画期的な外貨両替アプリの「Revolut」、正式版はいつ日本で配布されるのか

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Revolut
海外渡航者にとって外貨両替の手数料というのはいつも頭を悩ませるものである。

私も「両替はどこでするのが得か?」ということをテーマにコラムを書いているし、機会があるごとに、トラベラーズチェック(TC/traveler’s check)での両替、日本円キャッシュの現地持ち込み、SMBC信託銀行(旧シティバンク)や新生銀行のキャッシュカードの現地利用、あるいは、海外口座の開設と様々なことを試してきた。

いずれも為替手数料をいかに節約するかが目的なのだが、2016年3月19日付のCNN Japanに掲載された「海外出張が楽になる新サービス7選」という記事にあった、外貨両替の世界に革命を起こしそうなモバイル決済アプリの「Revolut」は、今まで海外渡航者が頭を悩ませてきた外貨両替手数料のことを、すべて雲散霧消するような画期的なものだと書かれていた。

CNNの記事によれば、このアプリを提供している会社は、外貨両替にまつわる手数料を取らずに、インターバンクレートで外貨両替をしてくれるらしい。

実際のところ、FAQ – Getting StartedのWill I be charged for exchanging foreign currencies?(外貨両替手数料はかかるの?)という質問の答えを見ると、90通貨のうち87通貨はインターバンクレートで両替をしてくれると書かれている。

この原則から除外される3つの通貨は、タイバーツ(THB)、ロシアルーブル(RUB)、ウクライナ・フリヴニャ(UAH) だが、そのときのベストの為替レートでもって両替をするという。

私たちは、このアプリで手に入れた現地通貨を「Revolut Card」と呼ばれるMasterCard Debitを使って引き出せるようだ。

ちなみに、このアプリを登録して使ったというaphorism(アホリズム)さんの「すごいカード【Revolut】必見!海外口座から手数料無しで日本円を引き出す方法(2016年1月16日)」という記事は、これらのことが事実だということを示している。

もちろん、外貨両替手数料がかからないといっても、現地通貨の引き出しや海外送金などに際しては、所定の手数料がかかるようなので、詳しくは、FAQのそれぞれの項目に費用(charge)に関するものがあるので、それをご覧いただきたい。

ところで、この「Revolut」というアプリは日本人の間では認知度が低いのか、これを使ったというブログ記事は前出のもの以外にあまりなかった。
アプリは英語版しかないとはいえ、ダウンロードして個人情報を登録する手順は極めて簡単だ。

  1. Revolut」のウェブサイトにアクセスし、「GET THE APP」をタップして、アプリをiPhone(スマートフォン)にダウンロードする。
  2. アプリを開き、「Sign Up Now」をタップすると、「Enter your phone number to register with Revolut(Revolutに登録する電話番号を入力)」という画面が現れ、+81(日本の国番号)が表示されているので、続けて90-****-****などと入れて(090の最初の0は取る)、Sign Upに進む。ここで、Referral Code(紹介者コード)というものがあるが、ここは入れる必要はない。
  3. Create New Passcode(新規暗証番号作成)の画面が出たら、4桁の数字を入力、続けて、Repeat Passcodeが出るので、同じ番号を入力する。

Revolut
これで登録完了と思ったら、出てきたメッセージは、上の写真のように「Sorry! This App is currently only through an early access program in your country, and all the spaces are now filled. Please enter your email below so we can update you when the full version is released.『このアプリは貴国では現在、アーリーアクセスプログラム(early access program/開発中のため公開されていない製品』によってのみ入手可能となっております。また、現在すべての空きはありません。下記にメールアドレスを入力してお送りいただければ、正式版がリリースされた段階で最新情報を提供します。」というものだった。

試しに、SIMフリーのiPhone 5sで、香港の携帯番号を入れてみたが、同じメッセージが出てきた。

ちなみに、FAQ – Getting StartedのWhat countries are supported?(どこで使えるの?)という質問の答えで、現時点では香港も日本も入っていないのでダメなのかもしれないが、将来的には世界中で使えるようにしたい(In the future we aim to become available worldwide!)とのことらしい。

期待はできるのだろうか。
ところで、このアプリは外国製のiPhoneを使い、外国の携帯電話番号を入れたら使えるなんてことはないよね。

海外出張が楽になる新サービス7選 (2016.3.19 CNN Japan)

(CNN) ビジネスでの出張はたいてい退屈な時間が長いうえ、緊張やイライラを伴うもの。
だがITを駆使して旅を少し楽にする新サービスやアプリが登場している。
CNNはこのほど、ロンドンで開催された「ビジネストラベルショー」を取材。
こうした新サービスの背後にいる人たちに話を聞いた。

1.旅の荷物をなくす

バーチャル荷造りサービス「ダフル(DUFL)」は、荷物なしで出張できるサービスを展開している。

欧州・中東・アフリカ地域担当の責任者であるジョージ・ミーク氏によれば、DUFLはビジネスに使う服や靴、小物などを輸送し、クリーニングしたうえで保管するもの。
利用者は荷物なしで出張し、行き先で洗い立ての服を受け取ることができる。

このサービスは2015年5月に立ち上げられ、ビジネストラベルショーの「ディスラプト賞(London travel show’s Business Travel Disrupt Award for innovation)」を獲得した。

