北海道新幹線作っている余裕あるのかね?

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新函館北斗駅

毎日新聞に北海道新幹線着工のニュースが出た。私は北海道民に何の恨みもないが、あえて言わせていただく。

北海道新幹線の整備計画ができたのは1973年(昭和48年)のことだ。
このときは、日本全国が眩くような輝く時代で、誰もが豊かになれることを疑わなかった時代だ。
それが今や時代は変わり、個人の破産や自殺は言うに及ばず、国家や地方自治体すらどうかと言われるようになった。

私は国会議員しろ、自治体の首長にしろ、20年も30年も前の幻想を未だに抱くような人間しか選ばれない(国民が選ばない)ことに憤りを超えた空しさしか感じない。

私はほかの整備新幹線計画や空港建設計画も辛らつに評価するが、ことに大阪府と北海道は、立場が個人ならまともな借金はさせてもらえない立場にあるのをご存知か。

2004年2月26日の朝日新聞の記事「日の丸ファイナンス-巨大化の果てに」の記事は、KABU247の仁科剛平氏の著書「郵貯崩壊」でも一部引用されているほど衝撃さは度を抜いている。

何を言っているかというと、まず北海道債の引受金融機関から三井住友銀行と東京三菱銀行という優良行の名が消えたことだ。

これは言い換えれば、貴方は信用度が今一つだから私は貸しません、貸すならデフォルト(債務不履行)のリスクに見合った金利に引き上げます、という宣告と同じだ。

そして、いつの時代もバカな政治家と提灯エコノミストが言う、地方への経済効果と、景気の起爆剤だが、仮に彼らの目論見通りに景気が良くなるとどうなるか。

そうなると長期金利も上がり、借金をしている国と地方が一たまりもないのだ。(インフレの足音が聞こえる
これが朝日新聞の記事の中で財務官僚の言っている「デフレが続かないと(財政が)持たない」ということなのだ。

要するに北海道新幹線に限らず、巨額の借金で賄われる公共事業は、デフレが続くと税収が減って借金の返済ができず、景気が回復すると長期金利が上がって利子がかさむというジレンマに陥る構図となっている。

インフレが起きて借金が目減りを始めるのは、その後だから、それまでにお陀仏になる可能性は大きい。
しかも、「確定申告:所得金額8年ぶり増 納税額は8年連続減少」の記事を見て欲しい。
北海道の税収は8年連続で下落を続けているのだ。

1964年に東海道新幹線ができたときは、国鉄は今と違って非常に儲かっていて、しかも東海道本線は列車を増発できないほど需要が飽和状態にあったのだ。
つまり、需要があるから作る、という資本主義経済の原則そのものだったのだ。

ところが山陽あるいは東北・上越新幹線あたりから、作れば需要(経済効果)が生まれるだろう、というバカげた論理が幅を利かせ、それは当然に沿線自治体に人口減(東京集中)と赤字しか生まなかった。

その結果、国鉄がJRになっても赤字体質は引き継がれたのだ。
おそらく北海道新幹線は、JR北海道にも日本の航空業界にも地方自治体にも赤字しか残さないであろう。

ただでさえ、沿線の人口減によって小さくなったパイを無理やり作った新幹線が分捕ればどうなるか。
JRと航空会社にはお定まりの人件費抑制とスピード競争が待っているのだ。

はっきり言う。
遺族感情を害して申し訳ないが、尼崎と同様の事故はいつか再発するだろう。
そういう構図にしたのは、こうした時代遅れの「地元の悲願」という名の見栄と欲望だからだ。

「新函館駅」で起工式 期待と課題乗せ-重い北海道の負担830億円 (2005.5.23 毎日新聞)

道民が待ち続けた北海道新幹線が実現へ向けて走り出した。22日に行われた新青森-新函館駅間の起工式。道内の経済活性化や観光客増加など期待は高まる一方だが、膨大な地方負担、並行在来線の経営分離と、乗り越えるべき課題は山積している。【横田愛、安味伸一、佐野優】

国土交通省が当初見積もった同区間の総事業費は約4200億円。
その後、青函トンネルの新幹線・貨物列車共用化に向け、脱線防止ガードなどの設置が必要として約5000億円に増額した。

これに対し、「地元負担分が増す」として、青森県が反発。
最終的に約4670億円で決着したが、それでも道の負担分は約830億円、青森県は約720億円に膨れ上がった。道は、負担分の90%を地方債(借金)でまかなう。

この半分は国が地方交付税で補うが、見かけ上は道の借金だ。
高橋はるみ知事は「(公共事業)全体の優先順位を付けることで、のみ込むことが不可能な金額ではない」(18日の記者会見)と言うが、道は財政再建団体への転落が目前で、毎年厳しい財源確保を迫られる。

工事費縮小を受け、安全対策も課題だ。
青函トンネルのように、高速鉄道と貨物列車がすれ違う路線は世界に例がないという。

北側一雄国交相は22日、「安全面をきちんとやってもらうのが大前提」と、鉄道建設・運輸施設整備支援機構にくぎを刺した。

一方、運行を担うJR北海道の坂本真一会長は「万全の対策を立てる」と語った。
並行在来線のJR北海道からの経営分離問題もある。

JR江差線(江差-五稜郭駅、約80キロ)のうち、新幹線と並行するのは木古内-五稜郭駅間の約38キロ。
新幹線開通に伴い、この区間の経営はJR北海道から切り離されることが確定している。

