選挙報道に見る大マスコミの怠慢

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外国人ビジネスマン

総選挙を明日に控え、今夜のテレビ番組で「政治記者は選挙報道が命」めいたことを新聞の論説委員が言っていた。
たぶん本当にそうなのだろう。


いわば当確発表の速さと候補者の当落予測が当たったかが重要で、それ以外の特に公党の公約が実現されているのかを報道するのは命ではないらしい。

事実、おやじ夕刊紙の日刊ゲンダイは11月5日、心ある選挙民の投票意欲を無くさせる大新聞の選挙情勢予想報道と題してこういう趣旨の記事を載せている。
つまり、こういう報道が大マスコミの政治記者にとって最も重要で、存在感をアピールするチャンスなのだ。

一面トップにデカデカと「自民単独過半数の勢い」「与党安定多数の勢い」などとなぜ流すのか、一体誰の利益のために流しているのか。
先進国で政権交代のない選挙をやっている国は日本だけ。
この国は北朝鮮や中国と同じだと欧米では笑われている。

態度保留の3割以上の無党派層による選挙結果の大変動はあるのか。
小泉自公保デタラメ政権をあと3年も継続させたら恐らくこの国はペンペン草も生えなくなること必至だが、有権者は本当にそれでもいいのか。

それに加え、天才パフォーマーの小泉首相が「自民党の比例公認73歳定年制」を楯に元首相の宮沢氏と中曽根氏に引導を渡すのはいいが、それ以外の老タヌキが全くの無傷だというのはどういうわけかとも報道している。

つまり、おやじ夕刊紙を読まない層、主婦や高齢者は完全にパフォーマー小泉の虜というわけだ。
それに一役買ってるのが日本の大マスコミだ。

小選挙区立候補者には定年制を適用しないという自民党の方針に対し、何も言わないマスメディアについていかがだろうか。

ついでに大橋巨泉氏も自身のエッセイで触れていた元外務省レバノン特命全権大使の天木直人氏が書いた「さらば外務省!―私は小泉首相と売国官僚を許さない」を読めば、いかに小泉冷血内閣を続行させてはいけないかということが理解できよう。

ついでながら2003年3月26日に社会民主党の辻本清美議員が秘書給与流用疑惑で、2003年6月24日に共産党の筆坂秀世議員がセクハラ疑惑と、政界にしては瑣末な犯罪疑惑で国会を追われたが、彼らが政権与党にとってうるさ型の議員であり、邪魔だったからなのだと私は確信している。

特に筆坂議員は官邸機密費の疑惑に対して与党を追求してからだ。
そして、スキャンダルで政界を追えなかった石井紘基前民主党衆議院議員は暗殺(記事:毎日新聞Guardian Unlimited)されたのだ。

もはや1人、2人を変えてもダメ!総入れ替えが政界には必要だ。
そうでなければ、自民党の中流階級抹殺政策により、良質な市民と有権者は激減するだろう。

つまり、市民に政治意識など持ってもらっては困るという政策が根底にあるのだから・・・
ホームレスや自殺、過労死のニュースが駆け巡る昨今。
「明日は我が身なりしや」との認識があれば棄権などできないはずだ。

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小泉首相-両元首相以外は引退勧告せず
「新生自民党」なんてチャンチャラおかしい
(2003.10.25 日刊ゲンダイ

党の若返りや世代交代のパフォーマンスに中曽根康弘(85)と宮沢喜一(84)の両元首相をセットでクビにしようとした小泉首相は、アテが外れて頭を抱えているかもしれない。
しかし、老醜をさらしているのはこの2人だけじゃない。他の連中も引退させなければ、”新生自民党”なんて大ウソだ。

「今回の衆院選で、自民党は比例単独なら定年にひっかかる73歳以上を13人も公認している。
この面々は老害批判なんてどこ吹く風です」(永田町関係者)82歳の山中貞則元通産相(鹿児島5区)は前回の選挙ポスターに「最後の御奉公」と掲げていた。

政界引退を”公約”にしていたはずだが、「周囲からもう一回気張ってくれと言われて、人生意気に感じた」と知らんぷり。
農政連などの支援を”武器”に余裕綽々である。

宮沢元首相と同年齢の相沢英之元金融再生相(鳥取2区)は、世代交代を求める周囲の声にも、「老・壮・青のバランスの取れた年齢構成が自民党の力」とへっちゃらだ。
元秘書が公認を決める予備選の実施を求めたが、前職優先の原則をタテにはねのけた。

79歳の中山太郎元外相(大阪18区)は弟の中山正暉元建設相(71)が引退したというのに、現役続行を宣言。
「比例じゃないし、年齢だけで引退を決めるのはおかしい」(事務所)と強気である。

73歳の堀内光雄総務会長(山梨2区)は、宮沢の引退表明に「さわやかに結論が出たことには心から敬意を表している」とコメントしたが、自分はどうなのか。
「選挙戦は創価学会との太いパイプを生かして先行している」(地元関係者)といわれ、まだまだ政界に居座るつもりだ。

ほかにも76歳の大木浩(愛知8区)、綿貫民輔(富山3区)、武藤嘉文(岐阜3区)、75歳の森山真弓(栃木2区)、74歳の松永光(埼玉15区)、増田敏男(埼玉12区)、73歳の野呂田芳成(秋田2区)、小里貞利(鹿児島4区)、津島雄二(青森1区)……。小泉が、こうした古狸たちに引退要請するつもりがないのなら、中曽根がゴネるのも無理はない。

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