ごくろうさまグリーンスパン議長

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ニューヨーク証券取引所

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB/The Federal Reserve Board)のアラン・グリーンスパン(Alan Greenspan)氏が約18年間にも及ぶ議長職を本日退任し、次期議長として指名された大統領経済諮問委員会(CEA/The U.S. President’s Council of Economic Advisers)のベン・バーナンキ(Ben Bernanke)委員長にバトンタッチする。

グリーンスパン氏は、1987年8月11日、ロナルド・レーガン大統領によって連邦準備制度理事及び議長に任命され、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領、民主党のビル・クリントン大統領も彼を議長に任命、2004年5月18日にはジョージ・W・ブッシュ大統領が米国史上前例のない5期目の連邦準備制度理事会議長に任命した。

また、彼は第1期目の議長就任直後に起こった1987年10月のブラックマンデー(Black Monday)による暴落相場、そして、1997年7月のアジア通貨危機(Asian currency crisis)、1998年8月のロシア金融危機(Russian financial crisis)にうまく対処し、1990年代のドットコムブームによる活況相場を演出したことで、アメリカの内外からその手腕を賞賛され、市場の神様とさえ言われた。

そして彼は最後の連邦公開市場委員会(FOMC/Federal Open Market Committee Meeting)に臨む。
ここでは政策金利の0.25%引き上げが確実視されているようだが、新議長の金融政策がどんなものになるかも市場関係者の注目となっているようだ。

サーベラス・グローバル・インベストメンツ(Cerberus Global Investments)のダン・クエール(Dan Quayle)会長は昨年10月25日の「世界経営者会議」で、「これからの半年、1年間は、よほど大きな経済環境の変化がなければ、(バーナンキ議長の政策は)グリーンスパン路線から大幅に乖離(かいり)する可能性はないだろう」と述べたという。

今日の株式新聞は「TOPIX上昇加速、6年ぶり高値視野」との記事で、2000年2月高値1,754ポイントが視野に入り、今後は目標達成感が広がると指摘、1月31日のFRB議長の交代で「ヘッジファンドの売り仕掛けも予想され、目先的には節分天井になる懸念も」(中堅証券)との声もある、とのことだった。

活況を呈する大手銀行株も「買い主体は個人で、外国人は売りが目立つ」と・・・
あいにくアメリカ東部時間で10時(日本時間の0時)現在、ニューヨーク市場は下げて始まっている。

私は「ヘッジファンド」の売り仕掛けがあるという噂が杞憂に終わることを祈っている。
市場の神様が去ったのでさっそく下落相場なんていうのはご勘弁願いたいからだ。

いずれにせよ、長い間ごくろうさまでした。グリーンスパン様。

コメント

  1. FRBとFOMCはどう違うのか?〜米国の連邦準備制度の仕組み

    先日、米国の金融政策を決める連邦準備制度理事会(FRB)の議長がグリーンスパン氏からバーナンキ氏に交代した。バーナンキ氏は、現在のところグリーンスパン氏の示した利上げの方向性を変えてはいないが、目下のところ「利上げがいつ終了するのか」が米国金融関係者の最大の関心事となっている。新聞やテレビでは、議長の交代に関してはかなり報道されたが、連邦準備制度そのもの、そして公開市場操作を行うFOMCはどんな組織か?FRBとFOMCはどう違うのか、などについては、あまり報道されていない。今回はその組織構造について…

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