去る6月30日の新聞各紙に東証マザーズ上場のインターネット検索サイト大手のライブドア(本社・東京、堀江貴文社長)が、近畿日本鉄道に対し、プロ野球の大阪近鉄バファローズの買収を打診していたことが載っていた。
しかし、当事者の近鉄の幹部はもとより、日本プロ野球界の衰退の象徴とも言える、頑迷な渡辺恒夫・巨人オーナーは、プロ野球に新たに参加する球団はオーナー会議の承認を得なければならない、という規定を楯に取り、「加盟できないんだよ。おれが知らない人は入るわけにはいかない。プロ野球というのは伝統がそれぞれ(の球団に)ある。金さえあればいいというもんじゃない」という老害むき出しのコメントを撒き散らして、その他の球団首脳も彼を恐れて右へ倣えの態度を決め込んだ。
私は21世紀になってからさらにつまらなくなったプロ野球にほとんど見向きもしなくなっていたが、このコメントにあきれ果て、ベンジャミン・フルフォード(Benjamin Fulford)の最新刊である「泥棒国家の完成」の一説にあった「泥棒国家の管理者たちは日本が世界をリードできる分野のことについての知識はまるでない、なぜなら彼らが票と金をもたらさないからだ。」というのを思い出した。
考えてみればマスコミの勲章亡者たちも泥棒国家の管理者の一味なのだ。
ナベツネがITベンチャーの経営者など知ろうともしなくても不思議ではない。
ベンチャーの成功者は泥棒国家の管理者とは敵対せざるを得ない勢力であり、会いたくも話したくないというのはよく理解できるからだ。
ちなみに「泥棒国家(kleptocracy)」とは政治的腐敗の最終形態であり、そこには見せかけの誠実さも残っておらず、政府はその支配を永続かつ強化するためだけに存在すると定義される。
すなわち今の日本であり、北朝鮮でもある。
この下では国民は真実の姿を知らされることもなく、「この世はこんなものだ」と信じ込まされる。
話を戻そう。
今日の日刊ゲンダイに「渡辺オーナーがライブドアの近鉄買収を拒否したもう1つの理由」というのが載っていた。
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オリックスとの合併交渉を進める近鉄の買収に名乗りを上げた「ライブドア」の堀江貴文社長(31)がきのう(4日)の大阪ドームで近鉄-オリックス戦を初めて観戦した。試合後、ドームを出る堀江社長にファン約1,000人が殺到し「頑張れよ!」と大拍手を送った。
近鉄ファンならずともオリックスとの合併による球団消滅→1リーグ制移行がプロ野球をつまらなくすることはわかっている。ところが球界のドン、渡辺恒夫・巨人オーナー(78)は、「買収は決着済み、金さえあればいいってもんじゃないよ」と否定し、各球団オーナーもナベツネに恐れをなして右へならえだ。
そのナベツネの「ライブドア」排除について新たな見方が出てきた。
球団関係者が言う。
「巨人サイドはプロ野球のインターネット中継を恐れているのです。球界がナベツネに逆らえないのはひとえに巨人戦の放映権料。他球団がホームで巨人戦をやると1試合1億円、年間14試合で14億円が入る。もちろん巨人にも金が入るから他球団に恩を売りつつ、常に自分も儲かるシステムです。
ところがインターネット放送になったらどうか。
IT産業のライブドアはすでにそのノウハウを持っていますから、巨人の地上波・衛星波独占のうまみはなくなる。ライブドアの参入は球界を牛耳る巨人にとって死活問題なのです。」
インターネット中継はパソコンで見るだけではなく普通のテレビにつないでも見れるから、プロ野球中継はガラリと変わる。実は外国ではサッカーやオリンピックでも既存の波とインターネットが激しい攻防を始めていて、やがてはインターネットで世界中がスポーツ中継を見られるようになるのは時間の問題だ。
ナベツネ VS. ライブドアの対立は球団買収でなくメディアの新旧攻防戦なのである。************************
とのことだ。
あと私はスポーツ新聞のシェアーや売り上げのこともあると思っているし、プロ野球界の内幕がネットで流れ、今までのドン支配が崩れることを何よりナベツネは恐れているのだと確信する。
いずれにしろ、官僚ならず民僚とも言える球団首脳の頭の硬さ、優柔不断さ、それにボスであるナベツネへの媚びへつらう様を見て、私は日本のプロ野球界も公的資金で救済されゆくソンビ企業群と同じに感じた。
ひょっとして長嶋さんのファンの多い政界の爺さんたちは、プロ野球の球団も公的資金で救うという法案を出すのだろうか?
まあ、その前にナベツネよ!さっさと政界の爺ともども表舞台からいなくなってくれ!お前のような奴は日本の将来にとって邪魔だ。
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