去る7月10日に行われた参議院議員選挙で政権与党が圧勝し、自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党などの改憲勢力が、国会発議の要件となる3分の2(非改選と合わせて162議席)に必要な74議席以上を確保した。(2016年7月11日 産経新聞-改憲勢力3分の2超 発議可能に 自公で改選過半数超 自民1人区は21勝11敗 現職2閣僚落選 近く内閣改造へ)
これは、本日付の産経新聞の黒沢編集委員のコラムにあるとおり、「改憲勢力3分の2」は日本国民の危機意識の表れであるとも言えるだろう。
そして、今年と来年は、日本国憲法の改正論議を俎上に上げる絶好の機会であり、安倍首相がこの機会を逃せば、今までのように、国防政策に関する不毛な国会論戦が延々と続くことになるだろう。
奇しくも、同じ日の紙面で、「中国の南シナ海支配認めず 仲裁裁判所『法的根拠なし』と初判断」(英文記事:CNN – South China Sea: Court rules in favor of Philippines over China)とあるように、日本近海で中国のきな臭い軍事行動が露わになっている状況では、国防を軽視というか侮辱するような野党の主張が国民に支持されないのは当然なのだ。
実際のところ、自民党の憲法改正案や、安倍政権の内政が気に入らないということで、野党第1党の民進党(旧民主党)候補に投票しようと思っても、政権を握っていた当時の無能、多数の売国議員が跳梁跋扈していることに加え、共産党の藤野保史政策委員長の「防衛費は人殺し予算」発言(2016年7月5日 JB Press-防衛費は「人殺し予算」、出るべくして出た藤野発言)に見られるような亡国政党と組むようでは凋落傾向に歯止めがかからなくても致し方ないだろう。
まさに、私が「健全な野党がないのが日本の最大の政治的欠陥(2014年12月20日)」と書いたときから日本の政治状況はまるで変っていないことが良くわかる。
民主主義国家として実に嘆かわしいと言わざるを得ない。
ところで、今回の参議院議員選挙における与党の圧勝を受けて、日本の株式市場は急回復の様相を見せている。
去る7月8日のコラムで「黄昏のアベノミクス相場、放ったらかし投資家にお勧めな日経平均ベアETF(1580)」と書いたときがボトムで、そこから今までの凋落ぶりがウソのような急騰を演じている。
日経平均株価は、7月8日の終値(15,106.98円)に比べて、わずか2日間で988.67円の上昇、現時点の日経平均先物の上げっぷりを見る限り、明日にはBrexit(英国のEU離脱)ショックを完全に払しょくできそうな勢いだ。
本日の午後5時に配信されたトレーダーズ・ウェブの記事「出遅れ修正は進む、三段上げで下げトレンド脱出なるか」では「日経平均は11日の上昇(601円高)で前の週の弱い動きを払しょくし、きょうの上昇で25日線を上に抜けた。ホップ、ステップときて、13週線(16231円)や26週線(16381円)を上回る大きなジャンプが見られれば、いよいよ下げトレンド脱出の期待も高まるのだが、さていかに。」と書かれていた。
果たして、今までとは違った力強い上昇を演じることができるか、それとも私が予想しているように、8月になった途端に「ナ・ダ・レ(雪崩)」が起きるのか。
この先1か月ほどが、今年の日本市場の正念場と言えるだろうか。
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