日本の医療現場のお寒い実情

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苦悩する女性

今日の朝日新聞の記事「麻酔科医、慢性的な疲労 6割が医療ミスを心配」にあるようなことは看護師の世界ではよく話題にはなっていたが、予想通り医療全般の問題であったようだ。

でもこうなった最大の原因は、何かあるたびに「お前の気が緩んでいたからいけない」とかふざけたコメントをしただけで根本的なことを正そうとしなかった奴らではないか。
たぶん、今度も「発表した」「改善が望まれる」とするだけで、何も変わらないような気がする。

今、私はロバート・キヨサキ(Robert Kiyosaki)の「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法(Rich Dad’s Retire Young, Retire Rich: How to Get Rich Quickly and Stay Rich Forever!)」という本を読み始めたが、中のいたるところに「夢を語るだけで、そうなるための行動を起こさなければ夢はずっと夢のままである」という意味のことが書いてあるが、この言葉はこうした諸問題の解決にもそれは当てはまる。

日本の社会構造がいたるところで綻んでいるのに変化が遅々としているすべての原因は「あるべき結果に向けて行動する意思の欠如」にほかならない。

問題解決に外圧がなければ何も変えられないのであれば、それは思考を停止しているとしか言いようがない。
私はそういう人たちを白痴と呼ぶ。

麻酔科医、慢性的な疲労 6割が医療ミスを心配 (2004.5.26 朝日新聞)

手術中の患者の全身管理を担当する麻酔科医の多くが長時間の連続勤務や残業を強いられ、6割が医療ミスを心配している実態が、日本麻酔科学会の初の調査で分かった。

大学病院では残業が月平均108時間と、過労死の労災認定基準で「発症との関連性が強い」とされる水準に達し、平均月4.2回の当直の翌日も通常勤務が大半だった。
医師の大規模な勤務実態調査は珍しい。
名古屋市で開かれる同学会で27日、発表する。

日本産業衛生学会と協力し、大学病院116(回収率71%)、一般病院1525(同47%)、麻酔科医個人800人(同34%)を対象に調べた。常勤の平均人数は大学が10.1人、一般が2.6人で、1人当たり1年間の全身麻酔症例は大学296回、一般388回だった。 

症例が多い麻酔科医ほど、6時間以上の長時間手術や、手術が午後5時以降の時間外にずれ込む日数も多い傾向があった。
月に38回以上全身麻酔をする医師では長時間手術が平均月8.4回、時間外にずれ込む日が15.1日に上った。

麻酔科医は手術中ずっと呼吸や心拍、血圧など患者の全身状態の管理を担い、手術の限界を判断するため、「患者の弁護士」と例えられることもある。 

だが大学病院の51%、一般病院の69%が「長時間手術でも原則、終了まで1人で行う」と回答。
長時間連続して強い緊張にさらされていることが分かった。
休憩なしに緊張を持続できる時間は90%の麻酔科医が「4時間以下」とし、59%が「医療ミスをしないか気にかかる」と現状に不安を覚えていた。 

月の残業時間は、他施設への応援を含め大学が平均108時間、一般が53時間。
これに院内での当直が大学で4.2回、一般で2.6回、緊急時の呼び出しに備えて自宅待機する宅直が大学で5回、一般で11.6回加わった。
しかも当直明けの勤務条件は大学、一般とも90%以上の病院が通常通りの「全日勤務」だった。

厚労省による過労死の労災認定基準では「脳・心臓疾患の発症は、時間外労働が月45時間を超えて長くなるほど業務との関連性が強まり、発症前1カ月間に約100時間を超えれば関連性が強い」とされる。

日本では従来、外科医自ら麻酔をかけることも多かったため、欧米に比べ、麻酔科医は少ない。
患者の安全確保で近年、麻酔科医の重要性が再認識されて需要が高まり、負担が増してきた。

調査に携わった労働科学研究所(川崎市)の酒井一博・常務理事(産業疲労研究)は「慢性的な疲労状態が続けば、医療事故が起きても不思議はない。
病院として医師の働き方を点検し、改善してほしい」と指摘する。

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