2003年10月27日号のNewsweek「Lost in Translation(通訳に困った)」の記事で、FBIが特に困っているのは、アラビア語やペルシャ語など中東地域の言語専門家だとのこと。
アラビア語40人、ペルシャ語25人しかいなかった要員をそれぞれ200人と75人に増員したが、テロ情報に関して連日送られてくる盗聴テープなどを翻訳するにはさらに人手が必要という記事が載っていたが、どうやら国防総省でも事情は同じらしい。
ただ、国防総省が、中東諸国の言語に加え、中国標準語(Chinese Mandarin)をと言っているところを見ると、戦略的に中国を仮想敵国としているとも言える。
こちらは国軍のため英語の話せる外国人(市民権を持つ人を除く)を雇うわけにはいかないだろうから、自前で育てようというわけだ。
ところで、その外国語習熟手当だが、最高で月1,000ドル(約12万円)がプラスしてもらえるらしい。
当然、ネイティブ並みにならないとそれだけもらうことはできないだろうが、そこまでいかなくとも習熟度に応じて手当が出るのだろうから外国語をやろうという動機付けにはなると思う。
日本では特に英語以外の専門家は不足しているし、官民問わずアジア諸国の言語を話せる人は必要なのだから、アメリカのこういった姿勢は日本も見習ったらどうなのだろうか。
特に中国語や韓国語は国防上も必要だし、アジア諸国の言語は司法・警察は言うに及ばず、ポストBRICsと言われるタイやベトナムの言葉は今後ビジネスでも使う機会は多くなるだろう。
とりあえず、こうした制度を自衛隊と警察から導入して、徐々に広げていくのがいいだろう。
また、そうした専門家を民間などから中途採用して処遇していくことも必要だ。
ちなみに、私が今の職場で中国語ができれば最高12万円の手当をプラスすると言われればやるだろう。
ところで、あなたはいくらだったらやる気になるだろうか?
米軍人よ語学を磨け・・・国防総省が手当増額 (2006.5.12 読売新聞)
【ワシントン=五十嵐文】 米国防総省は10日、外国語を習熟した職員に対する手当を増額する、と発表した。国防総省は2月に発表した「4年ごとの国防計画の見直し」(QDR/Quadrennial Defense Review)で、対テロ戦争や軍事情勢の変化を踏まえ、アラビア語、ペルシャ語、中国語などに通じた要員を育成する必要性を指摘している。
今回の手当増額は、こうした言語の習得を促進し、中東・アジア地域で活動できる幹部要員を養成するのが狙いだ。
具体的には、これまで月額300ドルを限度にしていた外国語習熟手当を6月から最高額1000ドルに引き上げる。州兵・予備役には年間で最高6000ドルの賞与を支給する。
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