2021年5月24日に始まる高齢者向けコロナワクチン大規模接種で、不思議なことに、報道もされないし、ほとんど話題にもなっていないことがある。
私が5月8日付で「コロナワクチン大規模接種センターに潜む高齢者の死のリスク」と題して掲載した中の、高齢者の大規模接種と通勤ラッシュがかち合うことのリスクだ。
誰も懸念を抱かないのだろうか、それとも日本人の多くが「仕方がない」としか思っていないのか。
そして、今日(19日)、「大規模接種 通勤ラッシュ」のキーワードで検索したら、ヒットしたのは、何と5月18日付の東京スポーツの記事「たどり着けるか!?ワクチン接種“東京会場”は『大手町ラビリンス』 高齢者が迷子に」だけだった。
そこでは、
東京会場は都民でも把握している人はあまりいない“大手町ラビリンス(迷宮)”だ。
防衛省の案内では、最寄り駅として東京メトロ東西線の竹橋駅と同メトロや都営地下鉄の大手町を挙げており、それぞれ徒歩2分と3分としている。アクセス良好に見えるが、議員秘書は「大手町の合同庁舎3号館は寂れていて、分かりづらい場所にある廃虚みたいなところ。合同庁舎3号館といえば、霞が関で国交省が入る庁舎と勘違いされ、相当数、間違える人が出るでしょう。大手町駅も千代田線ならまだしも丸の内線や東西線からだと、遠過ぎて迷子になるのでは」と懸念する。
とあるが、これは、最寄駅からの案内スタッフを雇えば、解決しそうなことだが、問題は最寄駅まで辿り着けるかだろう。
前出の秘書は「1日最大1万人も接種すると意気込んでいるので、スタートすれば、大手町駅構内は多くの人であふれ、混乱必至でしょう。朝のラッシュ時で車内はさらに人が増えるし、たどり着けずにトラブルになるケースも出てくるでしょう」と指摘する。
政府は会場とJR東京駅を結ぶバスも運行する予定だが、まだ案内は出ていない。
わずか3行でサラリと書かれているが、政府は何の懸念も感じていないのか、いつものように、後手後手で、世間が騒いでから慌てて対策を打つのか。
一方の企業側も、コロナワクチン大規模接種センターが開設を機に、東京や大阪に通勤するサラリーマンに対し、テレワーク(在宅勤務)を加速させればいいものを、経済界からはそんな動きは全く感じられない。(2021年1月27日 President-緊急事態宣言でも「満員電車が全然解消されない」残念な理由)
こうなれば、高齢者自身が自衛するしかないだろう。
幸いに、「コロナワクチン接種応援プラン」と検索すれば、東京では、赤坂エクセルホテル東急、KKR東京ホテル、大阪では、ホテルNCBがヒットする。
ここ以外にも大規模接種センター近いホテルはあるし、割引プランを設定するホテルも増えてくるだろう。
平日のラッシュ時間帯に接種予約が入ってしまったら、金を惜しまず、前泊することをお勧めする。
ちなみに、私は前出のコラムで
通勤電車内に高齢者を突撃させないように、平日のラッシュ時間帯だけでも、JR東日本や東京メトロで、ワクチンの接種券を持った人だけが乗れるような臨時列車を仕立てることが望ましいかと思われる。
と書いたが、実際に問い合わせをしたので、結果をお伝えしよう。
JR東日本は、ラッシュ時の臨時列車増発は困難、東京メトロは関係部署に伝えるとのことだった。
まあ、東京メトロも今から臨時列車の増発は難しいだろうな。
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