館山サイクリング~去り行く夏の想い出

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総武線

去る9月1日、私が青春18きっぷの旅の第五弾として千葉県館山市を選んだのは、昨年のジャカルタでご一緒した友人が、フェイスブック上で館山市へ旅行へ行ったときの写真をアップしていたからだ。
おお、関東近県にこんなに綺麗なところがあるんだと感心した私は、青春18きっぷの最後の行き先を館山市にすることにした。

館山駅で電動アシスト付の自転車を借りる

館山駅

7時30分に横浜から君津行きの普通列車に乗り、さらに、君津で内房線の列車に乗り継いで、館山に到着したのは10時31分、3時間かければ、新幹線だと横浜から大阪へ行けるのだが、青春18きっぷだと館山へようやく到着できる距離だ。

2019年夏 青春18きっぷ

ここからは海外線を走るJRバス(東口1番乗り場)に乗り継げば、友人が写真を掲載していた坂田海岸や、波左間海水浴場洲崎灯台にも行ける。

しかし、バスの出発時間は10時35分、それに、1時間に1本という制約のある中で、各観光地を移動するには不便だと思った私は、駅前(西口)の観光案内所でレンタサイクル(1日:1500円)を借りることにした。

館山市内の道は、それほどアップダウンがないというので、サイクリングには都合が良かった。
電動アシスト付なので、多少の坂道は構わないが、真夏の移動はキツそうだからだ。

館山城(城山公園)

館山城

私が最初に行ったところは、城山公園山頂にある館山城(八犬伝博物館)だ。
ここは、戦国大名であった里見氏を題材にした「南総里見八犬伝」に関する資料が展示され、その人気が紹介されている。

館山城

城山公園に着いた私は、自転車を止め、暑い中を上まで歩くのかと思っていたら、忍者の格好をしたスタッフが無料シャトル(土日・祝日の10時から15時まで)で運んでくれると言うので、さっそく乗り込むことにした。

ほとんどの人は自家用車などで来るだろうが、バスに乗ってくるなら前述のJRバスか、館山航空隊行き(市内線)の館山日東バスに乗って、城山公園前バス停で降りればいい。
ただ、どちらも運行本数は1時間に1本程度なので、時刻表の確認は事前にしておこう。

館山城

ここが戦国大名であった里見氏の遺産となっている館山城跡、周囲は公園になっていて、季節によっては、つつじや花菖蒲が見ごろとなる。

館山城

城の前では何組かの観光客が写真を撮っているので、私も撮ってもらった。
それでも、日曜日とは言え、酷暑の中で、城を見学に来ようという酔狂な人は、思ったよりも少なかった。

館山城

観覧料(400円)を払って、城内に入ると、出迎えてくれるのが「八房と狸の像」、ここから南総里見八犬伝の世界に突入する。

館山城

館山城

館山城

南総里見八犬伝に興味ある方は、展示室に飾られたものに魅せられるのではなかろうか。
私はざっと見ただけだが、中はそれほど混雑していないので、じっくりと見たい方にはお勧めのところだ。

館山城

館山城望楼からの眺め、この日は天気が良かったので、遠くまで見渡せてとても良かった。
どちらかというと空気が澄んでいる秋の方がいい写真が撮れそうだ。

館山城

遠くに右手に見えるのが、館山夕日桟橋(館山港多目的観光桟橋)、その名のとおり、夕方になると写真を撮る人でいっぱいになるそうだ。

館山城

館山城(城山公園)にいたのは1時間ほど、ちょうど昼食の時間になったので、自転車を走らせて、食事ができそうなところを探す。

ところが、館山城の周囲にはあまり食事ができそうなところがない。
偶然見つけた「汐入」という大衆食堂で昼食を取るが、座敷席でコンセントを貸してくれると言われたのに、肝心の充電機器を持参してこなかった。

おおお、と思いながら本棚にあるマンガを読んでいると、注文した食事が運ばれてきた。
せっかくの好天なのに、ここでマンガを読んでいてはもったいない。
雨降りの日や寒い日は、こういうところで時間を潰すのも悪くないと思いながら店を後にした。

海上自衛隊 館山航空基地(第21航空群)

海上自衛隊 第21航空群

私は館山市内をサイクリングしながら、どこのビーチで過ごすか考えていた。
ところが、観光案内所でもらった地図を見ると、館山城の近くに、海上自衛隊の館山航空基地があることがわかったので、さっそく行ってみることにした。

海上自衛隊 第21航空群

ここは、軍事基地なので、基本的に部外者が中に入ることはできないが、外から見える範囲で写真を撮るのは構わないということなので、記念に撮らせていただいた。
帰宅後にウェブサイトを確認すると、事前に基地見学申請を出せば、大丈夫なようなので、次回、行く機会があればそうしようと思う。

沖ノ島海水浴場

沖ノ島海水浴場

館山航空基地の自衛官の方が言うには、基地から一番近くて綺麗なビーチが沖ノ島海水浴場ということだった。
ここは、千葉でスノーケリングするなら沖ノ島と書かれているコラムもあるくらいなので、さぞかし水も綺麗だろうと思っていた。
自転車で行ける距離なら行ってみようと、さっそく向かうことにした。

