2022年6月27日付のJapan Timesは「Despite official nudges, Japanese still not unmasking outside(公式の呼びかけにもかかわらず、屋外でマスクをし続ける日本人)」という記事を配信している。
そう、政府がいくら真夏の熱中症のリスクを訴えても、マスク信仰が厚い多くの日本人には響かない。
There has never been a mask mandate in the country, but more than two years of the pandemic has made mask-wearing the polite thing to do, even as heat-related illnesses are emerging as a concern as Japan readies for a boiling summer.
日本ではマスク着用の義務はないが、酷暑の夏に備えて、熱中症が懸念事項として浮上しているにもかかわらず、2年以上のパンデミックにより、マスク着用をすることが礼儀となっている。
熱中症のリスク(自分の健康)よりも礼儀(他人の目)を気にするというのが日本人の性なのだろうか。
そして、それを訪日外国人観光客にも求めるのは無理ゲーもいいところだと思うが、5月27日付の産経新聞では「首相『訪日外国人観光客にマスク着用を徹底』」とある。
法的義務があるわけでもないのに、こんなことをして、日本が不興を買わなければいいと思うのは私だけなのだろうか。
2022年6月4日付のJB Pressでは「もはや感染者数などニュースにもならない、『コロナはすでに過去』の欧州」と報じられているのとは全く対照的なのが、今の日本だ。
According to an online survey conducted in May by Laibo, around 40% of the 708 respondents said they believe mask-wearing requests can end, but nearly 90% said they would continue wearing them.
Laiboが5月に実施したオンライン調査によると、回答者708人の約40%がマスク着用の要請を終了できると考えているが、90%近くが引き続き着用すると回答している。
この調査によるマスク着用継続派9割というのは、私には、そのまま現時点での屋外マスク率と同じに見える。
政府が屋外でマスクを外すように呼びかけてさえ、酷暑の夏にマスクを付け続ける日本人が9割もいる以上、私が2021年9月15日付で書いた「アフターコロナ時代は日本でもマスクを外せるか」というコラムで述べた「アフターコロナ時代に世界でマスクをする人~真の病人、犯罪者、日本人。」というのは完全に的を得た一節と言えようか。
2022年5月27日付のニュースポストセブンでは「『ノーマスク』に憤る人たち 教室、オフィス、店舗、親族間でも」という記事が配信された。
たかがマスク如きに・・・というレベルだが、マスク皮膚炎を患った私にも身に覚えがあることがいくつもある。
厚生労働省のウェブサイトには「マスク等の着用が困難な状態にある発達障害のある方等への理解について」というページがあり、
発達障害のある方については、触覚・嗅覚等の感覚過敏(聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚等について、非常に敏感になっている状態)といった障害特性により、マスク等の着用が困難な状態にある場合があります。
と書かれており、各自治体のページにも、そうした方への理解をしてくれとあるが、日本の屋内施設(時には屋外であっても)へ一歩足を踏み入れようとすれば、多くの人がマスク等の着用が困難な人がいることなど理解する気がないのを痛切に感じるからだ。
私は今回のコラムの表題にCrazyを使ったが、奇妙なという意味で使っている。
しかしながら、狂ったと訳してもいいくらいに、酷暑の中の日本人のマスク姿は異様に思える。
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