DUFLに登録した利用者は、まず同社から届けられるスーツケースに旅先で必要となる物をできるだけ詰め込み、スーツケースを回収してもらう。
そして出張の際には、その物品からなる「仮想クローゼット」から必要な物を選んで「荷造り」する。

保管にかかる毎月の手数料は9.95ドル(約1,100円)。
サービス自体の利用料は往復で99ドルとなっている。
DUFLは米国で立ち上げられ、現在、欧州やシンガポール、東京などのビジネス拠点で利用できる。
スポーツ版もこのほど提供を開始したほか、3月には日本でゴルフ版も始まる。

関連記事:2015年5月1日 TechCrunch-代わりに荷物をスーツケースに詰めて郵送してくれるDuflは、旅行者必須のサービス

2.退屈を軽減

旅の退屈な時間を軽減するネットワーキングアプリ「ジャンボ(Jambo)」は2015年末、立ち上げられた。
現在は招待客のみの利用となっている。

創設者のローラ・ステムブリッジ最高経営責任者(CEO)によれば、ビジネス交流サイト「リンクトイン(LinkedIn)」を出張者向けにしたようなサービスだという。

利用者はアプリで会食を設定することにより、組織内での人脈を拡大できるほか、出張で来た他の利用者と交流することもできる。
組織や業界、趣味ごとの集まりに加われる「トライブ」機能もこのほど始まった。

3.宿泊先を手配

出張先でホテルの予約が取りにくいときなどに活躍するのが「マジックイベント」(近く「マジックステイ(MagicStay)」に改称予定)だ。

民泊仲介サービス「エアビーアンドビー(Airbnb)」に似たサービスで、出張者向けにビジネス街での宿泊先を手配している。
欧米を中心に60都市でアパート2万戸を利用できる。

アパートと物件保有者は事前にオンラインと電話での調査で審査を受け、立地やWi-Fi環境などを基に選ばれている。

4.為替レート対策

グローバルに展開する決済アプリ「Revolut」は、透明性を保った形で自分のお金を管理できるサービスで、デビットカードとしての役割を果たす。
2015年7月に立ち上げられた。

同社のアナリスト、ガス・グールド氏によると、すでに90種類の通貨に対応しており、外貨取引にまつわる手数料などを支払わずに済む。
グールド氏によれば、ポンドやドルなどで資金をチャージしたうえ、銀行を通さずに銀行間取引レートで外為両替ができる。「ひどい為替レートで損をする羽目に合わずに済む」という。

(関連記事:2016年1月16日 aphorism アホリズム-すごいカード【Revolut】必見!海外口座から手数料無しで日本円を引き出す方法

5.航空機乗り換え案内

イタリアで2015年11月に設立された「Beepry」社は、複雑な旅程での航空路線検索サービスを強みとする会社だ。

創業者のサルバトーレ・アンブロジーノCEOによれば、同社の特許出願中の検索アルゴリズムはコストや効率面で最適な航空路線を見つることを可能にし、「より早く安い、利用者のニーズに合った」路線を案内できるとしている。
現在は企業向けのサービスが中心。

最近の研究では、会社員のおよそ3分の2が出張に際して社外の予約システムを使っているとの結果も出ており、同社に追い風となりそうだ。

6.地上の旅も効率的に

2014年に設立された「Fitways」では、ライドシェア(相乗り)サービスを旅行業界に持ち込もうとしている。
こう話すのはマーケティング責任者のザッキー・ハムラス氏だ。
利用者は140都市でタクシーなどを事前予約できる。
最大で1年前から予約できるというのが同社の売りだ。

空港に着く前からライドシェアを手ごろな値段で事前予約できる点も面白い。
ハムラス氏によれば、同サービスでは車両の提供者と直接契約しているため、「タクシーの価格は業界標準よりも安い」としている。

7.空港ラウンジ

Loungebuddy」は世界中の空港ラウンジに座席を見つけて予約できるようにしたアプリだ。
仕事のスペースや休憩場所などを確保したい出張者はこれで、ファーストクラスのクラブの一員でなくても空港での長い待ち時間のストレスから解放される。

創設者のタイラー・ディックマンCEOは15歳のとき、コンピューター関連の会社を設立し、高校卒業前から多額の売り上げを記録した経歴を持つ。

利用者は20~50ドル(約2,300~5,700円)の手数料で空港ラウンジの席を予約できる。
すでにラウンジの利用資格を手にしている人は無料でスペースを確保することも可能だ。

(関連記事:2015年3月2日 BLOGOS-空港ラウンジの使い勝手を格段によくする「Lounge Buddy」
英文記事:7 new travel start-ups making business trips less stressful (March 4, 2016)

コメント

  1. マネパ より:

    現時点で、日本の主要空港から出国出来る方は、
    マネパの外貨両替がベストな選択だと思います。
    ($2000までの制限があります。月に1回まで)

  2. マネパ より:

    ところで、ワールドワイドな発信をなされてる割に、
    海外からの書き込みには、IP規制を入れてるのですね。

  3. カルロス より:

    マネパさん、コメントありがとうございます。
    確かに、マネパの両替が良さそうですね。
    ところで、私は海外からのIP規制はしてないですよ。
    Niftyの設定は良くわかりませんが。

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