沖ノ島海水浴場

館山市の公式ページには、2019年の海水浴場開設期間は、7月13日から8月18日とあったが、7月がほとんど海水浴ができない気候だったので、今日(9月1日)まで、案内所や海の家の営業を延長したそうだ。
それゆえに、私が来た昼過ぎには、駐車場もほぼ満車だったわけだ。

沖ノ島海水浴場

結局のところ、この海水浴場開設期間というのは、それぞれの地域で、監視員やライフセーバーの配置がされたり、海の家などの施設が営業している期間のようだが、最近はカレンダー通りの気候変化ではないので、もっと柔軟に対応してもいいような気がした。

沖ノ島海水浴場

もっとも、そういったことに関係なく、柔軟に対応している外国のビーチは、監視員やライフセーバーがいないところも多いし、海の家といった臨時の施設もあまりない。

沖ノ島海水浴場

結局のところ、外国のビーチでは水着の上に服を着てやってきて、そのまま帰るというスタイルでも大丈夫な人が多いから、ビーチに何の施設もなくともいいのだろう。
それに、ビーチパラソルなしに日光浴している人も多いし・・・

ちなみに、ここに海の家がない期間は、館山港の近くにあるコンビニなどで食料や飲み物を仕入れて来ないといけないので、それだけは注意した方がいいだろう。

沖ノ島海水浴場

ところで、この沖ノ島海水浴場は海の水がとても綺麗だ。
砂浜のビーチと、スノーケリングができる岩場のビーチが混在しているのも人気の理由だろう。

沖ノ島海水浴場

一般的な海水浴シーズンが終わっているにもかかわらず、かなり多くの人で賑わっているし、自家用車がある人なら、関東近県から時間をかけても来る価値があると思う。

沖ノ島海水浴場

私自身、自転車を借りてここまで来て良かったと思っている。
おそらく、バスで来ていたら別のビーチに行っていたと思うからだ。
さすがに、海上自衛隊の館山航空基地から徒歩でここへ来るには、酷暑の季節には辛いだろう。

沖ノ島海水浴場

午後2時半、館山駅に戻るにはまだ早い時間なのだが、別のところにも寄っていくなら、そろそろ出発しないといけない。
来たときに写真を撮ってもらった案内所も店じまいなのか、看板は完全に撤去されている。
もう、日本では海水浴シーズンは終わりなのだ。

館山夕日桟橋(館山港多目的観光桟橋)

館山港

沖ノ島海水浴場から館山駅に戻る途中、海岸通りの道沿いに「渚の駅”たてやま”」というところがある。
そこが、館山夕日桟橋(館山港多目的観光桟橋)のゲートウェイで、橋の上には釣り糸を垂れる人が大勢いる。

館山夕日桟橋(館山港多目的観光桟橋)

ここは、その名のとおり、夕方になると多くのカメラマンが訪れるという。
私が寄った時間は午後3時なので、とても夕方とは言えないのだが、あと3時間(日没:午後6時6分33秒)もすれば、夕日に染まる富士山を見ることができたらしい。

館山夕日桟橋(館山港多目的観光桟橋)

特に、5月上旬と8月上旬には富士山の頂上に夕日が沈んでゆく「ダイアモンド富士」を見ることができるそうなので、タイミングが合えば是非行ってみるといいだろう。

館山夕日桟橋(館山港多目的観光桟橋)

ちなみに、ここからさらに館山駅寄りには、北条海水浴場と新井海水浴場という駅から徒歩圏内のビーチがあるのだが、ちょっと寄った感じでは、沖ノ島海水浴場にはとても敵わないと思う。
多くの人は自家用車で来るのだから、是非、沖ノ島公園まで足を伸ばして欲しい。

最後に

私が千葉県館山市へ遊びに行った翌週の月曜日に、関東地方は台風15号の襲来に遭い、特に千葉県は近年稀にみる被害を被った。

まだ今日現在でも停電や断水などで苦難を余儀なくされている人もたくさんいると聞いており、できるだけ早く皆さんが普段通りの生活ができるように願っている。(2019年9月12日 Weather NEWS WEB-9月8~9日、首都圏で記録的暴風となった台風15号について

そのような中で、房総地方に自衛隊基地があったことは大きな助けになるだろう。
近隣市内の停電が復旧するまでの間、毎日13時から19時まで、入浴、携帯電話の充電、休憩、給水、洗濯に関して支援がされると報じられている。

私ができることなどほとんど何もないが、このコラムをお読みになった方が、地域の復興のために、房総地方の魅力を再認識していただけたら幸いである。
冬でも温暖な房総地方は、これから観光シーズンを迎えるので、台風の被害から復興の目途が立ち次第、できるだけ多くの人に行っていただきたいと思う。

こういうときに引用するのが適切でないかもしれないが、2018年8月1日付のSPAに「日本の『避難所=体育館』は難民キャンプ級。公費でホテルに避難できる国もあるのに」という記事があった。
私も、自然災害などの被災者が避難した場所の居住環境の劣悪さには胸を痛めているのだ。

2004年10月28日付で私が掲載した「温泉地のホテルが地震被災住宅に」というコラムで引用した新聞記事にも、同様のことを政府が検討したことがあるような節がある。
これだけ自然災害などが多い国で、いつ誰が被災者になるかわからないのだから、政府として本格的に検討してもらいたいと思う。

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