ANAのウェブサイトでぬか喜び~CPCの含まれたうがい薬で新型コロナウイルスは殺菌できるのか

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驚く外国人男性

コロナ禍で業績が悪化している空運業界の一つ、ANA(コード:9202)が自身のウェブサイトで「PCR検査キット(ご自宅での新型コロナ検査)のご紹介」をしている。
自宅で行えるPCR検査キットが1回当たり9,900円(税込、送料・返送料込)、英語併記の陰性証明書も2,750円(税込)で発行してもらえる。

ANAライフステップサービス PCR検査

これだけなら特筆すべきことではないのだが、ページを下にスクロールして「注意事項」を読むと、世界保健機関(WHO=World Health Organization)を始め、世界中の人が喜びそうなことが書かれている。

ご注意事項

  • 発熱のある方は本検査の対象外です。
  • 唾液採取前は、最低1時間は飲食、喫煙、うがい、歯磨きをしないでください。
  • 消化酵素により、感度が低下する場合があります。また、マウスウォッシュ、のどあめ、のどスプレー、ガム、歯磨き粉には、菌剤のCPC(塩化セチルピリジニウム)が含まれているものがあり、コロナウイルスを殺してしまう可能性があります。

これを読んだ私は、ノーベル賞ものの大発見が書かれているのかと思った。

口腔殺菌消毒剤の塩化セチルピリジニウム(Cetylpyridinium Chloride)を使えば、新型コロナウイルスが低減できたり、殺菌できるなら、ワクチンを打つ必要があるどころか、世界中でロックダウンだの緊急事態だの言っているのは、どこぞの政治結社の陰謀なのかと思うだろう。

それに、富士フィルム和光純薬の製品に塩化セチルピリジニウムがあるということは、あながち富士フィルム(コード:4901)が新型コロナウイルスの治療薬候補であるアビガン錠の製造をしているのと無縁なことではないと感じた。(富士フィルム-新型コロナウイルス感染症への取り組み

グローバル化する世界

一方で、現時点では世界中に新型コロナウイルスのワクチンを供給しているファイザー(Pfizer, Inc. コード:PFE)の株価が、何でこんなに低迷しているのだろう。

また、日本の政治家が国民に外出を自粛させて、自分たちが平気で会食を続けているのは、こういうことかと勘繰るだろう。
第一、彼らはほとんど新型コロナウイルスに感染したとは聞かないし、三密の中で会議をしたり、会食したり、しかも、高齢者ばかりだ。

しかしながら、このANAのウェブサイトが、フィッシングサイト(偽サイト)の可能性も否定できなかった。
「マウスウォッシュ、のどあめ、のどスプレー、ガム、歯磨き粉」で新型コロナウイルスが殺菌できるなら世界中が騒いでいるからだ。

私は、真偽を確認するためにANAライフステップサービスに問い合わせをした。

ANAのウェブサイト記載の菌剤のCPC(塩化セチルピリジニウム)に関しまして

  • コロナウイルスの低減あるいは殺菌の効果は確認できておりません。
  • マウスウォッシュ、のどあめ、のどスプレー、ガム、歯磨き粉に含まれるCPC(塩化セチルピリジニウム)が消化酵素により、感度が低下する場合あり、検査結果に影響を及ぼす可能性がある為、記載させていただいております。

ANAのウェブサイトも、この回答のように書けばいいと思うのは私だけだろうか。

いずれにせよ、そこに書かれていたことは、わかり切っていたかもしれないが、ぬか喜びに過ぎなかったということだ。
そして、世間で言われるPCR検査の偽陰性とは、検査前1時間内に歯磨きやうがいをした人のことかと思った。

タブレットを持つビジネスマン

しかしながら、塩化セチルピリジニウム(CPC=Cetylpyridinium Chloride)が新型コロナウイルス(COVID-19)に効くのではないかという仮説は、あながち荒唐無稽なことではなさそうだ。

チリのラ・フロンテラ大学(Universidad de La Frontera)で「Cetylpyridinium Chloride as a Tool Against COVID-19(新型コロナウイルス対策ツールとしての塩化セチルピリジニウム)」という研究論文が公開されているからだ。

そうとは言え、「The effect of Cetylpyridinium Chloride over SARS-CoV-2 has not been proved.(新型コロナウイルス感染症に対する塩化セチルピリジニウムの効果は証明されていない。)」と結論づけられているので、現時点では仮説のままとなっているのだろう。

ちなみに、楽天市場などのショッピングサイトで、塩化セチルピリジニウムと検索すると、これが含まれる製品がヒットする。
例えば、大正製薬の「デントウェル マウススプレー」や、ライオンの「アルペン うがい」、「アクアバランス 薬用マウススプレー」などだ。

とりあえず、新型コロナウイルスに関して、効果的な対策ができるまでは、インフルエンザ同様に、ベタな感染防止対策の一つとして、うがいがあるのだから、騙されたと思って、塩化セチルピリジニウム(CPC=Cetylpyridinium Chloride)の含まれたうがい薬(mouthwash)を使ってみるのも悪くない。

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