凶悪再犯者に終身刑を

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日本地図とビジネスマン

一般の人は「無期懲役」というと、犯人はずっと刑務所にいるもの、つまり終身刑だと思っているだろう。

しかし、刑法に絶対終身刑はなく、刑務所で模範囚として振舞えば(改悛していると認められれば)無期懲役でも早ければ10年超で仮出獄(刑法第28条)が可能だ。

ちなみに有期懲役の場合、原則として最高刑は20年、加重されて30年、その3分の1を経過すれば仮出獄の条件の1つを満たすことになる。

要するに、刑務所にいる間だけ嘘の涙を流し、懺悔でもして看守を騙せばそうなる可能性もある。
人を殴り殺しておいて(傷害致死でも)数年で出所するヤツがいるというのはこういう仕組みによるものだ。

ストッキさん宅の放火事件で、殺人(刑法第199条)、現住建造物等放火(刑法第108条)などの罪に問われた竹山裕二(38)に宮崎地裁が判決を言い渡したのは2005年6月30日のこと。

現行法でもこれらの犯罪の最高刑は死刑なのだが、宮崎地検はストッキさんに「直接殺害に及んでいない」と説明し、無期懲役を求刑した。
彼は、公判中も再三の意見陳述で犯人が社会に出られない判決を望み、閉廷後も「裁判をやり直してほしい。竹山被告は刑務所を何回も出入りしている。人を殺してもまた社会に出る。死んだ妻と娘がかわいそうだ。この国の法システムはおかしい。」と怒りをあらわにしたという。

その怒りの矛先は最高刑である死刑を求刑しなかった検察と、求刑を超える判断をしようとしなかった裁判所の双方にあるのだろう。
もっとも今の司法を見ていると冤罪事件が起こる可能性も十分にあるので、安易に死刑を言い渡せば取り返しがつかない事態もあろう。

だからといって被害者感情からすれば、放火殺人まで犯した者が、十数年で出獄する可能性があるというのは許しがたいものがある。
そういう死刑と無期懲役の間を埋める終身刑、あるいは超長期、例えば外国のように懲役100年とかいう有期懲役を導入するわけにはいかないのだろうか。

ストッキさんは「凶悪再犯者に終身刑を」という趣旨で署名活動しながら全国を回っているという。
しかし、署名活動が効を奏して法務大臣に提出できたとしても、誰がどんな理由で終身刑の導入に反対しているのかというのが白日の下に晒されない限り、彼の運動は身を結ばないだろう。

地方新聞や大新聞の地方版で彼の署名行脚が時折報じられているが、重要なのは署名を集めた後の法務当局、あるいは国会議員の活動なのだ。
当然ながら世論の後押しをし、政治家を動かすのはメディアの仕事の1つだ。
メディアにはストッキさんの活動報告をするだけでなく、最後までしっかりと仕事をしてもらいたいものだ。

放火で妻子失ったストッキさん 「凶悪再犯者に終身刑を」 (2006.7.8 読売新聞横浜版)

自宅を放火されて妻子を失ったイタリア雑貨輸入業ストッキ・アルベルトさん(50)(イタリア・スイス両国籍)が、仮釈放のない終身刑の創設を求める署名活動のため(神奈川)県内を訪れている。

放火犯の竹山裕二(筆者追記、原文は単に男)は窃盗罪などで7回も服役し、出所から2年後の2004年に、ストッキさん方に侵入して56万円を盗み、火を放った。妻の公子さん(当時46歳)と、次女の友里恵さん(同12歳)を失った。
男は無期懲役が確定している。

ストッキさんは、男が早ければ十数年後に仮釈放されることを知り、「死刑と無期懲役の差がありすぎる。凶悪な再犯者は二度と刑務所から出られないようにすべきだ」と友里恵さんが好きだったバイクにまたがり、制度改正を求める署名活動の旅に出た。
走行距離は5万6000キロに達し、4万5000人以上の署名を集めた。

8日まで、県内の教会や寺、学校などを訪ねて署名活動をする。
10万人分の署名を集め、法務大臣に提出するのが目標という。
来日31年目のストッキさんは、広島市安芸区の小学1年木下あいりちゃん(当時7歳)殺害事件など子供を狙った事件で無期懲役判決が出ていることを批判し、「夜でも戸締りの必要のなかった安全な日本をもう一度取り戻したい。これ以上自分のような犯罪被害者を増やしたくない」と訴えている。

署名活動の問い合わせは、ストッキさんのメールアドレス minervai@rhythm.ocn.ne.jp へ。

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