個人情報保護のお寒い現状

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レッドカードを出す女性

今日の新聞記事に書いてあるようなことは昨今、珍しくも何ともないことだ。
今年に限ってもソフトバンクジャパネットたかた日本興亜損保などの個人情報流出事件が新聞紙上を賑わしている。

大きく分けて原因は2つ、1つは内部社員(退職した元社員を含む)が関わった犯行、もう1つは記事にあるようなお粗末なパソコン管理が原因だ。

私はかつて読んだ雑誌の記事の中で、中途採用や解雇が当たり前のアメリカ企業でさえ、セキュリティに万全を期している会社は、情報管理部門の社員は「終身雇用」に近いレベルの保障を与えているということを読んだ記憶がある。

対象的に日本ではそういう認識が薄く、コスト削減のためには手当たり次第に正社員を減らし、非正規雇用の社員だけで会社を運営するようなことが平気で行なわれている。

つまり、今の時代、顧客情報は金の成る木であり、それを管理する人間が、「いつ辞めさせられるかわからない、ボーナスもなければ給与も安い」スタッフであれば、首を切られた瞬間に「退職金代わりに」そういう情報を持ち出すことは十分に考えられることなのだ。

場合によっては在職中にそういうアルバイトに励んでも不思議でも何でもない。
アメリカでは社員が解雇された瞬間にIDカードは使えなくなるというが、個人情報漏洩が問題になった日本の会社ではそういった基本的なセキュリティがなかったところもある。

そういった意味で消費者の側も利用する用途に応じて有料のサービスと無料のものを使い分ける必要があるだろう。
何が何でも安ければいい、あるいは無料がベストという感覚でいるとバカを見ることになりかねない。

2002年12月18日のJapan Timesの記事「Discount travel agents take the unwary for a ride (格安旅行業者には騙されやすい)」にある、”Compare the price with those of other agencies. Use caution if the agency is offering an exceptionally cheaper deal than others.” (価格をほかの業者と比較し、あまりにも安すぎる価格を提示している業者には注意せよ)というのは、個人情報に関してのセキュリティがしっかりしているかを判断するときの指標にもなる。

顧客サービスを無料で提供するコストは、どこかで転嫁されているというのはビジネスの常識だ。
その会社のほかのビジネスが稼いでいるのか?WEB広告を出している企業が払っているのか?社員をこき使っているのか?あるいは貴方の情報を裏で流しているのか?
少し考えた方がいいだろう。

後者の場合の問題点は、根本的なこととして、車の中に札束を剥き出しで置いておけば誰もが車をこじ開けて盗んでいくに決まっている、という発想がないことにある。

会社の持ち物であれば内部情報、個人の持ち物であれば住所録やメールアドレス、携帯電話番号、あるいはネットバンキングなどのIDなどがハードディスクに入っているのだから、場合によっては札束より価値を生む場合すらあるのだ。

廃棄処分にされたパソコンからでさえ、ハードディスクを取り出して情報を盗もうという輩はいくらでもいるのだから、日本IBMのようにパソコンを廃棄する時は、金槌でハードディスクを破壊するといったレベルのことが必要なのだ。

それなのにアクティブなパソコンを車内に放置して出かけるということ自体、私に言わせれば論外である。
おそらくそういった社員教育は無きに等しいのだろう。

私たちの個人情報はこういった人々に渡り管理されているのだ。
いくら消費者団体が叫び、法律を作り、政府が行政指導しても情報はどこからでも漏れるのだ。

だからこそ、不必要な情報提供には注意すべきだし、高度な個人情報を渡さなければならない、例えば資産運用相談などはそれなりの対価を払うべきなのだ。
「只より高いものはない」
先人はよくいったものだ。

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通販のムトウ、秋田県の顧客情報4400人分盗まれる (2004.12.25 読売新聞)

カタログ通信販売を行っているムトウ(本社・静岡県浜松市)は24日、同社秋田事務所(秋田市)の営業車1台が車上荒らしに遭い、訪問販売事業の顧客4418人分の個人情報が入ったノートパソコン1台と、うち400人分の情報を印字した紙が盗まれたと発表した。

個人情報は住所、氏名、生年月日、商品の購入歴などで、秋田市や横手市など秋田県内の顧客という。

同社の説明によると、秋田事務所の男性社員(45)が23日夜、秋田市内の飲食店で飲食した後、営業車を駐車場に置いたまま帰宅。
24日午後1時ごろ、営業車を取りに行ったところ、パソコンなどが無くなっていた。社員は顧客あての年賀状を作成するため、パソコンを持ち帰ろうとしたという。

同社は24日、秋田県警秋田臨港署に被害届を出すとともに、顧客に事情を説明し、謝罪している。

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