道は8月までに、沿線自治体の渡島管内木古内町、上磯町、函館市の3市町と対策協議会を設置し、この区間の今後について話し合う方針だ。

JR江差線のうち、並行在来線ではない江差-木古内駅間(約42キロ)の行方も懸念される。
JR北海道によると、輸送密度(1キロ・1日当たりの乗客)は昨年度調査でわずか64人と道内で最低。
坂本会長は「廃線、バス転換を含め総合的に検討する」と話し、JRとして廃線の可能性を示唆している。

◇「次は札幌延伸」意気上がる建設業界-JV結成し受注を目指す

北海道新幹線の着工で激化必至とみられるのが建設業界の受注競争だ。
「開業後の経済効果が取りざたされるが、新幹線整備は工事期間中にも経済効果があって初めて意義がある。
地元建設業者が受注できるよう強く強く要望したい」北海道建設業協会会長の伊藤義郎・伊藤組社長は、毎日新聞の取材に対し強調した。

全国的に公共事業の縮減が進む中、新幹線整備は工事規模、投資額ともにけた違いで、建設業界の期待はいやが上にも高まる。早ければ夏以降にも予定される入札には、新幹線整備の経験と技術力が豊富な道外大手ゼネコンも参入するとみられ、「道内への恩恵は小さい」との懸念も根強い。

だが、伊藤会長は「(道外からの参入者に)恨みを言うのではなく、一緒になって技術と経験を積む姿勢が必要」と指摘。建設共同企業体(JV)を結成し、道内業者の参加機会を確保するよう訴える。

今後の焦点は札幌延伸に移る。新函館-札幌間の工事期間中の経済波及効果は、新青森-新函館間の約4倍にあたる1兆9000億円に達するとの試算もある(北洋銀行調べ)。

「企業体結成は先を見据えた戦略。(道内建設業者には)札幌延伸の際には100%我々でやろうじゃないかと言っている」(伊藤会長)。久々の巨大公共事業は、低迷する道内建設業界の起爆剤となりうるのか。関係者は熱い視線で見守る。【横田愛】

コメント

  1. k国 より:

    同感です北海道は広いけど450万人しか
    住んでません
    九州でも鹿児島まで出来ましたが沿線住民は600万人くらいです
    東京大阪間のように6000万人住んでる所とは比べ物になりません
    ビジネスの動きが違うのです
    乗客の居ない新幹線ができるでしょう
    日本の政治家は利権と地元の一票の為に
    莫大な無駄が金使います
    突き詰めると選挙制度を変えないと
    連呼と選挙事務所をやめてマスコミを利用した金の掛からない候補者の顔の見える
    選挙しかないでしょうね

  2. カルロス より:

    >日本の政治家は利権と地元の一票の為に莫大な無駄が金使います
    >突き詰めると選挙制度を変えないと連呼と選挙事務所をやめてマスコミを利用した金のかからない候補者の顔の見える選挙しかないでしょうね
    「自民党が負けない50の理由」という本があります。
    これを読むと、いかに日本の国民が自民党の蜘蛛の糸にからめられているか如実にわかります。
    地方の農民は統制と補助金、都市サラリーマンは住宅ローン、商工業者は優遇税制、いずれも自民党政治にすがらないと生きていけない構図になっているそうです。
    私は国民が民主主義国家の市民になるためには余程の変革が必要と感じてます。

  3. k国 より:

    カルロスさん火の国への書き込み有難うです
    場所は小国町で熊本県ですが山の向こうは
    大分県です
    湯布院や別府が有名ですが良い所は沢山あります、我々も有名になって観光客がどっと来るより静かな方がいいのでそっとしてます
    地元は一生懸命にPRしてますが
    ローカルの粋を出てません
    大分は瀬戸内海の速い流れの中で揉まれた魚が旨いのです,鯵、鯖、カレイ、ふぐに勿論鯛も有ります、私も県外に出て大分は魚が旨いんだって気がつきました
    大分は平地が少なく耕地が無いので貧乏県ですが景色が良いのです
    段差のある構造ですので滝が多い
    耶馬溪のように奇岩の渓谷も多いのです
    五キロほどの一枚岩の渓谷もあります
    石橋や磨崖仏の数は日本一で何百と言う数です、別府は温泉の数も半端じゃなくて
    二位をブッちぎって一番で
    只の温泉の数も探せばイクラでもあるので
    定年で都会から移住してくる人が多いです
    物価が安くて食べ物が安くて旨いので
    皆さん満足してますよ
    大分においでの節は良い所に案内しますよ
    宿泊はゲストルームが空いてます

  4. カルロス より:

    >只の温泉の数も探せばイクラでもあるので定年で都会から移住してくる人が多いです
    それは羨ましいですね。
    私も一つ考えてみようかな?
    >大分においでの節は良い所に案内しますよ
    >宿泊はゲストルームが空いてます
    ありがとうございます。
    その節は是非に

  5. monday1717 より:

    北海道新幹線の起工式が
    ことし6月に行われました。
    工事ははじまったばかりです。
    講演会で、反対派を集めて、
    工事現場をヒューマン・チェーンで囲みましょう。
    まだ間にあいます。
    ゲームソフトのテトリスフィアーみたいに、
    計画倒れにもちこめるかも知れません。

  6. カルロス より:

    monday1717さん、わざわざ場末(!?)のコラムサイトにお越しいただきありがとうございます。
    私は関東在住なので、なかなかそういった運動に参加できませんが、成果を期待しております。

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