今日は終戦記念日だったのだが、いつになくその話題がクローズアップされていなかったような気がする。
ここ2~3年は、小泉首相が靖国神社に参拝するとか、しないとかが話題になっていたことを考えると覚醒の感がある。
理由は一つ。
8月13日から始まったアテネ五輪だ。
ここでいきなり柔ちゃんこと谷選手が、シドニーに続いて金メダルを取ったことで、日本中のメディアの話題はそっちへいってしまったようだ。
そういった意味では、日本の政府要人が靖国神社へ行くことを騒ぎ立てているメディアの本音が透けて見えてこようというものである。
はっきり言って新聞が売れればどうでも良いということだろう。
先週は旧盆の連休に当たっていた人も多かっただろう。
海外旅行へ行った人も多かっただろうが、国内の温泉地へ行った人もいるだろう。
その温泉だが、いったい「何なんだ!お前ら」というニュースが相次いでいる。(関連記事)
私が昨年の9月13日に「温泉を考える」ということで、愛知県の吉良温泉がもはや温泉が出ないのに「温泉」を名乗り続けた事件を取り上げてエッセイにしたが、今やそんなことが序の口レベルになってしまったようだ。
白骨温泉が白濁しなくなったので「入浴剤」を使って白くしていたなんて許せる範囲だ。
なぜなら白骨温泉は白濁しないだけで未だに「温泉」だからだ。
それ以外の「最初から温泉でもない」のに「温泉」を名乗って営業するなんて詐欺まがいのことをやっているのはいったい何なのだ。
こんなことが次から次へと出てくれば、ますます日本の観光地からお客は逃げていく。
そういったことを関係者はわかっているのだろうか?
今の事件を本物の温泉地の人たちは苦々しく思っているに違いない。
ところで、昨年発足したという「温泉を考える懇談会」はどうなったのだろうか。環境省自然環境局のサイトを見たところ「温泉の保護と利用に関する懇談会」として何回か会議をやってるようだが、踊る大捜査線で織田裕二が言った名句(!?)、「事件は会議室でなく現場で起きている」というのをを言いたくなる人もいるのではないだろうか?
海外ではレストランやホテルなどで行われている格付け、順位付けを嫌う日本の関係者の間では著しく不評で実施すべくもないというが、もはや日本の温泉も格付けが必要なときが来ているかもしれない。
最後に日刊ゲンダイ(2004.8.12)で掲載されていたニセ温泉に騙されない方法の1つに「これは、温泉ではない」という著書がある札幌国際大教授の松田忠徳氏(温泉文化論)曰く、「湯量が豊富で不正をする必要がないところを選べ」というのが書いてあった。
こういった観点での彼のお薦めは、草津(群馬)、那須塩原(栃木)、鳴子(宮城)、十津川(奈良)、黒川(熊本)だそうな。
そのほか、一般の温泉ガイドでなく「湯治」を目的とした本を探すことであるという。
つまりセミプロが読者だからウソが少ないというのが理由だと彼は言う。
日本の観光地のコンセプトで「温泉」というのは大きなウエートを占める。
私の友人であるノリなどは温泉旅館でなければ、日本で泊まる価値はないとまで言い切る。
その日本の文化の象徴である「温泉」までマガイものが出るとしたら日本の観光地はいったいどうなるのだろうか?
コメント