェースブックの資産は、世界の12人に1人がつながっているとタイム誌が持ち上げたバーチャルなネットワーク。
ただしウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、同社は2カ所のデータセンターに投じた7億ドルを含む巨額のインフラ整備コストを抱えている。しかも財務状況を開示していない。巨大ネットワークの本当の価値はどの程度なのか。

ポテンシャルが高いのは明白だ。これほど多くの人々が(バーチャルな)1カ所に集い、個人情報を明かしているのだから、ターゲット広告にとってはまたとない格好の舞台となり得る。

ただし、それはユーザーが買い物のためにフェースブックを利用している場合の話。旧友に連絡を取るためフェースブックに登録している人たちが、広告が割り込んでくることを歓迎するとは限らない。

フェースブックがユーザーのネット閲覧状況を広告主に開示できるかどうかも、定かではない。12月には米連邦取引委員会(FTC)が、フェースブックのユーザーは広告主のネット閲覧情報へのアクセスをブロックできるという規制を提案した。

フェースブックは恐らく来年あたりにIPO(新規株式公開)に踏み切るだろう。
ゴールドマン・サックスは今回の出資で、IPOを引き受ける理想的な立場も手に入れた。同社の顧客にとっても、巨額の利益を得るチャンスかもしれない。

もっとも、フェースブックが本当に莫大な利益を上げられる企業なのかという重要な疑問は残されたままだ。
ゴールドマン・サックスの出資によってフェースブックの見掛けの価値が跳ね上がったのは確かだが、広告収入への期待が外れるような事態になれば、投資家は大やけどを負うかもしれない。

ゴールドマン・サックスが大口顧客を手っ取り早く儲けさせるために、フェースブックの価値をつり上げたのではないことを祈ろう。

関連記事:フェースブックの「ゴールドマン価値」は本物か

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