政府は、ゴールンデンウイークの帰国ラッシュを見据えて、水際対策を2023年4月29日の午前0時で終わらせることを発表した。(2023年4月26日 時事通信-コロナ水際対策、29日解除=GW見据え前倒し-政府調整 Japan Times on April 27, 2023 – Japan plans to end COVID-19 border controls on Saturday)
海外からの帰国者や、訪日外国人に悪評プンプンだった非能率な入国手続きがようやく終わりを告げるわけだ。
ところで、私は使ったことがないのだが、Visit Japan(入国手続オンラインサービス)の使い勝手ってどうなのだろうか。
おそらく、これは今後も海外からの帰国者に対して使用を求めるだろうから・・・
私が、コロナ禍になってから唯一、海外渡航したのは、腎移植(結局、頓挫したが)を目的とした2021年11月と12月に行った中央アジア(ウズベキスタン、キルギス)なのだが、ちょうど、「水際対策強化に係る新たな措置について」というのが、2021年(令和3年)11月5日から実施されたため、12月30日の帰国時の検疫は、誠にもって酷い扱いだったことを覚えている。
そう、私が2022年1月13日付で書いた「穢れし者たちへ~水際対策という名の成田空港検疫」で味わったことは生涯忘れることはないだろう。
私は車椅子を押してくれている航空会社のスタッフに言った。
「搭乗機が着陸してから2時間以上も検疫にかかっている。これではインバウンドの再興は当分ないね。日本人が自由に海外に行くこともね。日本の観光立国の夢は潰えたんじゃないかな。」私がそう言ったことに対し、彼女は力なく頷いた。
そして、こう言った。「貴方の2時間半は短い方よ。週刊誌に書かれていた外国人一家で8時間というのは事実なのよ。それじゃほとんどの人はたまらないわ。」
これに加えて、
成田空港のウェブサイトには「日本へ帰国・入国される方の交通アクセスについて」ということで、海外から来た人は公共交通機関を使うなというソトから来たものは穢れているとの論理満々の文章が書かれている。
「厚生労働省は、全ての地域から帰国・入国する方に対し、空港から自宅やホテルなどの待機場所までの交通手段に電車、バス、タクシー、航空機(国内線)などの公共交通機関を使用しないよう、強く要請しています。」
「成田空港内を運行する『ターミナル連絡バス』も公共交通機関です。帰国者・入国者の方はご利用になれませんのでご注意ください。」
こんなことを正気でやっていたのだ。
極論すれば、海外から帰国した人は、国内に自家用車を持つ親族や友人がいなければ、何万円かかろうがハイヤーに乗れ、それが嫌なら、何キロでも歩きやがれと言わんばかりの措置だったわけだ。
それでは、沖縄や北海道に帰らないといけない人は・・・知るか!海外に行くお前が悪いという論理だった。
そう、海外在住者で日本への帰国を決断せざるを得ない人だって当時はいたはずだ。
そういった人でさえ、苦々しい思いをしていたのが、2021年(令和3年)当時の狂気の時代だった。
さすがに、帰国者に公共交通機関を使うな指令は、2022年2月20日付で書いた「水際対策緩和で海外旅行も事実上の規制緩和になるか」のときに撤廃されたが、ソトから来たものは穢れているとの論理が日本中でまかり通っていたことに戦慄さえ覚えたものだ。
そこまでして水際対策の実態はどうだったのかと言えば、各所から聞こえてきたのはザル対策だったとの悪評、実際、私もこんなことで大丈夫なのかと思ったくらいだ。
そういった政府のやったふりコロナ水際対策が、2023年4月29日の午前0時をもって終わろうとしている。
ただ、私は常々思う。
コロナ禍という奇禍を生かして、日本の会社経営者たちは、従業員に対して休暇の分散くらいできなかったのかと・・・
結局、日本の為政者たちはコロナ禍の中で、少数弱者に対して、狂ったように人権侵害をやっただけで、何の新しい教訓も得なかったのだろう。
コメント
昨日、帰国しました。接種証明の事前審査手続をしての帰国でした。自宅に帰ってTVをみたとたん、明後日から接種証明などが不要になると知ってびっくりしました。コロナ禍の最後の場面を体験できました。Japan Visit Webはコロナ対策だけじゃなく、日本人に対しては税関申告の事前申告、外国人に対しては税関に加えて入国カードの記入の部分があるので、今後も使われるでしょう。帰国時には何のストレスも感じず、便利な仕組みだと思いました。昨日の帰国便の記事、本日の旅行のまとめの記事でふれているのでご覧ください。
お帰りなさい。
>帰国時には何のストレスも感じず、便利な仕組みだと思いました。
なるほど。便利なものなのですね。情報ありがとうございます。