8月から香港での人民(中国)元投資が非居住者でも可能に

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働く女性

8月から香港での人民(中国)元投資が非居住者でも可能になる、という記事は、すでに多くの海外投資関係のブログでアップされているが、HSBC香港でも人民(中国)元投資ができるようになるのは時間の問題だろう。

今は香港IDがないと人民(中国)元預金はできない(RMB deposit service is only applicable for HKID Card Holders.)という制約があるので、私のような非居住者は日本国内(2011年10月21日-じぶん銀行で人民(中国)元預金ができるようだが)か、あるいは中国の深圳(Shenzhen)で銀行口座を開設しないと人民(中国)元投資はできなかった。

早ければ来月からその制約がなくなるため、日本居住者でもHSBC香港で最低1万元(約123,000円)から人民(中国)元の定期預金ができるようになるが、年利(Deposit Rates)はわずかに0.45%しかなく、どちらかというと為替差益狙いの様相が濃くなるだろう。

ところが、人民(中国)元建の投資ができるようになると、リスクレベルを考慮しなければ、オーストラリアドル建よりも利回りのいい社債(Corporate Bonds)に投資することもできる。

事実、債券(Bonds)の項目を見ると、100万元(約1230万円)から投資できる2015年4月11日満期、年利回り8.5%のNew World China Land Ltd.という社債がある。

今のところは、オーストラリアドル建の債券の方が、2万オーストラリアドル(約164万円)から投資できるものもあって、バラエティに富んでいるが、将来は人民(中国)元建のものもいろいろ出てくるだろう。

これに加えて、小口投資家にとっては現実的なものとして、2012年2月14日に香港市場に上場された人民(中国)元建の金ETF「恒生人民幣黄金ETF(Hang Seng RMB Gold ETF) (83168)」に投資することも可能になる。

また、将来的には、私が現在投資しているAllianceBernstein – American Income Portfolio(毎月分配型、豪ドル建の年利回り約8%)の選択可能通貨(現在7通貨)に人民(中国)元が加わるときが来るかもしれない。

これで、また海外投資の楽しみが一つ増えたというわけだ。

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香港当局、非居住者への人民元サービス提供を8月1日から認める (2012.7.26 ロイター)

[香港 25日 ロイター] 香港金融管理局(HKMA)は25日、非香港居住者に対し、1日あたりの制限なしに人民元の交換を認めると発表した。
市場ではオフショア人民元市場の活性化につながり、人民元自由化に向け一歩前進したものと受け止められている。

香港居住者は人民元口座を開設し、1日あたり2万元(3100ドル)を上限に人民元を購入して一定の人民元資産に投資することができるが、非香港居住者には認められてこなかった。
HKMAは適格金融機関を対象に、非香港居住者の個人顧客への人民元サービス提供を8月1日から認めるとした。

非香港居住者に対する人民元サービスの資金は、5540億元を含め約半分が外貨建てとなる7兆香港ドル(9024億ドル)超の香港の預金が利用される。
複数のアナリストは今回の措置について、香港におけるオフショア人民元の流動性を高めることが目的だと指摘。

人民元の対ドルにおける上昇は最近スローダウンしており、投資家の意欲を削いでいる。
香港におけるオフショア人民元の流動性は過去6カ月間のうち、月間あたりで5カ月減少した。

DBSのエコノミスト、ネイサン・チョウ(Mr. Nathan Chow)氏は「当局の観点からみると、第三者が人民元取引・決済を行う場として香港を利用することを間接的に支援しており、中国政府が海外に人民元決済銀行を設けることは短期的にはなさそうだ」と指摘。「これは香港のユニークな役割が当面続くということを意味する」と述べた。

オフショア人民元業務をめぐっては、シンガポールやロンドンも興味を示している。
HKMAの朱立翘(カルメン・チュー/Ms. Carmen Chu)総裁補(外事担当)は、香港居住者に対する人民元交換上限の見直しについては、需要と今後の動向次第だと指摘。「現行の交換上限で香港居住者の需要を満たすことができていると思う」と述べた。

英文記事:Hong Kong to loosen yuan conversion limits in further FX reform

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Hong Kong banks to provide RMB Services to Non-Hong Kong Residents (Hong Kong Monetary Authority 25 July 2012)

The Hong Kong Monetary Authority (HKMA) issued today (Wednesday) a circular setting out that banks in Hong Kong will be allowed to open RMB accounts for non-Hong Kong residents and offer them a full range of RMB services starting from 1 August.

The Chief Executive of HKMA, Mr Norman Chan, said, “The HKMA has been in discussion with the industry and the Mainland authorities about the provision of RMB services to non-Hong Kong residents by Hong Kong banks. I am very pleased that banks in Hong Kong may begin offering RMB services to non-Hong Kong resident next month.

This is another important milestone for the development of offshore RMB business in Hong Kong.”

“The HKMA has also had deliberations with the industry about how RMB business for Hong Kong residents can be further refined at the same time while RMB business for non-Hong Kong residents is introduced.

In this regard, there have been several proposals with pros and cons that are somewhat difficult to weigh between, and therefore we would need to consider further and discuss with the Mainland authorities.”

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コメント

  1. Kanna Y より:

    いつもナイスな情報をありがとうございます!

  2. カルロス より:

    Kanna Yさん
    コメントありがとうございます。

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