今日、ロイター通信社より、中国人民元の切り上げが2005年の第3・四半期(7-9月期)にあるのではないかとの米投資銀行JPモルガン・チェース(J.P.Morgan Chase & Co.)の観測記事が流れた。
2003年以降、新聞紙面を賑わしている人民元の切り上げ問題だが、実質的に米ドルに固定されている中国の人民元に対して、主要各国からの切り上げ圧力は日に日に高まっていた。
JPモルガン・チェースによれば、これまで、何とか各国の圧力をかわしてきた中国政府が、どうやら徐々に変動幅を拡大するといった方法で固定相場制からの脱却をはかろうということらしい。
私はHSBC香港を通じて中国・香港株式の取引をしているのにもかかわらず、この問題については深く考えていなかった。
理由の1つには香港在住者でないと「人民元取引サービス(Renminbi Service)」を使えない(RMB deposit service is only applicable to HKID cardholders.)ということもあったが、株価に影響するとあっては考えないわけにはいかない。
去る2004年2月7日の中国株投資セミナーで、ユナイテッドワールドインベストメントジャパンの取締役でもある戸松信博氏は、「人民元の切り上げが中国株に及ぼす影響について彼は一時的な下落はあるものの、中期的には上昇すると見ている。理由はニクソンショックからバブル期にかけて円がUSドルに対して高くなっても日本株は右肩上がりで上昇したからだという。つまり歴史が証明していると・・・
要は、外国人投資家が外国株に投資する理由は、その国の企業の成長性はもとより、為替差益も得て一粒で二度美味しい思いをしたいと願うからだ。
そう考えると中国株への投資妙味は十分にあるかとも思う。」
と述べていた。「今日の一言(2004.2.8)」
要するに、彼の言う「一時的な株価の下落」というのがどの程度で、どのくらい続くかというのが問題なのだ。
まして今の中国の高度成長を支えているのは外資だし、春先の反日デモはチャイナリスクを世界に知らしめるには十分過ぎる出来事だった。
ただ、元高ドル安になるということは、中国が欲している原材料の調達コストを引き下げるというメリットもあり、一概にはマイナスとも言い切れない。(日本の円高ドル安でも、こうしたメリットはあるはずだが、不思議にもこうした趣旨の報道がほとんどされないのはなぜか?)
それを計りかねて中国政府が出したアドバルーンが、今回の「人民元の変動幅を2-3%拡大する」というものなのかもしれない。
いずれにせよ、夏から秋にかけての中国株の売買にはよりいっそうの慎重さが必要だろう。
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コメント
ご無沙汰してます。何とか中国で生きてます。
ところで、人民元の切り上げ、やっぱりやりますか…
人民元給与でσ(^_^)にとって見れば、元安・円安の方が
いいんですけどね…^^;
やると言われてますが、今や世界の話題はテロになってしまいましたね。
給与は人民元ですか。
元高がいいのでしょうね。元高・円安の間違いですか?
カルロスさん、毎度です。小生のBLOG書き込み有難う御座います。
やっぱり予想されたようにやられましたね。それにつられるかのように円高…給料が日本円に換算したときにどこまで減るのか心配です。