来る11月3日の米国大統領選挙に向けて、共和党大会でドナルド・トランプ大統領(US President Donald Trump)が2期目の大統領候補として正式に指名され、先の民主党大会で大統領候補として指名されたジョー・バイデン前副大統領(former vice-president Joseph Biden)との一騎打ちが決まった。(2020年8月25日 BBC Japan-共和党大会開幕、トランプ氏を正式指名 初日から本人演説 2020年8月21日 BBC Japan-バイデン氏、国民を守り闇を終わらせると 指名受諾演説)
日本にとっては、同盟国とはいえ、所詮、外国である米国の大統領選挙なので、主要メディアの間では、来年の景気や株価、あるいは、新型コロナウイルス対策のことが、大きなニュースになるかと思うが、実は、この大統領選は日本の尖閣諸島、そして沖縄の未来も左右する出来事になり得るかもしれないと私は思っている。
トランプ大統領は中国に対して、強硬姿勢で臨んでいることが知られているが、8月1日付のアジア・ニュース・インターナショナル(Asian News International)は「US pledges to help Japan with China’s incursions into Senkaku islands(米国は尖閣諸島に侵攻する中国に対して日本を助けることを誓約)」という表題で、ポンペオ国務長官(US Secretary of State Michael Pompeo)の発言が掲載されている。
もちろん、このことは、米国の国益に沿った戦略であり、5月30日付のTHE FACT(ザ・ファクト)の記事「もし尖閣諸島が中国に実効支配されたら【侵略シミュレーション】」を読めば、それが理解できるだろう。
それでも、日本政府が中国に領海侵犯をされても遺憾だと言うだけで、何もできない現状よりはマシであり、まさに沖縄にとって、米国大統領選の行方はそれだけ重要だということになる。(2020年8月25日 日経新聞-中国公船には退去警告 尖閣侵入で政府、「侵犯」表現使わず)
一方、8月12日付のCNNは、「バイデン氏勝利なら『米国民は中国語習得が必要に』 トランプ氏が主張(英文記事:Trump says Americans will have to learn Chinese if Biden wins but offers little condemnation of Beijing)」と報じているが、これはバイデン氏がそれだけ中国と密だということの表れであり、さらに、彼がオバマ前大統領の「米国は世界の警察官ではない(America is not the world’s policeman.)」(2013年9月10日 ホワイトハウス演説)路線を引き継ぐとしたら、日本の安全保障は風前の灯と化すだろう。
今後の国際メディアの報道は、日本は言うに及ばず、欧米諸国でも、一国主義のトランプ大統領よりは、国際協調を打ち出すバイデン候補の方に肩入れする傾向が強いかもしれない。
しかしながら、世界の覇権を狙う中国の習近平(Xi Jinping)主席は、現代のヒトラー(Adolf Hitler)のようなものであり、彼と協調するなどと言うことは自由と民主主義の死であり、今もって求められるリーダーは、ヒトラーと対峙したチャーチル(Winston Churchill)元首相や、旧ソ連を「悪の帝国(evil empire)」と言ったレーガン(Ronald Reagan)元大統領のような人物だ。
そして、去る25日の共和党大会で、トランプ大統領の支持者が歓声を上げながら「もう4年!(Four more years!)」と言ったことが報じられているが、東京の米国大使館前でそうすべきなのは日本人の方かもしれないのだ。
さらに、トランプ大統領は「彼らを本当に怒らせたいなら、もう12年と言おう。(If you want to really drive them crazy, you say 12 more years.)」と呼応したようだが、もし、「彼ら(them)」の中に、米国のバイデン氏らだけでなく、彼と密な関係にあるとされている中国共産党も含まれるのだとしたら、大したものだと思う。
最後になるが、バイデン氏のことについては、ダークネスの著者である鈴木傾城氏が、8月11日付のコラムで「すでに中国に取り込まれている媚中派ジョー・バイデンが次期大統領なのか? 」と書いている。
これに加えて、安倍晋三首相の後継者に、媚中政治家の二階俊博幹事長の息のかかった人物がなったりすると、中国共産党にとって我が世の春であると同時に、日本国は名実ともに中国の朝貢国と化すかもしれない。
そういった意味で、11月3日の米国大統領選は、日本の将来も決める一大事と言えるだろう。
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