ついに日本でも豚インフルエンザが大流行(outbreak)し始めた。
最も感染防止に力を入れていたはずの日本が、北米諸国以外では最悪の感染者数を記録したのは皮肉以外のなにものでもない。
もはや感染しない方法云々を言うより、不幸にして感染したら、というところに主眼を置いた方がいいだろう。
ここでHow to Avoid Swine Flu Pandemic Panic(どうやって豚インフルエンザの世界的流行の恐怖から逃れるか)というものがあったので紹介しよう。
その記事の中にあったのは、ステップ4の
Use the antiviral formula Yin Qiao San if you plan to travel by airplane or to a place where there is a flu breakout. Contact a Traditional Chinese Medicine practitioner for that formula. The advice I was given is to use it the entire time of travel plus five days after returning home.
もし、あなたが飛行機で旅行を、あるいは豚インフルエンザが流行している地域への旅行を計画しているなら抗ウイルス薬として処方される銀翹散を使うこと。その処方のために伝統的な漢方医師とコンタクトを取ること。私のアドバイスは旅行中、及び帰国後5日間はそれを服用すること。
とあった。
彼らのいう銀翹散(Yin Qiao San)という漢方薬(herbal medicine)がどれほどの効き目があるかはわからない。
しかし、今のところ弱毒性と言われている豚インフルエンザの予防薬として、この漢方薬が効き目があるのであれば、海外出張や旅行の際には現地で買い求めることができるのではなかろうか。
ただ、漢方医師の処方箋が必要となれば、そう簡単には入手できないだろうが、パナドール(Panadol Cold & Flu)という解熱鎮痛剤のように薬局で簡単に手に入るレベルであれば、アジア諸国や華僑のいる地域なら入手できる可能性もあるだろう。
どなたか現地の漢方薬局で聞いてみてはいかがだろうか。
ちなみに、パナドールや銀翹散(Yin Qiao San)は、外国の通販サイトを通じてオンラインで購入できるようだが、2009年6月1日施行の改正薬事法の規定がこうした外国サイトにまで及ぶかどうかについては検証していない。
ところで、今や日本では関西方面は言うに及ばず、関東でも発症者が出始めたことに国民はパニックの様相を呈している。
電鉄会社や銀行、スーパーなどの企業は社員に対し、売り切れ続出で在庫がないことを知りながらマスクを買うことを要求している。
マスクをすることが感染防止に役立つかどうか疑問視されている中で、社員にそうさせることは、彼らの本音が社員の健康を気遣っているのではなく、自社の社員から発症者が出たときのクレームパニックを恐れているのだ。
賢明な人ならばわかるだろうが、社員の健康を気遣うような企業ならば社員を使い捨てするような態度は取らないはずだ。
それゆえ社員にマスクをさせ、感染を防ぐために努力していたというエクスキューズは日本においては最も重要な組織防衛の一つなのだ。
私はアメリカ・メキシコ旅行から帰国後の自宅待機明けに出勤した初日、職場の上司から一週間はマスクを着用するように言われ、そのことを仄めかされたので、それが企業や役所の本音であることはほぼ間違いない。
事実、私の上司が恐れたように、神戸ではバレーボール大会に出た高校生たちが戦犯扱いされ、関東ではニューヨーク帰りの高校生が通う学校関係者がバッシング(bashing)を受けているらしい。
パンデミック(pandemic=世界的大流行)の危機と言われている事態に、たまたま感染被害者となっただけの数人の高校生とその関係者を詰る低レベルな輩に吐き気すら覚える。
そもそも外国に行きさえしなければ感染しないなどという発想が貧困過ぎるし、誰がどこで感染したかなどわからないから各国の医療関係者が苦しんでいるのだ。
私に言わせれば、ゴールデンウイークの最中に、各企業が北米各国から強制帰国させた人たちが潜在感染者でなかった保証はどこにもない。
彼ら駐在員とその家族は、偏執症的な(paranoid)清潔観念を持つ内地のひ弱な日本人よりも病気に対する耐性があるだろうし、今の豚インフルエンザが弱毒性と言われているほどのものなら、余計にその可能性はあるからだ。
そして、不幸にして豚インフルエンザに感染した場合の行政・医療関係者の対応はもはや臨界点に達しようかというレベルとなっている。
私も帰国後10日間(今では7日間)は、何かあったら発熱センターへ連絡しろと管轄の保健所から連絡があったが、当時ならともかく、ここまで国内で感染者が出ている状態だと電話もつながらないだろう。
それではいきなり病院へ駆け込むか。
メキシコやアメリカでは、そうしろと書かれているが、日本ではそうしないでくれというのが公式見解となっている。
今後はそれも変わってくるだろうが、患者が増え続けた場合は、病院でもパニックになるに違いない。
タミフルの備蓄は十分にあるとのことだが、弱毒性と言われている今でさえ、このような状態だと、それが突然変異して鳥インフルエンザや、SARSのようになったときには日本はどうなるか考えたくもない気持ちだ。
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